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【◯分で解説】PTOT国家試験 脊髄損傷領域

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脊髄損傷の国家試験問題の解説を通して、世の中の皆さんに少しでも「脊髄損傷とは?」を知ってもらえると嬉しいです。出来るだけ平日は毎日アップしていきますのでお楽しみに!
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#第55回理学療法士国家試験

【7分で解説:呼吸筋】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第47回 PM-問題72 #せきそん国試

【7分で解説:呼吸筋】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第47回 PM-問題72 #せきそん国試

今回は第47回PT国家試験の午後:問題72を解説します。

今回は呼吸筋に関する問題です。頸髄損傷者では呼吸機能障害は必発ですので必ず覚えておいた方が良いですね。

まずは呼吸に関わる筋肉を復習しましょう👇

この表を覚えておけば今回の問題は即答できます。つまり腹筋群が呼気に働くということさえ知っていれば良いのです。もちろん他の筋肉の作用も覚えておくほうが良いですよ。

と言うことで

正解は 

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【6分で解説:後索路障害】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第47回 PM-問題63 #せきそん国試

【6分で解説:後索路障害】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第47回 PM-問題63 #せきそん国試

今回は第47回PT国家試験の午後:問題63を解説します。

今回は感覚の伝導路である後索路について問う問題です。

ではまずは伝導路の復習をしましょう👇

青が脊髄を上行する感覚の伝導路で、脊髄視床路(前と外側)・後索路

赤が脊髄を下行する運動の伝導路で、皮質脊髄路(前と外側)です。

今回は後索路が問われてますので、後索路を確認します。後索路は深部感覚と触覚(識別型)の伝導路でしたね。

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【12分で解説:家屋改造】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第47回 PM-問題40 #せきそん国試

【12分で解説:家屋改造】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第47回 PM-問題40 #せきそん国試

今回は第47回PT国家試験の午後:問題40を解説します。

今回は家屋改造についての問題です。

車椅子の寸法と車椅子が快適に動ける空間寸法の知識を押さえておきましょう。選択肢を見ながら解説していきます👇

1.ドアの開口部は90cmとする

ドアの開口部が90cmが快適なのかは車椅子の横幅と実際に車椅子を漕ぐ時の上肢・手の幅を含めたトータルの幅を知っておく必要があります。

今回はOXのカタロ

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【8分で解説:到達可能ADL(組み合わせ問題)】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第47回 PM-問題38 #せきそん国試

【8分で解説:到達可能ADL(組み合わせ問題)】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第47回 PM-問題38 #せきそん国試

今回は第47回PT国家試験の午後:問題38を解説します。

今回は機能残存レベルと到達可能ADLの組み合わせを問うよくある問題です。

では見ていきましょう!

1.C3:下顎による電動車椅子の操作

こちらは以前の問題でも解説したチンコントロールってやつですね。チンコントロールはC4レベル以上から適応とされます。

2.C7:自助具なしでの書字

上の表の②字を書くを見てみると、C8から完全自立

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【5分で解説:C5到達可能ADL】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第47回 AM-問題39 #せきそん国試

【5分で解説:C5到達可能ADL】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第47回 AM-問題39 #せきそん国試

今回は第47回PT国家試験の午前:問題39を解説します。

以前にも同じような問題がありましたね。C5レベルの到達可能ADLを問う問題が多いですね。国家試験の出題傾向としては①C5レベルは到達可能ADL、②C6レベルは絵問題が言えるかも知れないです。ご参考になさってください。

では選択肢を見ていきます👇

⭕️ 1.歯磨き

C5Bのレベルから自助具を用いて歯磨きができそうですね。

❌ 2.

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【7分で解説:脊柱の靭帯】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第48回 PM-問題54  #せきそん国試

【7分で解説:脊柱の靭帯】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第48回 PM-問題54 #せきそん国試

今回は第48回PT国家試験の午後:問題54を解説します。

今回は脊柱を取り巻く靭帯についての問題です。

最初に解剖学の復習をします。

まずは脊髄を取り巻く”膜”について👇

”膜”は脳とも同じなので外側から硬膜➡︎くも膜➡︎軟膜でしたね。

次は脊柱を取り巻く”靭帯”についてです👇

このような構造になってましたね。

では問題文です

背部正中で「皮膚と脊髄くも膜下腔との間にある組織」

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【11分で解説:関節可動域】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第48回 PM-問題35  #せきそん国試

【11分で解説:関節可動域】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第48回 PM-問題35 #せきそん国試

今回は第48回PT国家試験の午後:問題35を解説します。

今回は頸髄損傷者の可動域の問題ですね。

最初に言っておきますが、基本的に頸髄損傷者は健常者に比べてあらゆる関節で広い可動域が必要となります。

では選択肢を見ていきましょう!

1.肘関節伸展位での肩関節伸展(*肩伸展の参考可動域:50°)

はい、これ正解!って思ったんですが、これは正解ではありませんでした。なぜだ笑?????

日本

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【6分で解説:獲得可能ADL】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第48回 PM-問題34 #せきそん国試

【6分で解説:獲得可能ADL】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第48回 PM-問題34 #せきそん国試

今回は第48回PT国家試験の午後:問題34を解説します。

まずは下の表をご覧ください👇

この表を見ていただくと選択肢の1〜5が実際にできるのか、できないのかが分かります。

1.自己導尿ができる

この表を見ていただくと一目瞭然ですね。C5レベルはすべて”0”です。やはり自己導尿の自立は難しいです。自助具を使用して自己導尿ができる上限はC6Aですね。

2.ズボンの着脱ができる

この表を見

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【9分で解説:画像問題】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第48回 AM-問題85 #せきそん国試

【9分で解説:画像問題】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第48回 AM-問題85 #せきそん国試

今回は第48回PT国家試験の午前:問題85を解説します。

今回は腰部MRI画像から認められる疾患、病変について問う問題です。

1.骨粗鬆症

「脊椎X線像での骨粗鬆化の評価は、従来の骨萎縮度判定基準を参考にして行う」そうです。骨粗鬆化あり(従来の骨萎縮度判定基準:骨萎縮度Ⅱ度以上)と診断する際のX線所見としては椎体の「縦の骨梁が粗となる」「縦の骨梁が不明瞭となる」を見るそうです。今回はMRI画

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【4分で解説:到達可能ADL】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第48回 AM-問題34 #せきそん国試

【4分で解説:到達可能ADL】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第48回 AM-問題34 #せきそん国試

今回は第48回PT国家試験の午前:問題34を解説します。

今回は脊髄損傷者の損傷高位レベルと到達可能なADLの組み合わせについての問題です。

では各選択肢を見ていきます👇

1.C4ージョイスティック付電動車椅子走行

■ジョイスティック

ジョイスティックとは車椅子の自走が難しい頸髄損傷者の方が車椅子操作で使用するいわゆる”ハンドル”のようなものです。

ISNCSCIの上肢のKey Mu

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【7分で解説:Zancolli分類】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第49回 PM-問題30 #せきそん国試

【7分で解説:Zancolli分類】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第49回 PM-問題30 #せきそん国試

今日は第49回PT国家試験の午後:問題30を解説します。

今回の問題はZancolli分類に関しての問題となります。

まずはZancolli分類からおさらいしましょう👇

資料のp.7をご参照ください!

これややこしいですよね。ボクはこういう分類表を覚えるのが苦手で、覚えても忘れてしまうのですぐに見るようにしてます。

問題文に書かれている基本的機能筋が何か?ってことですが、表の残存運動機

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【8分で解説:画像問題】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 No.49 PM-12 #せきそん国試

【8分で解説:画像問題】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 No.49 PM-12 #せきそん国試

今日は第49回PT国家試験の午後:問題12を解説します。

今回の問題はMRI画像所見とマッチングする選択肢を考える問題ですね。

まずはASIA機能障害尺度が”B”というのは、ざっくり言うと、神経学的損傷高位よりも下位に感覚機能は残存しているが、運動機能は残っていない状態のことを言います。詳しくはnoteをご覧ください👇

ではまずMRIの画像を見てみましょう。これがどこの高位で損傷を受けてい

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【3分で解説:自律神経過反射】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 No.49 AM-30 #せきそん国試

【3分で解説:自律神経過反射】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 No.49 AM-30 #せきそん国試

今日は第49回PT国家試験の午前:問題30を解説します。

尿意の代償=”代償尿意”とも言われますが、選択肢も見てみましょう。代償尿意、選択肢を見て”ピン”とくれば大丈夫です。

この問題は自律神経過反射(自律神経過緊張反射:Autonomic Dysreflexia)の症状を問うてきてます。

では自律神経過反射の特徴的な症状をおさらいしておきましょう👇

発作性高血圧 徐脈 頭痛 発汗 顔面

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