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【◯分で解説】PTOT国家試験 脊髄損傷領域

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脊髄損傷の国家試験問題の解説を通して、世の中の皆さんに少しでも「脊髄損傷とは?」を知ってもらえると嬉しいです。出来るだけ平日は毎日アップしていきますのでお楽しみに!
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【7分で解説:機能残存レベル】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第55回 PM-問題18 #せきそん国試

【7分で解説:機能残存レベル】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第55回 PM-問題18 #せきそん国試

今回は第55回PT国家試験の午後:問題18を解説します。

今回は頸髄損傷の髄節とKey Muscleを問う問題です。

まずは復習をしましょう👇

Zancolli分類

ISNCSCIの上肢のキーマッスル

ISNCSCIの下肢のキーマッスル

以上のKey Muscleを覚えていればなんとか解答できる問題ですね。

ではまず表を見ていきましょう!

表の上から順に

三角筋:C5

上腕二

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【7分で解説:排便】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第55回 AM-問題66 #せきそん国試

【7分で解説:排便】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第55回 AM-問題66 #せきそん国試

今回は第55回PT国家試験の午前:問題66を解説します。

今回は排便についての問題です。問題文に随意的なと記載があるので見れば一発で分かる問題です。

まずは排便の神経機構について解説します。以前、排尿の神経機構について解説しました。リンクを貼りましたのでよろしければご覧ください。

排便の神経機構

排便反射中枢は排尿と同様にS2-4となります。

まず直腸まで来た便塊が直腸壁を伸展させます。

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【4分で解説:変形性頸椎症】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第55回 AM-問題14 #せきそん国試

【4分で解説:変形性頸椎症】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第55回 AM-問題14 #せきそん国試

今回は第55回PT国家試験の午前:問題14を解説します。

今回は変形性頚椎症の筋力低下の問題です。疾患は違いますが脊髄損傷の知識と同じですので頑張って解いてみてください。

この問題文からポイントとなる箇所ですが、「頸部伸展時に右手の母指にしびれが出現」のところです。

下の絵を見て見ましょう👇

これはISNCSCIのKey Sensory Pointsです。リンクを貼りましたので、こちらも

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【5分で解説:褥瘡】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第55回 AM-問題10 #せきそん国試

【5分で解説:褥瘡】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第55回 AM-問題10 #せきそん国試

今回は第55回PT国家試験の午前:問題10を解説します。

今回は褥瘡についての問題です。

27歳男性のT5損傷。長時間のデスクワークで除圧機会が減っている。

デスクワークなので、もちろん「座位」ですよね。なので座位で圧が集中する場所を選びましょう!

となると答えは3.仙骨部しかないわけです。

なので

答えは 3.仙骨部 となります

では他の選択肢はどうか?

1.肩甲部

これは背臥

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【7分で解説:呼吸筋】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第47回 PM-問題72 #せきそん国試

【7分で解説:呼吸筋】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第47回 PM-問題72 #せきそん国試

今回は第47回PT国家試験の午後:問題72を解説します。

今回は呼吸筋に関する問題です。頸髄損傷者では呼吸機能障害は必発ですので必ず覚えておいた方が良いですね。

まずは呼吸に関わる筋肉を復習しましょう👇

この表を覚えておけば今回の問題は即答できます。つまり腹筋群が呼気に働くということさえ知っていれば良いのです。もちろん他の筋肉の作用も覚えておくほうが良いですよ。

と言うことで

正解は 

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【6分で解説:後索路障害】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第47回 PM-問題63 #せきそん国試

【6分で解説:後索路障害】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第47回 PM-問題63 #せきそん国試

今回は第47回PT国家試験の午後:問題63を解説します。

今回は感覚の伝導路である後索路について問う問題です。

ではまずは伝導路の復習をしましょう👇

青が脊髄を上行する感覚の伝導路で、脊髄視床路(前と外側)・後索路

赤が脊髄を下行する運動の伝導路で、皮質脊髄路(前と外側)です。

今回は後索路が問われてますので、後索路を確認します。後索路は深部感覚と触覚(識別型)の伝導路でしたね。

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【12分で解説:家屋改造】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第47回 PM-問題40 #せきそん国試

【12分で解説:家屋改造】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第47回 PM-問題40 #せきそん国試

今回は第47回PT国家試験の午後:問題40を解説します。

今回は家屋改造についての問題です。

車椅子の寸法と車椅子が快適に動ける空間寸法の知識を押さえておきましょう。選択肢を見ながら解説していきます👇

1.ドアの開口部は90cmとする

ドアの開口部が90cmが快適なのかは車椅子の横幅と実際に車椅子を漕ぐ時の上肢・手の幅を含めたトータルの幅を知っておく必要があります。

今回はOXのカタロ

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【8分で解説:到達可能ADL(組み合わせ問題)】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第47回 PM-問題38 #せきそん国試

【8分で解説:到達可能ADL(組み合わせ問題)】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第47回 PM-問題38 #せきそん国試

今回は第47回PT国家試験の午後:問題38を解説します。

今回は機能残存レベルと到達可能ADLの組み合わせを問うよくある問題です。

では見ていきましょう!

1.C3:下顎による電動車椅子の操作

こちらは以前の問題でも解説したチンコントロールってやつですね。チンコントロールはC4レベル以上から適応とされます。

2.C7:自助具なしでの書字

上の表の②字を書くを見てみると、C8から完全自立

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【7分で解説:画像問題】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第47回 PM-問題10・11 #せきそん国試

【7分で解説:画像問題】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第47回 PM-問題10・11 #せきそん国試

今回は第47回PT国家試験の午後:問題10・11を解説します。

まずは画像から見ていきましょう👇

右の図を見ていただくとお分かりいただけるかと思います。第1腰椎が潰れてますよね。と言うことで問題10は3.第1腰椎です。

では次は受傷3ヶ月後のMMTの結果を見ていきましょう👇

右の足関節背屈(L4):2/足関節底屈(S1):1/足指伸展(L5):1となっており足関節周りの筋力低下を認めま

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【7分で解説:排尿機構】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第47回 AM-問題67 #せきそん国試

【7分で解説:排尿機構】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第47回 AM-問題67 #せきそん国試

今回は第47回PT国家試験の午前:問題67を解説します。

まずは排尿反射と排尿に関わる3つの神経の復習をしましょう。

排尿反射

まず大事なのが排尿反射中枢の場所です。排尿反射中枢は第2-4仙髄(S2-4)にあります。これは必ず覚えておきましょう。国家試験の排尿に関する問題では頻発する知識となります。

次に排尿反射の流れをおさらいします。

まず①膀胱に尿が溜まると膀胱壁が伸展します。その刺

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【11分で解説:自律神経過反射】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第47回 AM-問題40 #せきそん国試

【11分で解説:自律神経過反射】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第47回 AM-問題40 #せきそん国試

今回は第47回PT国家試験の午前:問題40を解説します。

今回は自律神経過反射の問題ですね。以前にも同様の問題がありましたので、よろしければご覧ください👇

YouTubeはこちらです👇

https://youtu.be/rNQ6PTTTJjQ

■自律神経過反射の特徴的な症状

発作性高血圧 徐脈 頭痛 発汗 顔面紅潮 鳥肌 吐き気 etc

がありましたね。

この時点で 4.低血圧を

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【5分で解説:C5到達可能ADL】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第47回 AM-問題39 #せきそん国試

【5分で解説:C5到達可能ADL】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第47回 AM-問題39 #せきそん国試

今回は第47回PT国家試験の午前:問題39を解説します。

以前にも同じような問題がありましたね。C5レベルの到達可能ADLを問う問題が多いですね。国家試験の出題傾向としては①C5レベルは到達可能ADL、②C6レベルは絵問題が言えるかも知れないです。ご参考になさってください。

では選択肢を見ていきます👇

⭕️ 1.歯磨き

C5Bのレベルから自助具を用いて歯磨きができそうですね。

❌ 2.

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【7分で解説:脊柱の靭帯】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第48回 PM-問題54  #せきそん国試

【7分で解説:脊柱の靭帯】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第48回 PM-問題54 #せきそん国試

今回は第48回PT国家試験の午後:問題54を解説します。

今回は脊柱を取り巻く靭帯についての問題です。

最初に解剖学の復習をします。

まずは脊髄を取り巻く”膜”について👇

”膜”は脳とも同じなので外側から硬膜➡︎くも膜➡︎軟膜でしたね。

次は脊柱を取り巻く”靭帯”についてです👇

このような構造になってましたね。

では問題文です

背部正中で「皮膚と脊髄くも膜下腔との間にある組織」

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【11分で解説:関節可動域】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第48回 PM-問題35  #せきそん国試

【11分で解説:関節可動域】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第48回 PM-問題35 #せきそん国試

今回は第48回PT国家試験の午後:問題35を解説します。

今回は頸髄損傷者の可動域の問題ですね。

最初に言っておきますが、基本的に頸髄損傷者は健常者に比べてあらゆる関節で広い可動域が必要となります。

では選択肢を見ていきましょう!

1.肘関節伸展位での肩関節伸展(*肩伸展の参考可動域:50°)

はい、これ正解!って思ったんですが、これは正解ではありませんでした。なぜだ笑?????

日本

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