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【◯分で解説】PTOT国家試験 脊髄損傷領域

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脊髄損傷の国家試験問題の解説を通して、世の中の皆さんに少しでも「脊髄損傷とは?」を知ってもらえると嬉しいです。出来るだけ平日は毎日アップしていきますのでお楽しみに!
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#国家試験

【7分で解説:排便】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第55回 AM-問題66 #せきそん国試

【7分で解説:排便】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第55回 AM-問題66 #せきそん国試

今回は第55回PT国家試験の午前:問題66を解説します。

今回は排便についての問題です。問題文に随意的なと記載があるので見れば一発で分かる問題です。

まずは排便の神経機構について解説します。以前、排尿の神経機構について解説しました。リンクを貼りましたのでよろしければご覧ください。

排便の神経機構

排便反射中枢は排尿と同様にS2-4となります。

まず直腸まで来た便塊が直腸壁を伸展させます。

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【4分で解説:変形性頸椎症】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第55回 AM-問題14 #せきそん国試

【4分で解説:変形性頸椎症】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第55回 AM-問題14 #せきそん国試

今回は第55回PT国家試験の午前:問題14を解説します。

今回は変形性頚椎症の筋力低下の問題です。疾患は違いますが脊髄損傷の知識と同じですので頑張って解いてみてください。

この問題文からポイントとなる箇所ですが、「頸部伸展時に右手の母指にしびれが出現」のところです。

下の絵を見て見ましょう👇

これはISNCSCIのKey Sensory Pointsです。リンクを貼りましたので、こちらも

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【5分で解説:褥瘡】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第55回 AM-問題10 #せきそん国試

【5分で解説:褥瘡】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第55回 AM-問題10 #せきそん国試

今回は第55回PT国家試験の午前:問題10を解説します。

今回は褥瘡についての問題です。

27歳男性のT5損傷。長時間のデスクワークで除圧機会が減っている。

デスクワークなので、もちろん「座位」ですよね。なので座位で圧が集中する場所を選びましょう!

となると答えは3.仙骨部しかないわけです。

なので

答えは 3.仙骨部 となります

では他の選択肢はどうか?

1.肩甲部

これは背臥

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【7分で解説:呼吸筋】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第47回 PM-問題72 #せきそん国試

【7分で解説:呼吸筋】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第47回 PM-問題72 #せきそん国試

今回は第47回PT国家試験の午後:問題72を解説します。

今回は呼吸筋に関する問題です。頸髄損傷者では呼吸機能障害は必発ですので必ず覚えておいた方が良いですね。

まずは呼吸に関わる筋肉を復習しましょう👇

この表を覚えておけば今回の問題は即答できます。つまり腹筋群が呼気に働くということさえ知っていれば良いのです。もちろん他の筋肉の作用も覚えておくほうが良いですよ。

と言うことで

正解は 

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【6分で解説:後索路障害】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第47回 PM-問題63 #せきそん国試

【6分で解説:後索路障害】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第47回 PM-問題63 #せきそん国試

今回は第47回PT国家試験の午後:問題63を解説します。

今回は感覚の伝導路である後索路について問う問題です。

ではまずは伝導路の復習をしましょう👇

青が脊髄を上行する感覚の伝導路で、脊髄視床路(前と外側)・後索路

赤が脊髄を下行する運動の伝導路で、皮質脊髄路(前と外側)です。

今回は後索路が問われてますので、後索路を確認します。後索路は深部感覚と触覚(識別型)の伝導路でしたね。

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【8分で解説:到達可能ADL(組み合わせ問題)】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第47回 PM-問題38 #せきそん国試

【8分で解説:到達可能ADL(組み合わせ問題)】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第47回 PM-問題38 #せきそん国試

今回は第47回PT国家試験の午後:問題38を解説します。

今回は機能残存レベルと到達可能ADLの組み合わせを問うよくある問題です。

では見ていきましょう!

1.C3:下顎による電動車椅子の操作

こちらは以前の問題でも解説したチンコントロールってやつですね。チンコントロールはC4レベル以上から適応とされます。

2.C7:自助具なしでの書字

上の表の②字を書くを見てみると、C8から完全自立

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【11分で解説:関節可動域】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第48回 PM-問題35  #せきそん国試

【11分で解説:関節可動域】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第48回 PM-問題35 #せきそん国試

今回は第48回PT国家試験の午後:問題35を解説します。

今回は頸髄損傷者の可動域の問題ですね。

最初に言っておきますが、基本的に頸髄損傷者は健常者に比べてあらゆる関節で広い可動域が必要となります。

では選択肢を見ていきましょう!

1.肘関節伸展位での肩関節伸展(*肩伸展の参考可動域:50°)

はい、これ正解!って思ったんですが、これは正解ではありませんでした。なぜだ笑?????

日本

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【6分で解説:獲得可能ADL】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第48回 PM-問題34 #せきそん国試

【6分で解説:獲得可能ADL】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第48回 PM-問題34 #せきそん国試

今回は第48回PT国家試験の午後:問題34を解説します。

まずは下の表をご覧ください👇

この表を見ていただくと選択肢の1〜5が実際にできるのか、できないのかが分かります。

1.自己導尿ができる

この表を見ていただくと一目瞭然ですね。C5レベルはすべて”0”です。やはり自己導尿の自立は難しいです。自助具を使用して自己導尿ができる上限はC6Aですね。

2.ズボンの着脱ができる

この表を見

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【5分で解説:絵問題】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第49回 AM-問題17 #せきそん国試

【5分で解説:絵問題】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 第49回 AM-問題17 #せきそん国試

今回は第48回PT国家試験の午前:問題17を解説します。

今回はC6頸髄損傷者の動作指導についての絵問題です。

まずは”C6頸髄節まで機能残存”の解釈についてです。

以前のnoteでZancolli分類をご説明しました👇

これでしたね。”C6頸髄節まで機能残存”と書かれていて、Zancolli分類を見てみると、C6頸髄節と言ってもC6A〜C6BⅢまでありますよね。しかもC6BⅡとC6BⅢ

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【8分で解説:画像問題】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 No.49 PM-12 #せきそん国試

【8分で解説:画像問題】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 No.49 PM-12 #せきそん国試

今日は第49回PT国家試験の午後:問題12を解説します。

今回の問題はMRI画像所見とマッチングする選択肢を考える問題ですね。

まずはASIA機能障害尺度が”B”というのは、ざっくり言うと、神経学的損傷高位よりも下位に感覚機能は残存しているが、運動機能は残っていない状態のことを言います。詳しくはnoteをご覧ください👇

ではまずMRIの画像を見てみましょう。これがどこの高位で損傷を受けてい

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【3分で解説:自律神経過反射】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 No.49 AM-30 #せきそん国試

【3分で解説:自律神経過反射】PTOT国家試験 脊髄損傷領域 No.49 AM-30 #せきそん国試

今日は第49回PT国家試験の午前:問題30を解説します。

尿意の代償=”代償尿意”とも言われますが、選択肢も見てみましょう。代償尿意、選択肢を見て”ピン”とくれば大丈夫です。

この問題は自律神経過反射(自律神経過緊張反射:Autonomic Dysreflexia)の症状を問うてきてます。

では自律神経過反射の特徴的な症状をおさらいしておきましょう👇

発作性高血圧 徐脈 頭痛 発汗 顔面

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