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「我が家に桜が咲いた日」

今回は長男はじめての受験、いえ我が家にとっても初めての受験についての日記である。
 
 
ちなみに長男と次男は三学年差なので、次男の小学校卒業・中学校入学と長男の中学校卒業・受験・高校入学が重なるという、我が家族の歴史史上もっとも慌ただしいシーズンであった。
かなり神経がピリピリした一年だった。
もう…なんか、あっという間に過ぎた感がある。
 
中学校の一学年、二学年をのほほ~~んと過ごしてきた長男を憂い、受験に直面する三学年の一年間は思いっきり勉強して、それこそ鼻血を出すくらい勉強してもバチはあたらないんじゃない?とお尻を叩いて勉強モードに入らせた。
 
一学年・二学年時に参加していた地元の塾は、数学を中心に教えてくれるというので入れた。
長男は中学の数学にやや手こずっていたので。
 
しかし状況を聞いてみると受験対策というより、“楽しく学ぶ”というコンセプトのゆるい塾らしい。
個人で経営されている若い男性が、休憩時間は子どもたちといっしょにカードゲームをしてくれるという、長男にとっては確かに楽しい塾だった。
 
でもあまり成績に反映しなくて、途中からかなりあせり始めた私は、長男が三学年に上がったのを機に大手の塾に鞍替えさせたのである。
塾の夏季・冬季合宿にも参加させた。
あまりに長男が暢気なので受験は厳しくなりそうだと、母は覚悟を決めたのだった。
でもそうせざるをえなくしたのは当の本人。
それでも本人はさほど嫌がることもなく通いはじめた。
 
元々第一志望のところがあったのだが、塾の先生のアドバイスで別の高校受験を真剣に考え出した長男。
第一志望のところも“要再考”との判定がでているのに、その別の高校は今地元で人気も実力もかなりある高校。
 
この塾に入ってすぐの長男の実力は、第一志望のところよりもレベルが2ランク下のところでギリギリかな…と塾の先生に告知されてしまい、やや絶望感にさいなまれていた私。

しかし本人は、いたって緊張感なし。
それなのに、その人気高校にも行きたいと思っていた様子。
なんて無謀な男だと思った。
だが行きたいと思う学校があるのならそこへ向けて努力はすべきだろう。
努力なくして成功ナシを体現する長男を導くために、塾の先生に頼り、私がはっぱをかけて受験シーズンを駆け抜けていった。
 
そうして塾の先生を信じて、いや、本人の頑張りを信じて迎えた年末。
写真の絵馬型のクッキーは読み聞かせ仲間が職場で焼いたクッキーで
「長男君、受験でしょう?頑張ってと伝えてね」といただいたものである。
感謝、感謝で涙が出そうになった。
また夫の仕事についていった観光地で売られていた受験用お守りも買った。
第一志望の学校の受験当日、中学校の担任が応援にきてくれた。
そしていわゆる“きっと勝っと”を長男に手渡ししてくれたのだった。。
 

そんなこんなの後ろ盾満載の中、長男は無事に合格した!
結局元々の第一志望だったところに通うことになった。
第一志望の方を先に受験し結果が発表され、入学事前説明会が人気校の入試日と重なってしまったのだ。
悩んだ結果、先に合格いただいたところにしようということになり、人気校のほうは受験を辞退した。
 
ダメかも~~と親子ともども心配していたこともあり、合格と知った時にはホッとして涙が出て、そして本人はまさか本当に合格するとは…と信じられない様子であった。
 
他にもう一校受けたところも、合格していたことがわかった。
ここも、本人に言わせると嘘みたいだそうで、一緒に受けた友人たちがことごとく撃沈していたらしい。
 
だから一年前の彼の成績と取り組み姿勢を思うと、まさに奇跡としか言いようがない。
いや、鼻血は出さずとも長男史上がんばった証だと信じよう。
 

でもでも、喜んでばかりもいかなかった。
合格したところはかなり厳しい学校なので、成績がある一定のレベルに到達しないとフツーに留年は当たり前らしい。
説明会でもわざわざ言及されるほどで、教授から覚悟するよう言われた。
生徒にも保護者にも忖度ナシである。
一時も気は抜けなかった。
 
ただし先々プロフェッショナルな人材を育てる意味でのシステムなのだということらしい。
肝に銘じてもらいたい。
 
しかしながら、校風はめちゃくちゃ自由だった。
思わず“ホント!?”とビックリするような事柄も見聞きしたが、あくまでも自己責任と自己管理による自由。
それが伝統となっているとのこと。
とにかく一生懸命、悔いの残らないようやって欲しい。
 

後日談:
説明会での話は本当だった。
長男の同級生が一年後に数名、二年後にも数名と各学年の年度末には単位不足での留年組が確かにいたのだ。
長男はどうにか免れたが、毎年ギリギリの成績で在校中はずぅ~っとハラハラし通しであった。
 

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