山のふもとのソワレ

子どもたちはすでに20代の大人に成長。子育て日記や読書感想を記録していた別ブログの中か…

山のふもとのソワレ

子どもたちはすでに20代の大人に成長。子育て日記や読書感想を記録していた別ブログの中から抜粋、加筆・修正後にnoteへ移動。他にも少しずつエッセイなども書いていきたいと思っています。

マガジン

  • 大人も読むべきヤングアダルト(YA)本の世界

    12歳から19歳くらいの子たちに向けた本の読書記録です。 本離れの世代には、まず大人が読んでみて薦めてみましょう

  • いわゆる読書感想文(一般書)

  • intermission

    合間に入るエッセイや身の回りのお話でちょっと休憩。読書感想文だけじゃない、自分のことを書いていきます。

  • 山のふもとの映画館

    私のお気に入りの映画をご紹介します。時々の更新です。どうやら子どもが出てくる映画が好きなようです。

  • 息子二人の子育て日記

    約十数年に渡る子育ての記録の中から、息子たちの発したおもしろい言葉や、気になったことを抜粋しています。 まだアップしていない記事も今後加えていく予定です。

最近の記事

「都会で受けた親切に…」

地方に住む私は、田舎に比べて何もかもがアミューズメント的な東京にちょっとしたあこがれがあり、これまでにも何度か遊びを目的とした東京旅行をしました。 その前に…まずは話を今回の記事で取り上げる上京話のきっかけから始めようと思います。 時は平成7年頃だったかしら。 かつては参加者もすごく多かったことで頻繁に行われていた“ウォークラリー”。(今は少なくなりました) ご存じの方も多いとは思いますが、誰でも気軽に参加できて楽しめる野外イベントで、家族や友人・会社の同僚などの

    • 「夏休みのわすれもの」

      我が家は日本の中の南の方に位置しており、今年も早くから蝉が鳴きはじめました。 ふと見ると、外壁の手の届く位置に蝉の抜け殻が目につきました。 よく木の幹にて見かけることはありましたが、おやおや、我が家の壁にへばりついていますね。 よく見ると背中もパックリと真ん中から分かれていますし、見事な抜け殻です。 それにしても、風が強い日も幾度かあったのにもかかわらず、よくぞ我が家に踏みとどまっていますね。 なんだかこんなに近くで脱皮をしてくれて、なお未だこの状態が保たれているのでこれは

      • 「秘密を持ったクラスメイトに生きる勇気をもらう~『放課後、君は優しい嘘をつく。』~」【YA85】

        『放課後、君は優しい嘘をつく。』 雨野 マサキ 著 (KADOKAWA)                           2018.8.31読了 私が仕事現役の時、辞める直前までの図書館での担当がYA(ヤングアダルト)部門だったこともあり、YA棚に置く本の選書やテーマ展示、YA向けのイベント企画、職場体験などの担当、そしてYA本をお勧めするおたよりの発行を一人でやっていました。 (そういうお仕事に関する記事も今後書いていくかもしれません…) おたよりに毎回おすすめ本

        • 感染症対策はこまめに!

          ご無沙汰しております。 わたくし、とうとう新型コロ〇感染症に“おそらく”罹患しまして、当分の間ベッドにてウンウンと唸っておりました。 “おそらく”というのは、病院で診断を受けないまま病状が落ち着いてしまったから。 ちょうど三連休中に熱を出し動けずにいたのですが、休みが明けた途端平熱になり、それでも結局ずぅ~っと一歩も家の外に出ておりません。 いつもの生協のお兄さんが来られても、インターフォン越しに「対面しない方がいいですよね」と言って、注文品を保冷箱に入れたまま玄関に置いて帰

        「都会で受けた親切に…」

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        • 大人も読むべきヤングアダルト(YA)本の世界
          86本
        • いわゆる読書感想文(一般書)
          38本
        • intermission
          12本
        • 山のふもとの映画館
          9本
        • 息子二人の子育て日記
          123本
        • マサカノベル
          10本

        記事

          「大正時代のあの著名人のちょっとしたミステリーが満載~『名探偵の生まれる夜 大正謎百景』」

          『名探偵の生まれる夜 大正謎百景』 青柳碧人 著 (角川書店) 2024.6.21読了 この本は、タイトルに“名探偵”とあるようにちょっとしたミステリー仕立てになっていますし、表紙絵でもわかるとおり「あ、これは明治から大正・昭和で活躍した作家や有名な人物を登場させている本だ」と私の

          「大正時代のあの著名人のちょっとしたミステリーが満載~『名探偵の生まれる夜 大正謎百景』」

          「じわりじわりと忍び寄る恐怖にどれだけ抗えるか~『戦争は、』~」【YA84】

          『戦争は、』ジョゼ・ジョルジュ・レトリア 文 アンドレ・レトリア 絵 木下 眞穂 訳 (岩波書店)                           2024.6.13読了 この絵本は、戦争がどういうものかを語っているだけで、ストーリーはありません。 中にも書かれています。 「戦争は、物語を語れたことがない。」と…。 とにかくほとんどのページにおいて色味がないというか、暗いモノトーンで埋め尽くされています。 最初の方に、夕焼けのような赤みのある空が描かれていますが、

          「じわりじわりと忍び寄る恐怖にどれだけ抗えるか~『戦争は、』~」【YA84】

          「身近な謎にほっこりアプローチ~『司書子さんとタンテイさん ~木苺はわたしと犬のもの~』~」【YA84】

          『司書子さんとタンテイさん ~木苺はわたしと犬のもの~』  冬木 洋子 著 (マイナビ出版)                            2018.2.3読了 この本は、いわゆるライトノベル(略してラノベ)のジャンルには入ると思うのですが、異世界&ファンタジー、もしくは切ない恋愛ものなどの王道ラノベとは一線を画していると思います。 作者が元図書館司書ということで、このような作風に納得です。 司書子さん…司 蕭子(つかさ しょうこ)のことを本名も知らずに、図書館司

          「身近な謎にほっこりアプローチ~『司書子さんとタンテイさん ~木苺はわたしと犬のもの~』~」【YA84】

          「悲しみを癒す美しく静かな本~『詩ふたつ』~」

          『詩ふたつ』 長田 弘 著  グスタフ・クリムト イラスト (クレヨンハウス)                            2010.7.5読了 YouTubeより 『G線上のアリア』 ヨハン・セバスチャン・バッハ 作曲 (※この記事の内容をイメージした曲を選びましたので、良かったらお聴きになりながらでもお読みください) 今回ご紹介する本は詩が書かれており、私が現役で図書館司書をしていた当時、同僚のすすめで読んでみました。 お恥ずかしい事なのですが実を言いますと

          「悲しみを癒す美しく静かな本~『詩ふたつ』~」

          「最後の最後にまさかの事実がわかる青春ミステリー~『ヴァイオレットがぼくに残してくれたもの』~」【YA83】

          『ヴァイオレットがぼくに残してくれたもの』(SUPER!YA)         ジェニー・ヴァレンタイン 著 冨永星 訳 (小学館)                           2024.5.15読了 イギリスのロンドン北部に住むもうすぐ16歳のルーカスは、友人の家に泊まったあと夜明け前に帰るのに、タクシー会社に入ってタクシーを頼もうとしたことから始まる不思議な出来事に遭遇することになります。 タクシー会社の事務所の棚にはなぜか忘れ物の骨壺が置いてあって

          「最後の最後にまさかの事実がわかる青春ミステリー~『ヴァイオレットがぼくに残してくれたもの』~」【YA83】

          ≪intermission⑫≫ 松居直氏講演会『絵本の力』(2003年当時)

          2003.12.5記録  2024.5.10加筆 先日、絵本『桃源郷ものがたり』について紹介しましたが、その作者の松居直氏が以前講演をされた時のお話を、ここでちょっとだけご紹介させていただこうと思います。 息子の通う小学校(当時)から、県の子ども読書活動推進フォーラムが催されるという案内があり行ってきました。 第1部の活動発表などのあと、第2部の基調講

          ≪intermission⑫≫ 松居直氏講演会『絵本の力』(2003年当時)

          「車と子どもたちの冒険ファンタジー~映画『チキ・チキ・バン・バン(Chitty chitty bang bang)』~」

                            2003.8.20記録 2024.5.7加筆 『チキ・チキ・バン・バン』という映画をどのくらいの人がご存じでしょうか。 息子たちが小さい頃によく観ていた、Eテレの幼児番組「えいごであそぼう」に出てきた『チキ・チキ・バン・バン』の歌を聴いて初めて、遅ればせながらも本当は「チティ・チティ・バン・バン」と発音することを知りました。 その時から、むかし聞いたことはあったけどどういう内容の映画かは知らないなあ、いつかちゃんと観てみたい、と気

          「車と子どもたちの冒険ファンタジー~映画『チキ・チキ・バン・バン(Chitty chitty bang bang)』~」

          「満天の星を眺めて前を向く~『天を掃け』~」【YA82】

          『天を掃け』 黒川裕子 著 (講談社)                            2019/09/03読了 駿馬は、親の仕事の都合で小学生時代をモンゴルで過ごしました。 相棒の馬・ハルザンとともに、草原を思いっきり走り抜けるのが大好きです。 しかし、親の都合でいよいよ日本に帰らなければならなくなった日の前夜、駿馬はぎらぎらと輝く満天の星の下、友達のゲンちゃんの住むゲルまで走りました。別れを告げに。 それから1年後、中学2年生になった駿馬は山口県の中学校で

          「満天の星を眺めて前を向く~『天を掃け』~」【YA82】

          「今こそ読んで考えたい本当の理想郷~絵本『桃源郷ものがたり』~」【YA81】

          『桃源郷ものがたり』 松居直 文  蔡皋(さいこう) 絵 (福音館書店)                                   2003.1 読了 突然ですが、“理想郷”と聞いて、どのようなところを思い浮かべられるでしょうか? 他にも古くから、“ユートピア”とか“シャングリラ”とか“エルドラド”など、その地域の言い伝えによって、表現も内容も様々だと思います。 中国では“桃源郷”という言葉で昔から言い伝えられていますが、案外というかやっぱりというか、日本人の

          「今こそ読んで考えたい本当の理想郷~絵本『桃源郷ものがたり』~」【YA81】

          「先生と付喪神たちのおしゃべりが楽しい~『芦屋山手 お道具迎賓館』~」

          『芦屋山手 お道具迎賓館』 高殿 円  著 (淡交社) 2024.3.22読了 タイトルだけではいったいどのような内容の本なのか、わかる方はあまりいらっしゃらないでしょう。 もちろん私もさっぱり予想がつきませんでしたが、表紙絵とタイトルの持つ雰囲気が良さげで気になって読んでみました。

          「先生と付喪神たちのおしゃべりが楽しい~『芦屋山手 お道具迎賓館』~」

          ≪intermission⑪ ≫ SEKAI NO OWARIと前に進むための曲

          今日から新年度です。 もう現役を退き、家にいる私にとっては新年度になったから何かが変わるということもあまりないのですけど、現役で学校や仕事に専念されている方たちにとって、新しく始まる気持ちがワクワクなのかドキドキなのかそれとも何も変わらないと未来に悲観しているのかで、感じ方が様々だと思います。 かつて若かった私も、新年度はとりあえずドキドキしていたような気がします。訳あって前の仕事を辞め新しい職場に移ったときも、いったいどういうことが待ち受けているだろうかと、向かう足は進

          ≪intermission⑪ ≫ SEKAI NO OWARIと前に進むための曲

          ≪intermission⑩≫ 子どもに本のたのしみを

                                    2006.4.21記録 今回もまたまた、かつて勤めていた図書館で出会った人について書こうと思います。 大きな図書館になる前の、公民館図書室でのことです。 当時狭い中にびっしり本棚があり、古い本がぎちぎちに並んでいました。 受付のテーブルと平成の頃にやっと導入されたパソコンは、オリジナルのシステムで図書原簿(蔵書リスト)に受け入れと削除くらいしかできず、貸出・返却はまだ手書きの受付簿に利用者本人に記入してもらう方式で、今

          ≪intermission⑩≫ 子どもに本のたのしみを