WB#03:「水を入れる」バルミューダと「水を抜く」ピアニカの共通点~UX的なハナシ~
先日、知り合いが主催するバルミューダファンによる自主的な集いに顔を出してみました。内容は「バルミューダ ザ トースター」で美味しくパンを頂いちゃいましょうという素敵な企画でした。
私にとってバルミューダ(BALMUDA)といえばオシャレな家電メーカーというイメージで、アマダナ(amadana)とか好きな人は好きなんだろうなぁと勝手に思ってましたが、最近は製品の種類が結構あるようですね。
そんなバルミューダさんの中でも最近注目なのがこのトースターだそうで、実際にこのトースターで焼いたパンを食べてみたんですが、これがまた超絶に美味しいのです。
そしてこのトースターの最大の特徴が焼く前に「水を少々入れる」というところです。この5ccの水のおかげで焼く前に水蒸気が広がり、焦げずにモチモチっとしたパンの出来上がり。
「やばい、普通に欲しい…」
普段、まったく料理をしない私ですが普通に思ってしまったほど。ただそこで、ふと疑問に思ったことがあり、主催者の方とプチ議論してみました。
<バルミューダ製品ページより>
「水を入れる…って手間?面倒ですよね?」
そもそも都度この水を入れるという行為が面倒と思う人もいるのでは?と。しかもこの軽量カップが小さくてかわいいのですが、しまう場所がないのです。競合商品は「タンク式」を採用しているようです。
う~ん。WBの登場だな。
字が汚いのはご愛敬ということで、いいたいことは…これ。
「水を入れる」=手間は増えるけど記憶に残る
・一般的な商品:パンいれてダイヤル回したら出来上がり
→ 「冷たくなっちゃったパンを温めて美味しくするよ!」
・バルミューダ:わざわざ水を少々いれてチンして出来上がり
→ 「ひと手間加えたことで、なんか料理した感じ!」
このような違いが出てきているのではないかと。要するに「美味しいもの」を提供することに加えて「プチ料理体験」まで提供してくれているのかと。
ほうほうまさにユーザーエクスペリエンス(UX)的な話ってことですね。で、バルミューダさんHPをよく読んでみたら書いてますね。失礼しました。
現代を生きる私たちが道具やサービスに求めているのは、驚きや感動、うれしくなるような体験なのだと思います。バルミューダは家電という道具を通して、心躍るような、素晴らしい体験をお届けしたいと考えている企業です。<バルミューダについてより>
素敵な会社だなぁ。ここでふと自分の人生で何か製品について覚えていることってなにかなぁと考えてみた。ものの1秒で思いついた体験があった。
「嗚呼、ピアニカ!あの唾抜きだ!」
うわぁ、このケース。変わってないなぁ…。
小学生の頃に「ピアニカ」なる楽器をお持ちではなかったでしょうか?私も音楽の授業で必要ということで持ってました。しかしこのページを見るだけで大人をホッコリさせる力をピアニカは持っていますね。
そしてピアニカといえば演奏もさることながら「唾抜き」の記憶が鮮明なのです!YAMAHAさんのHPを探してみたら...
<引用:YAMAHAさんHP「お手入れ方法」ページより>
そうそうコレよ!コレ!「水抜き」っていうんですね。
ボタンを押して思いっきり息を吹き込む!...ちょっと面倒と当時は思っていた体験です。ブピーって音出るし。なんか女子の前でしたくない…でも、この体験、覚えている…。どんな気持ちで何を演奏したのかよりも覚えている。
何故か20年以上たった今も「ピアニカ」「水抜き」を記憶している...。
狙ったかどうかはこの際、関係なく単純に素晴らしいことなんじゃないかと勝手に思います。うん、どこかでヤマハさんに直接聞いてみよう。
まとめ
・なんだか「合理的」なことばかり追求しなくても
一見「面倒だな」と思える行為が逆に
「素敵な体験」になってずっと記憶に残る…
・そんな「体験」を狙って設計するのって難しいけど
何か新しいこと考えるときには参考になりそうだ
他に何かないかなぁと探したところ、ちょっと気になるサービスを見つけた。
世界初!スマホを振るだけで、空車タクシーが 集まってくるアプリ「フルクル」 - 国際自動車 https://www.km-group.co.jp/press/topics/2017/1229/
スマホ上での配車サービスは数多くあるけど「わざわざスマホを振る」というのはなかったような。
だってそもそも配車だけであれば「親指を動かすだけ」で十分である。それをあえて「振る」というアクションを加えているのはまさに「体験」を考えているんじゃないかなぁ…。
う~ん、調べたいことがおおいけど、これも調べてみよう
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?