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アドテックのダンジョンでモンスターと出会った話。

アドテック東京にいってきました

 先日 #adtech東京 にて面白いセッションを拝聴した。
 Twitterで素晴らしいモーメントも作られているが自分なりに感じたことを残しておこうと思います。

自分が欲しいものが分かっていない消費者を、どう導くべきか?
 情報が溢れ、メディアも多様化し、フェイクニュース問題もある情報社会。物が溢れ、売り場も多様化し、クラウドファンディングなどの未来型消費も起きている現代で、消費者は一体なにが欲しいのか自分でもわからなくなっている。
 今、消費者は何を基準に消費をしているのか、またその消費はメーカーや流通が導けるものなのか、ミレニアル世代の価値観を作るワンメディアの明石氏と、新たなお金を生み出すバンク光本氏、本が売れない時代にベストセラーを作り続ける幻冬社の箕輪氏、新しいビールカルチャーを生み出したヤッホーブルーイング井手氏にそのヒントを問う。

 まずこの登壇者である。もう、癖がすんごぅい。まぁこのメンバーで90分、成立するんだろうけど勿論テーマ通りにはいかんだろうと思っていた。
 が、うーん、ほんとにお世辞抜きでモデレーターすがけんさんは、まさに猛獣使いのごとく、猛獣のごとし四氏の会話をさばいていたことには驚愕と共に、敬意を捧げたい。

 さてそんなワケで始まったセッションは、まずもって会場が非常にわかりにくいところ(運営のひとガンバ)にあり、ドラクエではなくナイトガンダムとかに出てきそうな「ダンジョン」のような雰囲気で、満員・立ち見(迷ってきた人も多く)状態でスタートしました。

 そんなダンジョンで魔物(もはやモンスター)たちと魔物使いによるセッションが始まった。早速、ミノワ本の話題から始まる


❝本は目次を創るのが大変❞

 ちょうど明石ガクト氏の本を作っているという話題から始まったのだが、本が売れない中でどう売るのか。明石ガクト氏が箕輪さんのことを「目次つくっちゃうのがスゴイ」的に評していたことにハッとなる。
 実は私「壁打ち」というものに大変日々世話になっており(相手になってくださる方本当に感謝です)、この壁打ちをすると、間違いなく、頭の整理につながるのです。人に聞いてもらい、ただ何かを話すだけなのだけど、自分の潜在意識のとこらへんからも情報が出てきて、整理されて、気づいたら自分のしたいことが見えてきたりする。こんなことってないでしょうか。

「本を作ることは自己分析」(by壇上のどなたか)

 壇上の誰かがそう仰ったが全くの同意。編集者ってのはその出てきた膨大な情報を基に「編む」ような役割なんだろうな。目次なんて作れないですわ。これはすごい能力が必要なんだと思った。

 ただ、壇上にはそれを凌駕するモンスターがいた


❝実験結果に価値がある❞

 バンク光本氏である。話題となったサービス「CASH」を世に送り出した人であることは認識していたが、この人がひとたびマイクを持ちだすと、もうその会場は明石ガクト氏含め、通常は異彩を放つであろう登壇者の方々が「普通で真っ当でいい人たち」に見えてくるのだ。
 セッション冒頭は発言チャンスがなかったが回ってきたところでなぜCASHが生まれたかという話題に。そこで一言、その理由

Q.なぜCASHを作ったのか?
A.現金をばらまきたかったから

 なんともいえない、心地よい痛快さですよ。さらに光本氏はつづけた。

「そもそもビルの屋上から1億ばらまいて何人もってきてくれるかの実験。
 この実験の結果が1億の価値がある(と感じる人がいる)」

 私は普段の口癖が「逆に」というのがある。でもなんだか恥ずかしい。 #チャーリー さんの「逆説の構造」というのもしっくりくるタチなのだけども、なんかこう、そういう発想もあったのねぇ、という。
 誰もしたことがない実験は自分しか知りえない結果となる。だから価値が生まれるんだ、という、いやー素晴らしきパンチラインを頂いた。


❝水曜日のネコという思い込み❞

 いやー「光本パンチライン」は他にもあるのだけど、いったん休憩しつつ、まだもう一人、鬼のような登壇者がいた。よなよなでお馴染みのヤッホーブルーイング井出氏である。
 CASHの話のあとに「水曜日のネコ」という女性に人気(コンビニでよくみるビール!)のビールの商品について語り始めた。
 本人は「マーケティング」と仰るがちょっと、違うのだ。

 今や毎年右肩上がりの人気商品となったが、そのネーミングや味などはなかなか親会社からも商品化の許可が出なかったという。じゃあどう生み出されたのか。

「100人のうち1人がいってることは10人は熱狂的に好きになるのではないか。犬好きはもう追いかけなくていい」

 はい、また出ちゃいましたね。なるほどそうですか。この商品を世に出すと決めたのは井出氏だし、最初のアイデアもそうなんだとか。でもどう考えても万人受けする商品とは思えない。
 通常であれば、なんか優秀なマーケティング担当者の方が出てきてアンケート調査やらなんやらしてみて、データを集めて決定する…至極真っ当と思う。でも、これをしない。井出氏の思いで突っ走る。そして今に至る...
 壇上の誰かが言った。データも取らない「思い込み」だ、と


まとめ

 いやーなんともなんともなセッションで他にも書ききれぬこともある。それはモーメントの匠がまとめたモーメントをご覧頂きたい。

 さてそんな中私が感じたことは一つ。箕輪本も、よなよなも、CASHも全て実験なんだな、と。そして3人とも何か情報をつなぎ合わせるプロなんだと。そしてそれを「やるんだ、こっちやぞ!」と決め込み実現する力がすごいんだなぁと思いました。

 水曜日のネコの話もそうだけど、なんとなく「データ」を追いかけてしまったり、それが答えと思いがちな昨今。でもこの登壇者の人たちはもうその結果売れた売れないとか、得した損したとかではなく、その実験をすることで、その結果に価値がある、って思ってるってことはためになったっす。

 ということで今回はここまで。

 ってホワイトボードを全く使わぬままここまできてしまったので、最後に登壇者の方々の似顔絵をホワイトボードで書いて締めたいと思います。

Twitterもやってますのでご意見など頂ければ幸いです。

ホワイトボーダーズ#13 完


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