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【お料理】 柑橘のところてん (調理時間:10分)

・この時期の緑の柑橘を使ったすっきりとした味わい。
・調味料は控えめに。素材の味を際立たせて。

宮崎に住む友人から「へべす」という柑橘が送られてきました。
日向市にある「黒木園芸」さんという農家さんのこだわりのもので、その土地の滋味深さが詰まったへべすでした。


九州でいえばやはり大分の「かぼす」がかなり有名ですが、この「へべす」もまた違った風味で美味しいのです。
皮が薄く搾りやすくて、さらに果肉も詰まっているので果汁がたくさん搾れます。

急に寒くなってしまいましたが、そんな中でも食べたい、きりっとした輪郭ある味わいのところてんを食べたくなって作りました。

☆材料はこちら

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・ところてん
・柑橘(今回はへべす)
・鰹出汁
・みりん
・薄口醤油
・塩

鰹出汁と柑橘の美味しさを際立たせるために、調味料は少なめにして、基本は塩で味を引き締めていきたいと思います。
薄めの土佐酢を柑橘で作るイメージです。鰹出汁の簡単なとり方は以下に載せています。

温かい鰹出汁に、みりんと薄口醤油をほんの少々入れて香り付けをします。
そして塩を入れて味見をします。
塩分はほとんど塩で出しますので、ちょっと多めがいいと思います。
少量で味がすぐに濃くなるので、丁寧に味見をしてください

味が整ったら、氷水で冷やしていきます。

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その間に柑橘の皮を少し擦っておきます。
別にこの行程は省いても構いませんが、もし人にお出しするときなどはなんだかちょっとかわいくなるので、やりたくなってしまいます。
もちろん、風味もよりよくなるのですよ。

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冷えたおつゆに、柑橘をたっぷり搾ります。本当にたっぷり入れるのがおすすめです。
そしてここで味見をします。もし少し味が薄いなとかぼやけているなと思ったら、ほんの少しお醤油を足してもよいでしょう。

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お皿にところてんを盛り付けて、おつゆをかけて、薬味を載せたらできあがりです。
せっかくの爽やかな味わいなので、私は煎りごまで頂くのがオススメです。

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ところてんはけっこう思い出深いお料理で、昔はバイパス沿いなどにあった「ドライブイン」(!)で、祖父と食べたことを思い出します。
お水の綺麗な峠の麓のお店で、突きたてのところてんは子どもながらに綺麗で嬉しかったものです。

また、2018年に高知県の知り合いに連れて行って頂いた、「久礼大正町市場」の近くのところてん屋さんは、「ぶしゅかん」というこれまた美味しい柑橘ですっきりと仕上げてあって、澄んだ味わいで美味しかったです。

ところてんって、あまり普段は食べないものかもしれませんが、綺麗な味わいを楽しむという点では、日本のお料理の底にある心象を表しているような、けっこう大切なものなような気がします。

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