青春の後ろ姿#18 〜20代は、清志郎と、バイクと、文学以外に何もありませんでした〜源氏物語大成 全14冊②本文について
『源氏物語』は未だに紫式部の自筆本は発見されておらず、数百の伝本が存在します。随所随所が伝本によって微妙に、あるいはまるまる違います。どの伝本がオリジナルに近いかわからないのです。ただ、この伝本研究によって、大体俗に呼ばれる青表紙系のグループと、河内本系のグループと、それらからけっこうはずれている伝本たち(別本)と呼ばれる3グループに分類されました。私たちはどこまでいっても不正確な本文でしか『源氏物語』を読めません。
『源氏物語大成』はその主な違いを網羅しているのです。いわゆる「校異」というものです。すごくないですか?
ですから輪読などの時には、この大成本で、まずは、本文のどこが、どんなふうに違って書かれているか、おおざっぱに把握します。だって本文が違うと意味内容が全く違ってきますから、こりゃ大変なことです。時として、真逆の解釈になることもあります。
すでにそれだけでもおもしろいと思いませんか?
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