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青春の後ろ姿のその先87 〜妹の力〜

 柳田國男の著作の中で『海上の道』や『遠野物語』と並んで大傑作の論考だと思います。タイトルの通り、霊的な神事における女性の力を書いていますが、これを1942年に書いたという点も驚きです。それでも現代の価値観からすれば、やはり男尊女卑的だと言われるのかもしれません。そういうことも含めて、民俗史も見直していく時なのでしょう。自分が属していたり属していなかったりする共同体、民族、国籍、性などをアイデンティティの面から問い直し始めているのが現代のジェンダーの問題だと思いますが、そうした運動の中で、『妹の力』のような論考はどんな評価を受けていくのか、興味深いです。

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