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土竜のひとりごと

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エッセイです。日々考えること、共有したい笑い話、生徒へのメッセージなどを書き綴っています。
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#ボケ

「遊ぶ」って、どんな字?

「遊ぶ」って、どんな字?

一昨日の授業で漢文の反語を扱ったのでありましたが、「遊」という字を間違えて黒板に書いてしまったのでありました。

結構、ショックでした。

『文選』所収の古詩に「人生は短い。春の夜も短い。憂いを忘れて楽しむべきだ」と詠んだ詩があって、その中の句に

何 不 秉 燭 遊 

があります。
訓読すると「何ぞ燭を秉りて遊ばざる」。
「どうして灯火を手に取ってこの春の夜を楽しまないの?いや存分に楽しもうよ

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湯たんぽと 猫とまるまる 星の夜

湯たんぽと 猫とまるまる 星の夜

ここ数年、寄る年波に、夜はカミさんが湯たんぽを入れてくれるようになり、それに頼って寝ている。若い頃はどんなに冷たい布団に入ってもすぐに体温で温まったのに、いつしか靴下を履いて寝なければ寝られないようになり、もはや今は、湯たんぽがなければ眠れない状態にある。

湯たんぽは温かくていい。
が、酒を飲んで正体なく眠る僕は、湯たんぽにずっと足を置いていてもその熱さに体が反応せず、低温火傷となり、病院通いを

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「ぼけ」も楽しく。

「ぼけ」も楽しく。

先日、病院のエレベーターの前でエレベーターが来るのを待っていた。知り合いの見舞いに行ったのだが、最上階からの眺めが素晴らしいと言われて、病室がある階から最上階に行こうとしたのである。

すぐにエレベーターはやって来たが、しかし何故かエレベーターは止まらずに行ってしまった。「?」と思いつつも、次を待っていたのだが、やってきたエレベーターはやっぱり素通りして行ってしまった。

「?」とやや憤慨しつつ次

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ボケ論争

ボケ論争

最近、僕ら夫婦の間でどちらが先にボケるかという問題がこのところ話題となり、熱い論争となったりしている。

僕はカミさんはまずボケるだろうと思っているし、僕より先にボケるだろうと思っているのだが、カミさんは「あなたみたいに自分は絶対ボケないと言っている人ほど早くボケるの」と言って憚らない。

特に二人とも決定的な論拠を持たないので、論争は常に平行線なのだが、最近どうもカミさんの様子がおかしく、僕の予

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自分への信頼が崩壊する日

自分への信頼が崩壊する日

最近、同じ職場の同僚を呼ぼうとしてその名が出てこないことが多くなった。同僚にも親しい人もいれば、それほど親しくない人もいるのだが、同じ教科で、いつも話をしている人であるにもかかわらず、教材の打ち合わせやらテストの採点基準やら、ふっと相談しようとして声をかけようとして、よく知っているはずのその人の名前がどうしても浮かんでこない。その人を目の前にして、呼びかけようとして呼べないのである。「うわー、この

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