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『強迫性障害』とは?🍀症状タイプと治療方法🍀

『鍵閉めたかな』
『手が汚いんじゃないかな』
『もしかして、人を轢いてしまった?』


など自分の意志に反して不安になり、
不合理だとわかっていても過剰な行動を繰り返してしまう病気です

無意味な行為(だとわかっていても)やめられず、心も体も疲れてしまうことがあります。

今回は強迫性障害【OCD(Obsessive-compulsive disorder)】
について、以下の書籍を参考に、一緒に勉強していきましょう!


よくあるタイプ

① 確認強迫
いくら確認しても気がすまず、何度も確認する。

② 不潔恐怖
汚れに対して敏感で、過剰な手洗いや消毒をする。

③ 計画強迫
完璧な計画にこだわり、実行できない。

④ 加害恐怖
自分が他人に危害を加えることを恐れる。

⑤ 感覚強迫
身体の違和感を過剰に気にし、反応してしまう。

⑥ 不完全嫌悪
物の数や位置が揃っていないとスッキリしない。

⑦ 縁起恐怖
不吉と感じるものを異様なまでに避ける

⑧ 不道徳恐怖
罪を犯していないのに罪悪感で不安になる。

⑨ 強迫性緩慢
行動する前に考えすぎてしまい、動けなくなる。

⑩   収集癖(ため込み症)
物を捨てられず、不要なものまで溜め込んでしまう。

⑪  雑念強迫
卑猥なこと暴力的なイメージなど、考えたくないことが次々と頭に浮かぶ。

⑫  性的強迫
性的なことを汚らわしいと感じてしまう。

⑬  巻き戻し強迫
本や動画の内容が理解できていない気がして、先に進めない。

⑭  順序強迫
ある行為を順番通りにやらないと次の行動に移れない。



治療するには?

 治療するには、大きく2つの療法があります。薬による治療と、考え方を変えること(認知行動療法)です🍀
 
 どちらか一つの治療に頼りすぎず、必要に応じて2つの療法を組み合わせることが効果的です。

早期の治療が早期の回復に繋がります。

強迫性障害は、カゼなどとは違い、認識しにくい病気です。
自分で
『異常な行動をやめたくてもやめられない』
と感じていたり
周囲が
『異常な行動をしている』
と本人に伝えたりして
できるだけ早期の対応をすることが、重症化の防止にもなります。

強迫性障害になるきっかけは、人それぞれでわかりにくいですが、人生のイベント(進学・就職・結婚・出産など)をきっかけに、強迫行動が強まったり、周囲が異常な行動に気づいたりして受診につながるケースが多いようです。


🍀薬による治療

薬による治療は効果的ですが、副作用も理解した上で使用することが大切です。また、薬によって症状が和らぐことはあっても、強迫行動を完全に止めることはできません。薬の力を借りながら後ほど紹介する『認知行動療法』によって行動を改善し、薬の量を徐々に減らしていくことが改善への近道です。
以下に、強迫性障害に使われる薬の例を挙げておきます。

  1. セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)

    • 薬の名前:フルオキセチン(プロザック)、セルトラリン(ゾロフト)、フルボキサミン(ルボックス)など

    • 主な作用:セロトニン神経伝達を増加させ、不安や強迫的な思考・行動を軽減します。

    • 副作用:吐き気、下痢、不眠、性的な副作用、体重増加などが報告されています。これらの副作用は一時的であることが多いです。

  2. 三環系抗うつ薬(TCA)

    • 薬の名前:クルミトリプタン(アナフラニル)、クロミプラミン(クロミン)など

    • 主な作用:セロトニンとノルエピネフリンの再取り込みを抑制し、強迫症状を軽減します。

    • 副作用:眠気、口渇、便秘、心拍数の増加、体重増加などがあります。これらの副作用は注意が必要です。

  3. 補完療法薬

    • 薬の名前:アンチ精神病薬(例:リスペリドン、オランザピン)、抗不安薬(例:クロナゼパム、アルプラゾラム)など

    • 主な作用:強迫性障害の症状の一部を緩和し、不安を軽減します。通常、他の薬と組み合わせて使用されます。

    • 副作用:眠気、体重増加、不安、依存性の可能性などが報告されています。



🍀認知行動療法

強迫性障害は、薬によって症状が和らぐことはあっても、強迫行動を完全に止めることはできません。薬の力を借りながら『認知行動療法』によって行動を改善し、薬の量を徐々に減らしていくことが改善への近道です。
以下に、『認知行動療法』の例をいつくか紹介します。


☆セルフモニタリング
 
以下の内容を紙やスマホのメモに書き出します。書き出すことで客観的に自分の行動を捉えることができ、強迫行動が生じるパターンを発見しやすくなります。

❶ 強迫行動が起こった日時・場所・きっかけ
❷ 強迫行動にかけた時間
❸ 強迫行動をしていないのは、どんなときか

強迫行動をしていないときを明確にできれば、その時間を増やすことが治療の一つになります。

自分の行動を客観的に見ること(自己観察)ができた
  ↓
ERPを実行しましょう✨


☆ERP(エクスポージャーと儀式妨害)

ERPとは『嫌なことをあえてする』療法です。
「なんでそんなことしないといけないのか」
と考えるのは当然です。

それでも『嫌なことをあえてする』のは
元々持っていた抵抗力を取り戻すためです🍀

強迫観念

強迫行為

一時的に不安減少

強迫観念が大きくなる

のループから

強迫観念

無視(ERP)

不安・不快感に耐える

強迫観念が小さくなる

のループにすることが大切です。

ERPについて心に留めていただきたいのは以下の3つです

❶ 不安や不快感は無くならない
❷ 不安や不快感による影響は減らすことができる
❸ 嫌な感覚を感じながら自分のしたいことができるようになるのが目標
❹ 自分が本当にしたい事を考える


☆HRT(ハビットリバーサルトレーニング)

HRTとは、習慣逆転法とも呼ばれ
強迫行動をとる前に、同時に行うことが難しい行動『拮抗行動』をとることで、強迫行動を阻止する方法です。

〈例〉
髪の毛を抜きたくなった(強迫行動)

編み物・ゲーム・筋トレなど
両手を使う活動をする(拮抗行動)

HRTをするためには、
強迫行動が起こる前に、拮抗行動をとる必要があります。

そこで大切なのが
🍀セルフモニタリングです

自分(家族)がどんな時に強迫行動を取りやすいのか、行動パターンを把握しておくと、拮抗行動が取り入れやすくなります

私の娘の場合、どうしても指吸い(強迫行動?)が止められないので、HRTを試している最中です。
モニタリングの結果、指吸いが起こりやすいのは

・寝る前
・テレビを見ているとき
・車にとっているとき

だとわかりました。

・寝る前には、手を繋ぐ
・テレビを見ている時や車に乗っているときには、スクイーズボールを持つ

などの拮抗行動を試しています💪

早く卒業できますように😊✨


最後に

繰り返しになりますが、強迫性障害の治療では

早期発見と早期治療
薬の力を借りながら『認知行動療法』によって行動を改善

することが大切です。
本人では、異常な行動を認識するのが難しい場合があるので、身近な人が気づいて本人にわかるように伝えることが大切です。

強迫性障害の症状がエスカレートする前に医療機関を受診し、適切な治療を受けられることを願います🍀



最後までお読みいただき、ありがとうございました✨

いつも、記事を読んでくださり本当にありがとうございます。
スキ・フォローとても励みになっています🍀

この記事を読まれた方が、
少しでも『 強迫性障害とその治療方法』について理解を深めていただき、少しでもお役に立てれば嬉しいです🌈

今後もできる限り有益な記事を書いていきますので、よろしくお願いします✨

【参考文献】


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