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食の風景「どうしよう、美味しいハッシュドビーフができちゃった」


それはまだ寒さに身を縮こます二月下旬のことでした。

「なにかこう、コトコト煮込んだような、肉も入ってて、カレーはちょっとお腹に合わないから、そうじゃなくって、なにかこう・・ボリュームもあって、一品であったまるような、そんな都合の良いものが食べたいんだけど・・・なにかないか・・・」

で、思い至ったのがハッシュドビーフです。

♪ あらこんなところに牛肉が ♪ 玉ねぎ玉ねぎあったわね ♪

というハウス食品のCMが昔ありましたが、うちのお台所に玉ねぎは転がっていますが牛肉を切らしています。ルウもない。しかしもう気分は 

♪ ハッシュドビーフ こんなに美味しくできちゃった ♪ 

です!さっそく買い物へ出ました。

じゃーん。

ルウを買うのは何年ぶりでしょうか。これとトマトホール缶を一本使います。牛肉は小間切れでもよいのですが、この日はステーキ肉を用意しました。大盤振る舞いです、なにしろ肉が食べたいのです。

ステーキ肉の筋と脂身を切り落として、玉ねぎ、長ネギ(たまたまあったもの)、人参をフライパンで炒めます。

肉の旨味を纏った野菜たちがしんなりしたら、大鍋へ投入します。フライパンに出た肉と野菜の旨味を余すことなく使う為、フライパンへ水を入れて、少し温めてから鍋へ追加しました。具材は他に大根、じゃが芋、小松菜、舞茸です。煮込み料理やスープは食材の種類が多いほどコクが出て美味しくなりますね。

ステーキ肉以外の具材が全て鍋に入ったら、あとはじっくりコトコト、吹き零さないように気を付けながら待つだけです。火の通りが均一になるように時々おたまでかき混ぜます。

人参に竹串が難なく通るようになったら頃合いです。ここでトマト缶を入れます。

ピンボケで失礼します

トマト缶を入れました。これだけですとトマトスープです。今日はこの先があります。一旦火を止めます。

さあ遂に、ルウ登場です。割って、全部、一つずつ入れます。ゆっくり混ぜて、ルウが全部溶けたかなあという頃に、再び火を点けます。ルウを入れると焦げ付きやすくなりますから、鍋の底から混ぜて、目を離さないように気を付けます。段々とろみが出て、美味しい香りが漂い始めます。少し物足りない気がしたので乾燥バジルをふりかけました。

ああ、いい匂いがする。もう待ちきれません。完成です。

大鍋いっぱいのハッシュドビーフができました。うん、いい色合いです。香りにもコクがあって空腹を刺激します。

フライパンでステーキ肉を焼いて、一口大にカットして追加します。
それでは早速「いただきます」

一日目。
お皿の縁いっぱいまで注いじゃうんですね、食いしん坊なものですから。

おいしい。大変です、この上なく美味しいハッシュドビーフを作ってしまった模様です。

二日目。水分を追加するのと一緒にケチャップとウスターソースを足しました。昨日より具材の旨味が一層溢れて、トマトの酸味も中和され、全体的に深い味わいになっています。

これで何日お腹を満たして貰ったでしょうか。

いちからスパイスを調合することはできませんが、ルウの御蔭であっという間にとっても美味しいハッシュドビーフを作ることができました。
今日も美味しいごはんを、ありがとうございます。

「ごちそうさまでした」
                       文と料理と写真・いち

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