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妻(空夢ミホ)の 縫いぐるみ

    • ヘタレ師範21話A 「おやじ狩り」

      第1話「出会い」へ戻る第20話「五郎とジオン」へ戻るーーーーーーー前書きーーーーーーー 五郎がジオンからあれだけの攻撃を受けながら、なぜゾンビのように急激に回復できたのか? そのゾンビ回復?は、彼だけでなく、ミヒやミヤギ夫婦にまでできるのか?。 今回21話あAそしてBとCでは、それについての説明とゴボウ道場の成り立ちについて語ることにしよう。 ーーーーーーーーーーー本文ーーーーーーーーーー 数年前。 そこは、荒れ果てた比較的大きな空き家だった。 昔はどこかの教会の建物だっ

      • ヘタレ師範 20話「五郎とジオン」

        第1話「出会い」へ戻る 前回 第19話「グローブ恐怖症」ヘ戻るーーーーーーーーーーー本文ーーーーーーーーーー ジオンは爆発した。もう我慢できなかった。 「やかましい!このヘタレ野郎!」 そう叫ぶなり彼女は猛然と五郎に襲いかかった。 「わっ、止めて下さい」 「馬鹿野郎!くたばっちまえ!・・・」 ありとあらゆる罵詈雑言を浴びせながら、ジオンは五郎を殴る蹴る、そして投げ飛ばし、引きずり回した。 テッキが息を呑んだ。 「酷い、俺がジオンにボコられたときより何倍も酷いぜ。どうする

        • ヘタレ師範 第19話「グローブ恐怖症」

          第1話 「出会い」ヘ戻る 前回 18話「最初の一撃」へ戻る ーーーーーーーーーーー本文ーーーーーーーーーー ジオン「『最初の一撃』? 平安の形なんかでブロレスラーを倒す?そんなの、どこの誰が教えたんだよ?」 ミヤギ夫婦とミヒが、そんなの当たり前じゃないかという表情でジオンを見ながら五郎を一斉に指差した。 五郎はポッと顔を赤くした。 「いや、ボクは別に・・・ごめんなさい。ミヒとミヤギのオバさんが、ガンカクさんたちと、いいスパーリングができた。というだけで・・・」 テ

        妻(空夢ミホ)の 縫いぐるみ

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          ヘタレ師範 第18話 「最初の一撃」

          第1話 「出会い」ヘ戻る 第17話 「リベンジ」へ戻る ーーーーーーーーーーー本文ーーーーーーーーーー 15分後 テッキが噛み付く 「そんなハズあるか! ババア、あのとき、俺の回し蹴り喰らってぶっ倒れたじゃねえか? そこのジジイはアワ吹いてただろうが?」 ミヒと目が合い、明らかにトーンダウンするテッキ。 「そ、その、浴衣(ミヒのこと)だってジオンにボロボロにされてただろ? あの夜はよ、誰が見たって俺たちが勝ってたはずだ」 ジオンをのぞいた6人、五郎、ミヒ、テッキ、ガンカ

          ヘタレ師範 第18話 「最初の一撃」

          ヘタレ師範 第17話「リベンジ」

          第1話 「出会い」ヘ戻る前回 15話「ゾンビ」へ戻る 約束の稽古日の夜がきた。 前回と同じ人間が五郎の道場に一堂に会していた。 しかし、五郎だけは前回と同じではなかった。 彼の顔は形がすこし歪になっていた。 鼻筋に絆創膏が貼られている。二の腕にも数か所アザが見える。 まるでヤクザにでもヤキを入れられたような姿だった。 ジオンたちは違和感を感じたが、不思議なことにミヒたちは何の関心も心配もしてないようだった。 五郎も自分の顔は何も心配してないようで。 「あのすいません

          ヘタレ師範 第17話「リベンジ」

          ヘタレ師範 第16話「ゴボウ空手」

          第1話 「出会い」ヘ戻る 前回 15話「ゾンビ」へ戻る ーーーーーーーーーーー本文ーーーーーーーーーー テッキ「情けねえ、 この男、仮にも師範だろ?この道場の? 」 オバさんが五郎の背中を叩きながら。 「決まってるじゃないの、『護身防災空手研究所』、別名『ゴボウ空手』の、たった一人の師範兼経営者、五郎ちゃん」 ジオンたちは吹き出した。 「ははは、何だよ?『ゴボウ空手』?」 ガンカク「そういえば、オープントーナメントんときも、そんなヤジ飛ばしてたのがいたっけ」 テッキ

          ヘタレ師範 第16話「ゴボウ空手」

          ヘタレ師範 第15話「ゾンビ」

          第1話 「出会い」ヘ戻る 前回 14話「試合」へ戻る ーーーーーーーーーーー本文ーーーーーーーーーー ガンカクは立ち上がり、倒れている3人を見まわし。 「何だ? 俺たちをシロウトあつかいしてたのがこの程度って」 テッキ「へへ、弱すぎ。コイツら、まあ、自慢にはならないな。相手は年寄りと女だし」 ガンカクはジオンに 「これでも手加減してやったんだぜ」 ジオン「格闘技オタクなんてのはこんなモンだよ。こいつらも、痛い目見て懲りたろう。さて、道場破りの仕上げといくか」

          ヘタレ師範 第15話「ゾンビ」

          ヘタレ師範 第14話「試合」

          第1話 「出会い」ヘ戻る前回 13話「陽キャ道場」へ戻るーーーーーーーーーーー本文ーーーーーーーーーー オバサンVSテッキ「キエーッ!キエッ、キエッ、キエ―ッ!」 テッキは何度もフェイントのキックを仕掛けた。しかしオバさんは、あまり動かない。ミヒと同じように棒立ちに立っている。 動けないのか? そんな動きの鈍いオバさんに、テッキは軽くジャブを入れたが何故か当たらない。 オバさんは、実は棒立ちではなく、『自然体』に立っていた。これはミヒのときも同じだった。 空手の自

          ヘタレ師範 第14話「試合」

          ヘタレ師範 第13話「陽キャ道場」

          第1話 「出会い」ヘ戻る 前回 12話「スキ」へ戻る ーーーーーーーーーーー本文ーーーーーーーーーー ジオンはハアハアと肩で息をしながら額の汗を拭(ヌグ)った。 「手間取らせやがって。見たかよ? これがホンマモンの格闘技ってやつだ」 しかし、ミヤギとオバサン、そして五郎は、壁際に倒れたミヒの介抱どころかそばに行こうともしなかった。 あまりに激しいジオンの攻撃にビビって動けなくなったのか? ストリートファイトでもそうだが、頼りにしていた仲間の一人が、ボコボコにヤられて

          ヘタレ師範 第13話「陽キャ道場」

          ヘタレ師範 第12話「スキ」

          第1話 「出会い」ヘ戻る 前回 11話「貫手(ヌキテ)」へ戻る ーーーーーーーーーーー本文ーーーーーーーーーー はた目にはミヒがジオンを指さしているように見える。その姿勢のままミヒは。 「お姉さんスキ、だからワタシ・・・」 あまりに場違いの言葉だ。 ジオン「な、何ィ?」 ジオンも他の連中も、道場破りの緊張感がどこかに吹っ飛んだ。 ミヤギ「好きって、ミヒお前、試合中にコクるなんて?しかも女相手に?」 テッキはまた失望して 「 浴衣(ミヒのこと)は女が趣味なのかよ

          ヘタレ師範 第12話「スキ」

          ヘタレ師範 第11話「貫手(ヌキテ)」

          第1話 「出会い」ヘ戻る 前回 10話「振り袖稽古」へ戻る 最初の立ち合いはミヒとテッキだった。 ミヒは、特に構えず。自然体で立った。表情はやわらかく、緊張感も殺気もまるでない。 テッキが小声でボソッと。 「そんな棒立ちで大丈夫かよ? いくら女同士でも、舐(ナ)めてるとケガするぜ。 ジオンはな、プロレスラーのガンカクさえ気絶させたことがあるんだ」 ミヒはにっこりと 「アリガト」 テツキはコリア美少女のミヒの気を引きたくて、そんなアドバイスをしたのだが、しかしミヒの

          ヘタレ師範 第11話「貫手(ヌキテ)」

          ヘタレ師範 第10話「振り袖稽古」

          第一話 「出会い」ヘ戻る 前回 9話「ヘタレ師範」へ戻るーーーーーーーーーーー本文ーーーーーーーーー 最初の立ち合いはミヒとテッキだった。 ミヒはテッキと向かい合ったとき、なんと浴衣姿のままだった。 その浴衣は白地に青と紫の大きなアサガオの柄に朱色の帯をリボン結びに巻いている。 テッキはここに来たときから、このコリアン美少女ミヒに目を付けていた。彼は心の中で。 「(すっげえ可愛いじゃん。それに韓国娘にしちゃ浴衣もよく似合う。 でもこの女、浴衣なんかでどうやって戦うつ

          ヘタレ師範 第10話「振り袖稽古」

          ヘタレ師範 第9話 「ヘタレ師範」

          第一話 「出会い」ヘ戻る 前回 8話「押忍!」へ戻るーーーーーーーーーーー本文ーーーーーーーーーー ここの道場は最初から驚くことばかりだ。 ガンカク「先生って、こんなのが?」 ジオンは、今度は落ち着いてその男を見た。 若い男だ。まだ30には手が届かないだろう。痩せ細った体にTシャツと軽いズボン姿である。どう見たって空手師範には‥‥。 ジオン「見えねえなあ。まるでデスノートの探偵L(エル)じゃねえか」 浴衣女が、例のコリア訛りで。 「シツレイ言わない。ゴロちゃん、この道場の

          ヘタレ師範 第9話 「ヘタレ師範」

          ヘタレ師範 第7話「庇い手(カバイテ)」

          第一話「出会い」に戻る 前回「ゴロちゃん」に戻る ーーーーーーーーーーー本文ーーーーーーーーーー 3人が振り向くと、ゴマ塩頭の初老のオヤジがニヤニヤ笑っていた。風体を見るとどうもカタギには見えない。 すると、今度は別の声がした。 「それにさあ、ここの見物人も、アンタたちも、今の試合見て、青ゴリラが勝った。白帯のほうが負けた‥なんて思ってんだろねえ?」 声の主は、ゴマシオの横に座っていた中年の女だ。この女もカタギらしくなく、飲み屋の女のような雰囲気だ。茶髪にパーマをか

          ヘタレ師範 第7話「庇い手(カバイテ)」

          ヘタレ市販 第8話「押忍!」

          第一話 「出会い」ヘ戻る 前回 7話「オープントーナメント(庇い手)」ヘ戻る ーーーーーーーーーーー本文ーーーーーーーーーー ドドン!爆発したような音をたてて、道場の扉がいきなり開いた。 開け放された扉の向こうに、金髪に赤い口紅のジオンを真ん中に、歌舞伎メイクのガンカク、ツーブロックマンバンのテッキが立っていた。 彼らは例のド派手な真っ赤な衣装に身を包み、三体の仁王像のように睨みつけていた。 ただこれまでの道場破りと違うのは、ガンカク以外顔をマスクで隠してはいなか

          ヘタレ市販 第8話「押忍!」