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中国流行通信-1 二十四節気広告って?

最近中国SNSや街角などで見かける広告など
流行している(かも)、流行する(かもしれない)情報を
独断と偏見でお届け。シリーズ連載していきます。

中国ビジネスに携わる人には耳タコな
WeChat、微信(weixin、ウェイシン)という言葉。
ここ数か月の間、WeChatのタイムラインで頻繁に見かける広告をご紹介。

二十四節気(にじゅうしせっき)とは?

立春、春分、夏至など季節を表す言葉。
1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、更にそれぞれを6つに分けたもの。
所説ありますが、簡単に言えば一年を24の季節に分けたものです。
カレンダーに記載されていることもあります。

二十四節気広告とは?

二十四節気ごとに発信する広告のことです。
毎年日にちも変わります。

二十四節気以外にも中国の記念日も含んでいるようです。
特に人気があったのは、
7月1日の中国共産党成立100周年広告、タイムラインが赤く染まりました。
二十四節気、直近は7/22の大暑、8/7の立秋(2021年)です。

中国の広告といえば、
「派手」「オーバー」「ゴリゴリの欧米風」というものが多いのですが、
初めて見た時には地味すぎて驚きました。

節気の表示と社名やロゴ、QRコードのみ。
企業によってはさりげなく製品の写真を入れ込んでいる場合もありますが、あくまでメインは節気の表示とその節気に合うイラストや写真
何ともあっさりとした広告。とても気になり調べてみることに。

8/9追加・SOPHIAで作成。8月7日、立秋に配信。
秋の始まり、季節の変わり目です。

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7月7日、小暑に配信

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 ヒントは「国潮」にあり

国潮(guo chao、グオチャオ、こくちょう)ってなに?
国は「中国」潮は「ファッショントレンド」から生まれた流行語で、

「中国の伝統的な要素を商品やファッションデザインに取り入れ今風にアレンジしたもの」

平たく言えば「一周回って、伝統ってカッコいいよね」みたいなイメージ。
最近はファッション以外でも国潮が幅広く使われています。

「Z世代」と呼ばれる1995~2009年生まれの若者層がけん引役といわれています。

二十四節気広告は消費の担い手となる「Z世代」をも取り込む、中国の伝統要素を取り入れたおしゃれな広告という位置づけでしょうか。

 二十四節気広告の流行要因とは?

「復古主義」「伝統的なものもカッコいいよね」を広告にも取り入れたのが流行の要因だと考えられますが、なぜ幅広い年齢層にも受け入れられたのでしょうか?

以下、16年間中国で暮らし周囲の友人はほぼ中国人もしくは中国人をパートナーにもつ日本人に囲まれているという背景を持つ、ブログ中の人の分析、考察。

○節目節目を大切にする中国人の文化にとてもあっている
中国で暮らすようになって、立春、春節、端午節、中秋節などを意識して過ごすことが増えました。
なぜなら、彼らはこれらの日をとても大切にしているから。

年配の人はもちろん、普段は最新のものが大好きで便利さを追求する若年層の人でも、
「XXの日はXXを食べる」「XXの日はXXをしてはいけない」「XXをして過ごす」などなど節目節目の過ごし方をとても重視しています。

重視している日に「XX快楽(おめでとう)」を表現する広告は
季節感があり素敵だなと思わせる要素が満載のようです。

○世界的な事情でゴリゴリの広告は倦厭されていたのかも
二十四節気広告を頻繁に見かけるようになったのは、
2021年の春節ごろから。
特に端午節、中国共産党成立100周年は多かったなという印象です。
中国に拠点をもつ日系企業の広告にも登場していました。

2020年は世界的な事情で倒産した企業も多かったと聞いています。
2021年になり中国国内の状況が落ち着いてきたことも関係しているのではと思っています。

「ゴリゴリ」「派手」な広告は費用もかかりますが、
二十四節気広告は比較的リーズナブルな価格で製作できるため
「倒産していませんよ」という企業活動のアピールを控えめかつ流行をしっかり取り入れPRしたかったのかなと思っています。
(ここは独断なので、賛否両論あるかと思います)

二十四節気は、ほぼ15日に1回の周期で頻繁に消費者の目に入る

年間24回、月に2回のペースで広告を出すことになります。
それほど頻繁でもないけれど、程よいペースで企業の広告を目にすれば
知らず知らずのうちに、覚えてもらえそうだなと感じました。

新商品などの話題がなくても配信できるのも魅力です。
時候の挨拶とその季節にピッタリのイラストや写真を中心に、
さりげない商品の写真とQRコードで知名度や企業イメージの向上にも一役かっているようです。

番外編として十二節気、六節気で広告を出すのもあり

24回はハードル高いというお問い合わせも頻繁に頂きます。
反応を見るために、12回、6回(六節気という言葉はありませんがわかりやすく表現しています)から広告を出してみるのも良いですね。

例・主要6節気
春節、春分、清明、端午節、中秋節(もしくは国慶節)、冬至
など。

下記広告はSOPHIAにて手掛けたもの。7月1日、中国共産党成立100周年

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まとめ

派手なだけが広告ではない。
新商品以外にも販売ターゲット国の文化を取り入れた広告手法がある。
BtoBでもSNSを積極的に活用するのもあり。

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