見出し画像

引きこもりの、いい歳をしたオジサンが、自分の姿を投影して泣きながら描いたファンタジー物語が「ピピのつばさ」なのです。

写真学校からの就職につまづき引きこもりへ・・・。

それでも、何か出来る事はないかと考えて思いついたのが・・・。

4コマ漫画の投稿だったのです。


むかしから、漫画は好きでよく読んでいましたし。

写真学校へ行ったのも、構図とか何かしら画を描くのに役に立ちそうだと考えたからでした。


それに、漫画の投稿ならば、人に合う事もなく、自宅でもできますからね。

今のように、ネットも普及していない時代でしたので、人にも合わずに自宅で出来るような仕事は余りなかった時代です。


四コマ漫画の投稿の他にも、投稿のコーナーのある雑誌があるとイラストなど描いて送っていました。


ファンタジー物語「ピピのつばさ」


ところが、そのような投稿コーナーがある雑誌でも。

いちど投稿が採用されて賞金や掲載費がでると、なかなか次の作品が採用されたり掲載されなくなるんですね。
(実力が素晴らしければその限りではないのでしょうが)


当時、いけいけだった週刊○○レスの名物編集長のターザン○○氏がいたころのイラスト投稿コーナーでいちど掲載されたのです。

それで、その後も、続けて投稿したのですが・・・。

何だか紙面上から
「バカヤロー、続けて投稿してきても簡単には載せてやらねーからな!」

と言われているような気持がしたものでした・・・。
(そんなコーナーまでターザン○○氏が見ていたがどうかは分かりませんが)





それで、投稿だけでの可能性に限界を感じ始めたのが竹細工でした。

竹細工と言っても、実用品ではなく竹人形や竹地蔵などの工芸品を作り始めたのでしたが。


これも、ネットの普及していない時代に始めるのは分からないことばかりで、すべて独学しなければならずに大変でした。

しかし、これも続けることができずに就職することになったのです・・・。





「ピピのつばさ」アイデア帳

就職してしばらくして、仕事を覚えたころになると・・・。

まあ、どのように具合かはわかりませんが、会社からはじき出されることになったのです。
(給料を上げてくれといったら、上げてくれたりとか・・・。ほかに、会社側の方にも事情と、こちらの考えに齟齬があったのかもしれませんが)


本当ならば、そのまま独立して・・・。

となれば良かったのでしょうが、どうしても引きこもり体質なのでしょうね。

また、創作の方の道へと戻ってきたのでした・・・。


そして、「絵本」のようなものを描きたいと思い久しぶりに画を描いたのですが・・・。

もともと、画が上手い方ではないので、スケッチブックを開いてそこに画を描いても描いても、まるで子供が描いたような画ばかりだったのです。





「翼を怪我した鳥のピピ」

そして、描いて描いて描き上げたのが。

翼に怪我をして、空を飛ぶことができない鳥のピピを主人公にした「ピピのつばさ」だったのです。


鳥は、空を飛ぶことができて当たりまえですが。

その当たり前のことの出来ない、鳥もいるという事で。

そのことを、出来て当たり前のこともできない引きこもりの自分に投影して重ね合わせて描いていたのでした。


ですから、「ピピのつばさ」を描いている時は、いい歳をしたオジサンがポロポロと涙を流して泣きながら画を描いていたのですから。

はたから見れば、滑稽な姿だったことでしょうね・・・。






そんなオジサンも、泣くこともあまりなくなりました。

なぜなら、もうオジサンからオジイサンに成ろうとしているのですから・・・。






アートとメルヘンと創作の森


この記事が参加している募集

ご無理のない範囲で投げ銭や記事のご購入やサポートでの応援を頂けましたなら幸いです。高齢の猫(定期的な抗生物質注射が必要な為)の治療費に使用したいと思っております。投げ銭や記事のご購入やサポート頂けた方には、X(ツイッターフォロワー合計7万)で記事を共有(リポスト)させて頂きます。