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「アナタ、本当に“経験3年”ですか?」

IT企業の求人情報を眺めていると、
応募対象欄に「経験〇年以上」と書かれていることがよくある。

私は元SEとして、この「経験年数」が求人情報に載っていることに、
大きな違和感を覚えたので書いていく。

初っ端から結論を出してしまうが、
プログラマの開発スキルは経験では測ることができない。
もっと言えば経験年数なんて手段を問わなければ、
いくらでも水増しできる。

では、どうスキルを測るのが正しいか。
答えは経験年数より「何をやったか」といったこれまでの実績だ。
企業の人事担当もバカではないので、
「どんなことを経験したのか」と実績を確かめてくる。

たとえば同じ経験3年の、才能のあるプログラマAと、
凡人プログラマBが同じシステムを開発するとしよう。
そこに開発期間・品質ともに、
天と地の差が産まれてしまうのがプログラマの世界だ。

Bが必死こいて6カ月かかったものを、
Aは基盤から見直し、将来の拡張性も考慮し、
1カ月で終わらせてしまう。
そんなことも平気であったりする。

分かり辛いので、サッカーに置き換えるとこうだ。

たとえば、「サッカー歴5年」と聞くと、結構凄そうに聞こえる。
では、その内容がレギュラーではなく、
ボール拾いのみだとしたらどうだろう。

5年もボール拾いを続ける根性はある意味凄いが、
実績としては凄くないことがわかる。

残念ながら、IT業界の仕事ではレギュラーよりも、
ボール拾いに近い仕事が結構多かったりする。
そして、そのポジションを「経験年数」とアピールし、
多くが面接で散っていく。

企業が本当に欲しいのは、レギュラーで3年やってるヤツだ。
つまり、求人広告でよく目にする「経験3年」は、
相当レベルの高いことを求められていると考えていい。

車で言えばベンツ。ポケモンで言えばミュウツーだ。

それだけガチでやってたヤツの「経験3年」は凄い。
どの企業もベンツに乗ったミュウツーを求めている。

次回は、これを踏まえたうえで、
IT界隈の求人情報の“見方”を紹介したい。

【プロフィール】Game&Watch
新卒で入社したのはゲームの開発会社。約3年勤め退職後はカメラマン兼ライターとして人材業界の広告代理店に入社。ITやガジェット、ゲームが大好き。パソコンはお友達。テクノロジーのトレンドや働く意味を常に考え続けている。

「ITやモノづくりの世界を身近に感じてもらいたい」そんな思いでこのnoteを始めました。書き手は全員転職経験者。実体験にもとづくエピソードや、転職に役立つかもしれない小ネタ、気になるニュースなどをざっくばらんに更新していきます。気に入っていただけたら、ぜひサポートをお願いします!