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【コース体験記】ガス欠だったわたしが求めていた「豊かさ」とは

今回は、そのまんまフォルケホイスコーレ7月コースに参加したなおさんが送ってくれた感想を共有します。どんな1週間を過ごしたんだろう?何を感じて、学んだのか? などなど、なおさんの濃い感想をぜひお楽しみください!

【What brings you here?】


私は東京でガス欠状態だった。
なんとなく疲れているような、そうでもないような。でも力が湧いてこない。
今回のテーマ「Touch the energy」を見て、また上川に行きたいと思った。
わたしは2月コースも受講していて、4日間の中で「素のまんま」でいられる心地よさや、上川の大自然に身を置くことで感じられるものがあることも短い期間ながら体感していた。

2月の雪にダイブした時の写真


今また行きたい、立ち止まってその感覚をもう一度得たいと、2度目の参加を決めた。(単純に夏の上川に行きたかったのもある・・・。)
結果、行って本当に良かった。
9日間、全てのプログラムが学び多い時間だったし、余白の時間も自分の意思で選択しながら心地よく過ごすことができた。

【大自然に身を置いて】


プログラム中様々な活動を通して上川の自然を五感で感じた。
黒岳登山では「人は自然の中にいさせてもらっている感覚」を得たり、「自然には抗えないこと」も知った。強風と寒さ、凄まじい・・・

夏でも雪の残る黒岳を歩く


上川町の農家さんからもお話を聞き、自然と対話をしながら緻密に野菜をつくっていく過程を知った。日頃何の気なしに食べている野菜がこんな努力から生まれているということを、恥ずかしながら初めて知った。

大豆をつかったあんこで、おはぎづくり


木こりの清水さんとのフィールドワークでは、「森と人が共に生きること」や「カムイと人間は対等である考え方」を学んだ。あとは好きを仕事にする清水さんの生き方にも興味津々。1日を通して私自身子どもに戻ったような気持ちで森や川ではしゃいだ。

里山を見ながら。このあと全力でバッタとりをすることに。
川で魚を捌く・・!


東京に帰ってきてからも、何度も上川の自然を思い返す。たくさんのギフトをわたしに与えてくれた。
そして「自然を守るために今ここでなにができるか」という問いが、上川から離れた後もわたしの中に在り続けている。
日常生活で物事を選択する瞬間、守っていきたい自然に対して思いを寄せて
いるわたしがいることに気がつき、「上川へ行って良かった」と感じる。

【豊かさとは何か】


最終日、別れ難くて解散後に何人かとコーヒーを飲んでいた時。ふと、これまでしていた会話が止まり沈黙になった。
その瞬間、わたしと、もう一人が「豊かだなー」「豊かだー」という言葉でシンクロした。同じ瞬間、同じ感覚でいたことが嬉しかった。夕焼けを見ながら共にいる時間を楽しむ中で、自然と漏れ出した言葉だった。

豊かさとは何か、9日間で何度も考えた。
「人とのつながり」とか「心地よいこと」は前々から思っていたこと。そして今回のプログラム中、「今ここに没頭すること、愉しむこと」も豊かさであると考えるようになった。

9日間の中でわたしが没頭する瞬間が多かったのを見た参加者の一人から、「なおさんは職人肌なのかもね」という言葉を掛けられたのも、この考えに至るきっかけになった。職人肌なんて自分で思ったことがこれまで一度もなかった。それでも上川での時間を過ごす自分を振り返るとしっくりくるかも。

大好きなカメラを、夏の北海道に持参!


目の前の人と丁寧に向き合う時間、真っ白のキャンバスに思い切って色を載せていく時間、自然に身を置き静かに五感を働かせる時間、カメラのシャッターを押す時間、黙々と手仕事をする時間、コーヒーを飲みながら仲間と共に過ごす愉しい時間・・・
今ここに集中するこれらの時間は、間違いなくわたしにとって豊かだった
また力が湧いてこなくなったら、何度だって立ち止まろう。この感覚に立ち返ろう。
日々の暮らしの中では、いろいろなことに気を取られ、忙しなく過ぎていく。それでも何かに没頭し愉しむような、自分を豊かにする時間を意識的に作っていきたい。

【生きている実感】


プログラムでは9日間参加者同士で対話し、生活を共にする。参加者一人一人バックグラウンドも9日間への期待も違う。
対話や暮らしの中で、それぞれの個性や思いが交差する。お互いの声に耳を
傾け合う。

毎日夜は対話をしたり、ボードゲームで遊んだり。


他者に対しても、自分に対してもも、「あー、生きてる!」と、9日間で何度も思った。ひとの心が動く瞬間は、人間らしくてとても魅力的だと思う
喜びも葛藤もめんどくささも、生きているからこそいろいろあるけど、分け合ったり、受け止めあったりして共に生きていたい。
上川で出会い、仲間たちと同じ場や時間を共有していることが、とても嬉しくなった。みんなのことが好きだな、とわたし自身の心も動いていた。フォルケホイスコーレは生きる場なのだと思う。

【Touch the energy】


ガス欠だったわたしが求めていた"energy"は期待通り上川の大自然から与え
てもらったのはもちろんのこと、上川で暮らす魅力的な人たちや、今回生活を共にした仲間たちからも受け取った。

自然は雄大で、生命力に満ちていたし、吹く風は心地よい。雪解け水が流れる川はひんやり、バテていた身体を冷やしてくれた。
出会う上川の人たちは、自分たちの暮らしや思いを語ってくれた。暮らすことや生きることを愉しんでいるように見えた。2月以来の再会の人たちは「おかえり」「また会えて嬉しい」とあたたかい声をかけてくれた。
今回も参加者は年齢も参加動機もばらばらで、話しているだけで刺激的で面
白かった。また必ず再会したいと思える繋がりを得た。

意外だったのは、自分自身から湧き上がる"energy"にも9日間で何度も触れたこと。「やってみたい」「見たい」「知りたい」「描きたい」「一緒にいたい」・・・。
周囲から与えてもらった様々な"energy"に触れることを通して、自分の内にある"energy"にも気づくことができた。
最終日に、「なおちゃんがめちゃくちゃ愉しそうにしているから、自分達もこんな風に愉しんでもいいんだって、場がゆるされる感じだった」と参加者の一人に言われたのが印象的だった。意図せず、自分が愉しんでいることで、半径5メートルの何かが変わっていた。
人や場、社会を変容させることは、険しさやストイックさを伴うように思っていたが、自分が愉しむことで発される何かが周囲の変容に繋がることもあるのかもしれない。
ここでのそんな実感は、これからの暮らしの中で、社会を小さくとも変えられるかもしれない希望に繋がる気がしている。

【今回のコースを終えて】


前回の2月コースは、自分や他者と向き合うことができた感覚は得ながらも、社会と繋がるということまで自分が追い付いてこなかったことが、正直ずっともやもやしていた。半径5メートルを考えることも、難しく考えていた。

それが今回、自分が半径5メートルを変容させられたかもしれないと思えたこと、ひとと自然が共に生きていくための自分の在り方を考えられたことなどから、社会と繋がることに以前よりも自分事に思えるリアルさというか、実感や体感を持てるようになった気がする。

最終日の集合写真。みんなの笑顔に癒される。


「日常に戻った後どうなるのか」仲間同士での対話の中で出てきたが、様々な瞬間にこの9日間の出会いや気づきが思い返されると思う。ここで感じたことがリセットされたり、逆戻りしていくことはない。

参加した一人一人が様々な思いを抱えて日常に帰っていった。ここで出会った仲間たちは、これからどんな人生になっていくのかな・・・。どんな方法で自分を表現していくんだろう・・・。

今も一人一人に思いを寄せながら、あの9日間を大切に思っている。

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そのまんまフォルケホイスコーレ
秋のコース募集中!🍁 ぜひ北海道へ、足をとめにきてください◎

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