【牡牛座の君へ】 星座の神話セラピー
【前書き】
内向型の人向け「神話セラピー」
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いわゆる「星占い」ではありません。
星座の神話を、只のおとぎ話とせず、そこから見えてくる比喩(メタファー)を象徴や、言葉遊びを交えて解釈します。
自分はそういう星のもとに生まれているんだと知り
神話から勇気を受け取ってください。
内向型のあなたには受け取る能力があります。
「これから運勢どうなる?」というより
「この人生をどう生きる?」というヒントになれば幸いです。
よりあなたが自分らしく行動でき、選択できるように願って
【牡牛座のギリシャ神話】
エウロペという非常に美しい王女がいました。
その美しさの噂は広がり、オリュンポスの神々の間でも知られるほど
ある時、エウロペは侍女と一緒に
草原で花摘みを楽しんでいると、白い牛が現れました。
白い牛は珍しい純真な生き物で
大人しい性格をしていたため、エウロペは気を許し
その背中に腰をかけました。
その瞬間、牛は猛スピードで走り出し
エウロペを乗せたまま、海をも超え
故郷から離れたクレタ島まで連れ去ってしまいます。
(侍女も牛の純真さに油断して置いていかれる)
その牛の正体は
エウロペに一目惚れして、近づくために変身していたゼウスでした。
エウロペはゼウスの牛と大陸を旅し
ゼウスの子を産みます。
ゼウスからはタロスという巨大な自動人形(当時の巨大ロボ?)と猟犬や槍などを賜りました。
エウロペの名は、現在のヨーロッパの語源と言われています。
(エウロペを、ヨーロッパ中連れ回したから)
余談ですが、エウロペの息子の妻パシパエも、牡牛に恋をしてミノタウロス(頭が牛の人間)を産んでいます。何の因果か
【罪のない存在】
牡牛座にはもう1つ神話があり
ゼウスがイオという女性と浮気してしまい
ヘラ(ゼウスの妻)に疑われた時
今回はゼウスがイオを牛に変えてしまいます。
(イオは女性なので牝牛?)
牛の世話をしていただけだと言い訳します。
その後、ヘラは浮気を疑い続け、牛のイオを苦しめ続けますが
イオはゼウスに迫られただけで、本人に罪はありません。
(現代の価値観による解釈ですが)
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白い牡牛
エウロペに近づこうとしたときは、大人しく。
エウロペの侍女も油断してしまいました。
その牛の目は純真であったとされます。
イオも、牛だから浮気とは関係ないよ
と、ゼウスの言い訳に使われるのは純真な動物の象徴であるはずだから
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ゼウスの愛欲は災いの種ばかりなのですが😅
ここではキーワードとして「純真」であることと
「愛」の象徴を持つ動物だと解釈します。
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一見関係ないと思えることも、すべて牡牛座に内包されます。
何か心にひっかかったものは、あなたの中にもあるものです。
すべてが「あなたの内側の物語」です。
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目次
【白い牛】(神性の高さ)
【純真な想いが与える影響】(世間に火を灯す)
【存在するだけで受け取る】
【夢中になること】
【おまけ】(牛の力強さ)
牛から連想されることも、エウロペから連想されることも、自分ごととして受け取ってください
【白い牛】
「牛」はギリシャだけでなく
インドでも、ヒンドゥー教の神シヴァが乗る聖獣として大切に扱われています。
交通も牛が優先になるほど🐮
日本では菅原道真公(天神さま)の関係する神社には牛の像があったり
中国では、牛魔王や牛頭天王など、有名で強力な神の象徴です。
牛にまつわる神秘や神様は古今東西に多くいらっしゃいます。
それだけで牛の星のもとにうまれたあなたの神性の高さを感じていただけるでしょうか。
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「白」はカラーセラピーでは純真、高潔などの意味があり、見た目からも美しさを連想できます。
陰陽五行では、「黒」が未知であるのに対し、「白」は明白であるという意味があります。
罪がないのは明白、明らか。つまり純真であり、嘘偽りないということで、エウロペの信頼を得る、ヘラの疑いを晴らすという神話の意味と繋がります。
キーワードは「純真」「罪の無い存在」「愛」
そして、ハッキリしているということで、意識の高さ、高潔であるということ。
【純真な想いが与える影響】
エウロペはヨーロッパ中をゼウスと旅をしており、その間ヘラに邪魔されるエピソードはないそうです。
良き恋愛だったか定かではありませんが
ゼウスが、大陸に彼女の名前を与えたり、巨人タロスを与えるなど
多くの贈り物と名誉を彼女に与えることで、愛情の深さ、大きさが感じられます。
罪の無い白い牛から始まる恋愛が
結果として、非常に大きな愛の形が後世に残されています。
特にヨーロッパという名前は現在でも使われる名称として影響が大きい。
あなたの純真な思いから、世間に火を灯すような大きな影響を与える。
そんなことも可能な潜在能力が眠っているかもしれません。
純真なあなたに心動かされる人も少なくないかも。
【存在するだけで受け取る】
エウロペが大きな栄誉や贈り物を受け取ったエピソードから
何もしなくても受け取る権利と能力があることを知ってください。
昔、セラピストの心屋仁之助さんは「存在給」というものを提唱されました。
病気で体が動かなくても、役に立てなくても
働かなくても、対価がなくても
純粋に価値を頂く、受け取る能力です。
あなたが「存在しているだけで得られる価値」はどのくらいなのか?
というもの。
「あなたはいてくれてるだけで、嬉しい」
こんなセリフ、大切な人から言われると嬉しいですよね。
これにはやはり「純真さ」が重要な気がします。
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もし、自分は「純真」とは程遠い
そう思っていても、自分の「純真」な要素は必ずあります。
それを見つけるヒントは
「夢中」になること
【夢中になること】
美しいだけで、ゼウスに見初められた女性は数多くいますが
エウロペの、これだけ恵まれたエピソードは珍しく
まさに存在給の高さが伺えます。
重要な要素として、「花摘み」があります。
エウロペは最初、草原でお花摘みをしていました。
神話では暗喩が多いですが、ここでは用足しの隠語としては解釈しません。
なぜなら
隠し事より「好きなことをしている」ということが
その人を引きつけるものが、より表現されると解釈するからです。
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夢中になれるものに没頭している時に
恋愛などの運気が急上昇するという解釈です。
好きなこと、夢中になるようなことに没頭している時、
人は魅力的な姿になったり、高い能力を発揮します。
エウロペは、きっと美しい花を夢中になって愛でる姫であったのでしょう。
そして、純真な瞳の生き物に、心を奪われる、ピュアな女性だったと思われます。
牛が純真に満ちて、信頼に値すると感じたのはエウロペ本人の投影であったかもしれません。
その気持ちが、「存在給」を高めていると考えます。
あなたも、無理して何かを頑張っているなら
ちょっと立ち止まり、人生の時間の中で、どれくらい夢中になれる好きなことに時間を費やしているか、考えてみてください。
その費やした時間、考える時間は、決して無駄にはなりません。
【コメント】
いかがでしたか?
牛にまつわる神話は、非常に多く
牛というものが強く人間文化に影響しています。
農耕、家畜、畜肉
いろんな形で、現在でも身近であり
古代では、それが神様の姿でした。
あまりに多く、神聖であるがために、様々な異なる宗教から
牛神は邪悪なものであるとされることもありました。
悪魔の二本角は、牛の象徴でもあります。(羊やヤギも同じ)
二本というのは、ワンネス(唯一、一体感)が分離しているという意味があります。
ユニコーン(一角獣)は純真の象徴
バイコーン(双角獣)は分離の象徴
しかし、幸せや良いものを感じさせるための必要悪であるという考え方もできます。
自分の存在給、を知るため
だれかに知ってもらうため
その指標となるため
あなたは無理に頑張らない人の手本になればいい。
好きなことを許される、純真な心で生きていていい。
そうすることで、あなたの本当の強さ、牛神のような強さが引き出される。
そんな存在だと思いました。
【おまけ】
神話の共通点を利用して、海外の遠いお話から、身近な神話に置き換えて
本来関係の無かったものを精神的に結びつけ、自分の運気に引き込む心のテクニックです。
(ジェームス・スキナー氏はスピリチュアルリンケージ(精神的連鎖)という概念を提唱しており、近いものだと考えております)
日本には、神社やお寺という実際に行くことができる場所があり
自分のパワースポットとして設定できます。
神話の関連性と、どんな象徴が含まれているかを知っている状態でお参りするのと、なんとなく訪れるパワースポットでは、精神性と自信に大きく差が出ます。
ぜひ活用してください。
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牛像がたくさんいらっしゃる神社を紹介
〒602-8386 京都市上京区馬喰町
【北野天満宮】
天満宮の御祭神である「菅原道真公」は勉学の神として有名ですが、怨霊として畏れられている一面もあります。
牛は、彼が丑年生まれであることや、牛が座り込んだ場所をお墓にしたなどのお話が残っています。
人々が知恵を豊かにすることを応援する一面と
人々に恐怖を与える祟り神としての一面
(怨霊は怖がっている人がそう呼んでいるだけかもしれませんが)
今回、記事にした牛も、世界のあらゆる神話で神とも悪魔ともいわれる二面性があります。
牡牛の星のもとにうまれてきた牡牛座の人は
強い「純真さ」を持っている反面、俗に流される弱点もあります。
道真公も勉学が好きでしたが、政治の策にはまり流刑され
最終的に怨霊となってしまいました。
その両面を受け入れた上で、勉学(好きなこと)に励みたい。
そう純真な思いがあるなら、きっと道真公は応援してくれるでしょう。
北野天満宮は総本社で、牛像もたくさんいらっしゃいますが
お家から遠いなら、近所の天満宮(または天神社)を探して、是非お参りしてみてください。
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