【文学フリマへの道・番外編】念願だった国会図書館へ。私のデビュー作『アスやら』を納本してきました!
ども。
言葉をあやつるアーティスト “そらかな” こと ソラノカナタです。
前回でクライマックスを迎えた、『文学フリマへの道』。
これまでのお話は、ぜひともこちらをお読みいただきたいのですが……
実は、まだ続きがあるんです。
私はこの『文学フリマ東京39』に参加するために、わざわざ大阪から東京へと足を運んだわけですが、今回の旅にはもうひとつ、目的があったんです。
それは何かというと・・・
自分の本を、国会図書館に納本すること。
国会図書館とは……そう、永田町は国会議事堂のお隣にある、日本でいちばん大きな図書館のことです。
国内刊行物と外国刊行物を合わせて、なんと4,753万もの蔵書数(2023年時点)を誇るといいます。国内で発行されたすべての出版物を閲覧できる、日本で唯一の国立図書館。それが「国立国会図書館」なのです。
正確にいうと、国立国会図書館には、東京本館・関西館・国際子ども図書館の3つの施設があり、それぞれ書庫収蔵能力が異なります。
東京本館は1,200万冊、関西館は1,100万冊、国際子ども図書館は105万冊だそうです。これだけでも、ものすごい数字ですよね。
「国会図書館に納本する」だなんて、私がなぜそんな大それたことを考えついたのか?
……いえ、最初から自分の意思でそうしようと決めていたわけではないんですよ。
きっかけは、“なぎさん” こと三月岡紗凪さんの書かれた、この記事でした。
なんと、なぎさんがnoteとご著書で私のことを書いてくださって、めちゃくちゃ感激でした。錚々たる作家さんと並んで、私の作品が紹介されている……なんという光栄!
作家としてのキャリアを歩みはじめたばかりの私には、それがどんなに大きな支えになったことか。
なぎさんの書かれたこの本は、私の永久保存版です!
ここで「国会図書館」というワードが出てくるのですが、そのときの私は正直言って、まったくピンときていなかったのです。
そして、たまたまほぼ同時期に、まほさんが書かれたこちらの記事が目に止まりました。
これを拝読した私は、「私も納本しよう!」……そう決意を固めたのです。
納本制度について、ご興味のある方はこちらも参照してみてくださいね。
小川なっちさん(@Bach_Fibonacci)のこちらの著書も、めちゃくちゃ参考になるのでオススメです!
納本するには、あたりまえですが「紙の本」が必要です。
つまり、電子書籍をペーパーバック化しないといけない。
私にとってこれは、思ったより遠い道のりとなりました。
2023年8月、デビュー作『アスペルガーな私のやらかし人生』を出版してから、ペーパーバック出版に至るまで、実に1年と3か月もかかってしまいました。
私にとって記念すべきデビュー作となったこの作品を『文学フリマ東京39』で販売することを目標に、ようやくペーパーバック化に取りかかり、ついに「紙の本」を出版することができました。
全身全霊を込めて仕上げたこの一冊は、Amazon Kindleストアにて販売中です!
ありがたいことに、何部かお買い上げいただいております。
決してお安い価格ではないのに……本当にありがたすぎます。買ってくださった方をハグしちゃいたいくらい、うれしい!
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国会図書館は、日曜・祝日・年末年始を除いて開館していますが、納本は平日のみ対応しているとのこと。
郵送でも受け付けてもらえるのですが、一度は自分の足で行ってみたいと思っていました。
「次に東京に行ったときにはそうしよう」と、心のなかで計画を立てていたのです。
『文学フリマ東京39』に参戦することを決めたとき、それと同時に「そうだ、国会図書館に行こう!」と決めました。
そして、それがついに実現したのです!
国会図書館への道。念願だった納本。
『文学フリマ東京39』が無事に終わって、翌日の12月2日。
宿泊していたホテルをチェックアウトし、近くのデイリーヤマザキで苺大福を2つ買って、ゆりかもめに乗りました。
JR新橋駅で山手線に乗り換えて有楽町駅で下車、東京メトロ有楽町線に乗り換え、永田町駅に到着。
2番出口へ向かうと、「国会図書館」への案内表示が。
階段を登って地上に出ると、目の前に広がるのは大きな交差点。
背後には、国会議事堂が聳え立っています。
横断歩道を渡ると、国会図書館の案内板が。
矢印は右に向いていますよね。通常の利用者入口は東口ですが、納本を受け付けているのは西口なんです。
ちゃんと「納本の方は、通用口(西口)にお越しください」って書いてありますね。
なので、矢印とは反対の左に進みます。
数分歩くと、西口の入口が見えてきました。
中央にある入口から入って、やさしい警備員さんの案内にしたがって入館手続きをさくっと済ませ、1階にある納本カウンターへと向かいました。
私の靴音だけがコツコツと、やたらと響きます。
しんと静まり返った廊下を、ゆっくりゆっくりと歩きました。
本がたくさん積まれているのがちらっと見えて、「ほんまに国会図書館に来たんだなぁ」と、静かに喜びを噛みしめながら。
納本カウンターに到着し、そばに置かれている椅子にそっと荷物を下ろして、カバンから丁寧に本を取り出しました。
チャイムを鳴らして、担当の方を呼びます。
私は本を差し出し、「納本をお願いします」と一言。
すると書類を渡され、そこに名前・住所・電話番号・著書名・冊数を書かされます。控えとして資料受領書を頂いて、終了です。
1か月ほどで、「国立国会図書館サーチ」で検索できるようになるとのこと。
ためしに検索してみると、この記事を書いている時点ではまだ「提供前」となっていますが、たしかに登録されています……うはぁ〜!
ちなみに、有償(納入出版物代償金の申請が可能)での納本もできるのですが、私は無償で提供させてもらったので、手続きはほんの数分で終わりました。
担当の方のお名前を聞いて、きちんとお礼を言って。
入館手続きをしてから退館するまで、わずか7分間の出来事でした。
だけど、その充実感、達成感ったら、ハンパなかったです……!!!
「後世に遺り続ける作品をつくる」という、私のひとつの夢が叶ったのだから。
今回は2冊納本させてもらったので、1冊は東京本館に、もう1冊は関西館に所蔵されることになります。
半永久的に、国が保有する図書館に収められるのです。私の本が、ですよ……!
感無量です。 だけど、これは始まりに過ぎません。 私の挑戦は、まだまだ始まったばかりなのですから。
じわじわと胸に迫る喜びを噛みしめながら、東口へ向かって歩き出しました。
せっかくここまで来たんですから。行きましょう、本館へ。
国会図書館の楽しみかた。
ついに来ました!
ここが、国立国会図書館……!
本館に入ろうとすると、「登録利用者カードをお持ちでない方は、新館利用者登録カウンターで手続をお願いします」と書かれた案内板が。
はいはい、新館ね……。
すぐ隣にある、これか。
新館で、利用者登録の手続きをします。
書類に個人情報を記入して、身分証明書といっしょにカウンターへ。
数人待ちだったけど、5分くらいだったかな。
青いカードをもらいました。
有効期限は、最後の利用から3年間。
ネットでも利用できるんだそう。
ロッカーに100円入れて(お金はあとで返ってきます)、手荷物を預けて。
B5判以上の不透明な袋物は持ち込めないので、用意されている半透明のバッグに貴重品だけ入れて。
いざ、国会図書館のなかへ!
発行してもらったカードをタッチして、ゲートを通ります。
「ほわん」ってめっちゃいい音がして、なんだか近未来な雰囲気がプンプン。
さすが国立、さすが国会図書館!
新幹線の時間があったからぜんぜん余裕がなくて、ゆっくりは見てまわれなかったけれど、めっちゃワクワクする場所でした。
もし東京に住んでたら、足繁く通いつめてただろうなぁ。
本好きにとっては、たまらんなぁ。コレ、パラダイスだなぁ。
これだけ資料や文献が揃っているなら、私が過去に掲載された新聞や雑誌も見つけられるかも。
もしかしたら、新聞記者だった私のおじいちゃんに関する資料もあるかもしれない。
そんなことを考えていると、ワクワクはさらに増していきます。
教科書に載っているような歴史上の著名人(政治家?)の書いた書簡が展示されていて、それを見ながら「いつか私の書いたものも、こんなふうに後世の人たちの目に留まってくれたらいいなぁ」なんて、想いを馳せたり。
6階には、食堂と売店があります。
食堂のテレビには国会中継が映し出されていました。石破首相が答弁されている姿を目にして、いままさに、すぐそこで、たくさんの議員の方が国会でお仕事をされているんだなぁと、不思議な気分になりました。
時間があれば、ぜひとも食事をして帰りたかったんですが。
くぅっ、次に来たときには必ずや……。
1時間ほど館内を見てまわり、14時を過ぎたころに図書館を後にして、ふたたび有楽町線に乗り込んで東京駅へと向かいました。
ありがとう、東京。また来ます。
15時過ぎ、のぞみで大阪へ。
新幹線のなかで、文学フリマで購入した本でも読もうかと思っていたけれど、2泊3日の旅で疲れすぎた私には、そんな気力は残っておらず。
ときどき目を閉じて休みつつ、Xにポストしたりして過ごしていました。
唐突ですが、私は「ゆりかもめ」が大好き。今回、2回も乗れたので、めっちゃうれしかったですね。これですでに5、6回は乗ってます。
文学フリマが終わったあとに乗った、夜のゆりかもめから見た景色が素晴らしく美しくて、強く印象に残りました。
レインボーブリッジやフジテレビ社屋の美しさはもちろんだけど、夜に見る東京タワーは格別。
なんなんだろう、通天閣とは似ても似つかない、あの上品な佇まいは。
こころのなかに、ほわっと灯がともるような。
ためいきの出るような美しさ。
やっぱり日本は美しい国だな。
日本に生まれてよかった。
日本人でよかった。
こころからそう想える、しあわせなひとときでした。
かなり無理したけど、やっぱり来てよかった。
思いきって文学フリマに参加して、本当に正解だったな。
一生忘れることのできない、まさに「プライスレス!」な旅になりました。
東京を後にするのが、ちょっと名残惜しいくらい。
できればまだもう少しだけ、ここにいたかったな。
ありがとう東京!
ありがとう文学フリマ!!
ありがとう国会図書館!!!
そのうち必ず、また逢いにいきます!