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風景のレシピ #29 “オレンジ園”| nakaban

「旅と記憶」を主題に絵を描いている画家のnakabanさんが、風景画の制作過程をレシピ化するこころみです。序文はこちら



風景のレシピ #29 “オレンジ園”

調理時間:8時間

材料:
オレンジの鉢植え:たくさん
建物:一棟
その他の樹木:数本
鳥:気配のみ
舗装された道:適宜


1.一本の舗装された道を敷き、左右にオレンジの鉢を並べる。


2.道の奥に建物を横たえる。内部にたくさんの苗や園芸器具が眠っている様子を想像する。
  ここは冬の間、果樹鉢を取り込む建物(コンサバトリーと呼ばれる)であり、幼苗を育てる温室も併設されている。


3.建物の向こう側に大きめの樹木をいくつか並べ、風に揺らす。


4.鉢植えにオレンジの実を実らせる。
  完熟を狙う鳥の視線をスパイスのように振りかけ、できあがり。


調理のコツ
*果樹庭園の管理人のように風景を整える


妙に存在感がある塔
建物の中を覗いてみたくなる
小苗用の温室
できあがり。クリックすると拡大して見られます。


◎プロフィール
nakaban (なかばん)
画家。絵画、書籍の装画、文章、映像作品、絵本を発表している。
新潮社『とんぼの本』や本屋「Title」のロゴマークを制作。
著作に『ダーラナのひ』(偕成社)『ことばの生まれる景色』(辻山良雄との共著、ナナロク社)『窓から見える世界の風』(福島あずさ著、創元社)など。
好きなことは果樹栽培、ポストカード収集、そしてもちろん絵を描くこと。
本を読むのが遅い。
広島市在住。www.nakaban.com

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