風景のレシピ #55 “Lost Corner”
1.壁に挟まれた誰もいない空間に石畳を敷きつめ、路地とする。
石畳の隙間から草が生えてくる。
しばらく佇みながら、反響する都市のノイズを聴く。
2.工事用の大きなごみ箱を置き、廃材ごみで満たす。
ごみは路上にも溢れる。
3.腰掛けたくなるような石段をつくる。
古びた壁には金属のランプシェードをとりつける。
壁に無人の窓を開ける。
窓の無い壁は番地のプレートや剥がれたポスター跡で彩る。
4.一角に時計の文字盤を置く。
時計の針は失われていて、錆びているものを選ぶ。