風景のレシピ #47 “シルトの岸辺”| nakaban 6 創元社note部 2023年3月14日 16:24 「旅と記憶」を主題に絵を描いている画家のnakabanさんが、風景画の制作過程をレシピ化するこころみです。序文はこちら。風景のレシピ #47 “シルトの岸辺”調理時間:2時間30分 材料: 海辺の町:ひとつ河口:ひとつ砂:一面気水:一面鉄橋:一基蟹や貝類:無数白く煙った空:一面工場のような建物:適宜放置されたボート:何艘か1.砂を一面にばら撒き、四方に広げる。2.砂に水を含ませる。よくかき混ぜ、シルトを形成させる。 砂粒と水に光を乱反射させ、視界一面を白く煙らせる。 そこかしこに塗装されたボートを置く。 それらの鮮やかな色も、たちまち色褪せ始める。3.遠くには真っ白な鉄橋を渡す。 鉄橋の向こうに霞かかった高台を作り、工場のような建物を建てる。4.その河口のシルトを、目を細めながら散歩している自分を思い浮かべる。調理のコツ*写真を色褪せさせるその秘密を覗き込むように遠くに海が見える白く霞んだ空ひそかに潮が満ちるのを待っているできあがり。クリックすると拡大して見られます。◎プロフィールnakaban (なかばん)画家。絵画、書籍の装画、文章、映像作品、絵本を発表している。新潮社『とんぼの本』や本屋「Title」のロゴマークを制作。著作に『ダーラナのひ』(偕成社)『ことばの生まれる景色』(辻山良雄との共著、ナナロク社)『窓から見える世界の風』(福島あずさ著、創元社)など。好きなことは果樹栽培、ポストカード収集、そしてもちろん絵を描くこと。本を読むのが遅い。広島市在住。www.nakaban.com★「風景のレシピ」マガジンページはこちら ダウンロード copy #写真 #イラスト #絵 #創作 #レシピ #風景 #建築 #美術 #画家 #鑑賞 #風景画 #創元社 #nakaban #風景のレシピ 6