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風景のレシピ #50 “朝の散歩”| nakaban

「旅と記憶」を主題に絵を描いている画家のnakabanさんが、風景画の制作過程をレシピ化するこころみです。序文はこちら



風景のレシピ #50 “朝の散歩”

調理時間:5時間30分
 
材料: 
山の斜面:ひとつ
早朝の冷気:ひとつ
小径:数本
建物:適宜
畑:適宜
街灯:数灯
木々:たくさん
金色の朝靄:一帯 


1.朝の空気を拡げ、この空間に冷気の名残をしっかりと馴染ませる。


2.山の斜面のような地形をつくる。
  眠りから覚めないままの建物を建てていく。
  建物と建物の隙間は畑にして作物を植える。


3.山の斜面を登っていくための小径を通す。
  この小径をゆっくりと歩いてみる。
  必要な地点に木々を植え、街灯を配置する。
  いろいろなもの全てに朝露をふりかける。


4.世界を少しづつ暖めるように、金色の朝靄を漂わせる。
  温まった大地からも湯気が発生する。


5.明日の朝、早起きをして散歩をしたくなったら、できあがり。


調理のコツ
*最後に朝の散歩をしたときのことを思い出しながら。

紅茶のような朝焼け
高台に登っていく細い道
青と金色が出会い深みのある茶色があらわれる
できあがり。クリックすると拡大して見られます。


◎プロフィール
nakaban (なかばん)
画家。絵画、書籍の装画、文章、映像作品、絵本を発表している。
新潮社『とんぼの本』や本屋「Title」のロゴマークを制作。
著作に『ダーラナのひ』(偕成社)『ことばの生まれる景色』(辻山良雄との共著、ナナロク社)『窓から見える世界の風』(福島あずさ著、創元社)など。
好きなことは果樹栽培、ポストカード収集、そしてもちろん絵を描くこと。
本を読むのが遅い。
広島市在住。www.nakaban.com

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