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風景のレシピ #30 “雪見る喫茶店”| nakaban

「旅と記憶」を主題に絵を描いている画家のnakabanさんが、風景画の制作過程をレシピ化するこころみです。序文はこちら



風景のレシピ 30 “雪見る喫茶店”

調理時間:3時間

材料:
カフェ:一軒
店の灯り:ポツポツと
通行人:数人
喫茶店の客:数人
車:適宜 
雪:適宜 
道路の鉢植え:数個


1.宵の入りの青い空気を広げる。
  その空気に通行人や行き交う車をよく馴染ませる。


2.訪れたことはないが、どこかにありそうな、ただし独特な形状のカフェを用意する。
  路上に鉢植えを並べる。店でくつろいでいる客を配置する。


3.風景全体を見渡し、店のデザインの馴染まないところがあれば、そのつど改修する。


4.氷でできた荒目のふるいで雪を降らせ、界隈に少し積もれば、できあがり。


調理のコツ
*そのカフェの店名やメニューを妄想しながら進める。


白熱電球がカフェの開店の合図
行き交う車や路面電車の残像
家に帰るか寄り道するか
できあがり。クリックすると拡大して見られます。


◎プロフィール
nakaban (なかばん)
画家。絵画、書籍の装画、文章、映像作品、絵本を発表している。
新潮社『とんぼの本』や本屋「Title」のロゴマークを制作。
著作に『ダーラナのひ』(偕成社)『ことばの生まれる景色』(辻山良雄との共著、ナナロク社)『窓から見える世界の風』(福島あずさ著、創元社)など。
好きなことは果樹栽培、ポストカード収集、そしてもちろん絵を描くこと。
本を読むのが遅い。
広島市在住。www.nakaban.com

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