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風景のレシピ #66 “せとうちぐらし”| nakaban
「旅と記憶」を主題に絵を描いている画家のnakabanさんが、風景画の制作過程をレシピ化するこころみです。序文はこちら。
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風景のレシピ #66 “せとうちぐらし”
調理時間:7時間
材料:
朝の海:一面
入り江:たくさん
小山:たくさん
集落:何箇所か
もう使われていない桟橋:ひとつ
朝の霧:一帯
静けさ:全体に
1.静かな朝の海をひろげる。
2.陸地を配置して、たくさんの入江をつくる。
海辺にはいくつかの集落をつくる。
集落の後ろには、こんもりと緑の茂った山を盛り上げる。
3.掘られた海を、ゆっくりと埋め戻していく。
大きな船は通れなくなるが、夢のような生態系が復活する。
海岸線のうち、木々と海が触れる場所をたくさんつくる。
4.山を覆ったソーラーパネルをひとつひとつ剥がしていく。
毒性のあるパネルの廃棄がとてもむずかしいことを思い知る。
5.海と空のあわいに霧をたなびかせ、その境界を曖昧にする。
この風景のどこかに住みつき、みかんの木を育てたくなったら、できあがり。
調理のコツ
*浅瀬の海を裸足で散歩する朝を思い浮かべる。
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◎プロフィール
nakaban (なかばん)
画家。絵画、書籍の装画、文章、映像作品、絵本を発表している。
新潮社『とんぼの本』や本屋「Title」のロゴマークを制作。
著作に『ダーラナのひ』(偕成社)『ことばの生まれる景色』(辻山良雄との共著、ナナロク社)『窓から見える世界の風』(福島あずさ著、創元社)など。
好きなことは果樹栽培、ポストカード収集、そしてもちろん絵を描くこと。
本を読むのが遅い。
広島市在住。www.nakaban.com
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