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「慶應義塾大学へのラブレター」

慶應文学部の入試は、毎年2月15日と決まっている。1日遅れのバレンタインデーなのだ。

とある予備校講師はこう述べている。「解答用紙は慶應文学部の先生方へのラブレターだ。」と。

自分がやってきたこと、考えていること、慶應文学部への思いを込めて、解答用紙に一言一句丁寧に書く。ラブレターを書いているような、それくらいの気持ちで書きなさいと。

まさにそうだと思う。解答用紙は自分のパフォーマンスの場所であるだけでなく、想いをぶつける場所なのである。いわば先生方との「対話」の場所なのだ。もちろん、我々は先生方の顔は見えないし、先生方も我々の顔は見えない。けれども、その解答用紙の「文(ことば)」を通して、想いを伝え、受け取ることができる。

何故慶應文はマークシート試験ではないのか。国立大学のように全て記述式の試験なのか。それは受験生の「ことば」と「思考」を見るためであろう。

私は自分の考えていることが決して正しいとは思っていない。だが、私の思考には今までの人生が詰まっている。おそらく、その辺の受験生よりは思考家であろう。人生、学歴、能力、科学、宗教、言語...こうした様々なテーマについても深く考えてきた自信がある。文学部が扱っているのは答えのない問いばかりだ。答えを出そうとしなくていい、あなたの考えがマイノリティでもいい、でもきちんと自分の考えを持つことが大切なのだと慶應文学部の過去問は教えてくれた。

私は慶應文学部の問題からメッセージを受け取った。だから、あなたも私の思いをどうか受け取ってください。