20240530「すがたかたち」

すがたかたち
変化しつつ
一時的に保ち
また崩れている
同様に様々
柔らかな感情の波
砕かれ放ち
開放への漣
触ることない
それらの出来事
眺めるというのに
目蓋を閉じて
今までのことを
暗唱しつつ
別の言葉でも
現せないものもの

たどり着くのは
今日か明日
決して昨日ではないことくらい
わかってもいるけれど
どれがどのわたしなのかは
あなたが決めたらいい
形容の凸凹を膜の通過で
刺激し合い
奪われる物ごとの練磨
ただ過ごすこともできない
よくよく考えれば
おかしいこと
含みを齧り
唾棄しては
また別の何かを拾っている
そろそろ離れてもいいくらいに

静かに動き
目の前の事柄を紡ぎ
あれとそれ
これとあれ
結晶を砕きつつ
ばら撒かれるひかりの粒
目に見えないのなら
その手で掴もう
あれよと言い
半ば信じてはいない
半浴を被り
流れるそれらに安堵する
調べの片隅では
涙の跡を指でなぞり
そっとそこを降りる
微細を交わしさよならの候