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20240528「仮識」

帰る所も
行く所もなければ
どこへと在るというのだろう
漣のひと掬いを繰り返し
ひとくち飲んだ
その液体を
それぞれのわたしが濾過して
またそれを排出する
何気にそわそわして
身支度も未だ
それとこれ
その辺りの事変
組み合わせの算段
計算の奥では
未だ燻っていて
煙の背後も振り向いていない

選択をばら撒いて
そのひとつを選ぶ
他のことは
他に任せておいて
由を開き
箍で結ぶ
隙間に響き
振動する物音
吝かでない下部
言い訳を解き
また準備を再開する
結んで開いて利他識
隙間を埋めつつ
頭を下げる
ほのやかな宴
眠りの前のたおやかさ

せめてもの言い訳を
何度も口にして
許しつつそれを拒否しながら
前後に移り
影を踏もうとしている
追いつけないそれらを操って
操られつつも
自分を試している
よく言えばそう
そうでもなく自在
それでいて透明な衣を
既に羽織っては
気づけずに
俯瞰の逆で
もごもごしていて
再度耳を澄ませておく

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