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20240523「雨垂れの線」

雨垂れの線をなぞって
その先まで目線を追って
遠くを見ていて
ここを見てはいない
ここを見てる間に
その遠くを見ずに
距離感を湛え
水滴が溜まっていく
溢れるくらいに動揺して
零れるくらいに涙を落とす
感情の先では
既に感覚の広さを得ている
それならいっそのこと
雨に打たれたらいい
隠したそれらを拭い
前を見ている

心にもないことを言って
出まかせでも
傷つけられるように
脆く囀り
適当な濁りを付与する
大方紛れたなら
すやすやと寝息を立てて
停止の前まで
浮上する眠りの雲
落雷を呼び
地までの接線を届け
放熱の怒りを轟かす
耳を塞ぎ
お臍を隠し
霰でも降ってきたら
その逆の方へと進めばいい

どれもが均等に価値を持ち
その関係性を見破る
繋がれない経緯を
誰かが編んでいる
そのこと自体知らないのだろう
せっせと紡ぎ
あてのない伝へと投げて
投影させる
影を踏んでは
ここではないのだと
そう思う
輪郭を滲ませて
そしてまた歩き出す
よちよちころり
補助線を企て
複数の意味を抱えている

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