20240605「憶測の盥」

QPRLを押し
でたらめな文句を言う
はなから合致してないと言うのに
別のサインを探して
勝手にそれっぽい答えを出す
当てずっぽであっても
その先の方では
辻褄を合わせるように
何かに出会している
拡張の切先では
戸惑うまでも
更にその一歩を進ませる
領域の前提では
超えられないそれらを摘んで
ぽとり落とす
滑らかな雑事を飲む

遠浅の間合いで
戸惑いつつ
蓋を開ける
少し重くそして軽い
光景の鏡で
様々な奥行きの四隅を壊す
箍を一本抜いて
崩壊寸前な眼差しを加え
上下する基礎を免震させ
轟く空まで
小さな仏を口から出す
声無き声のまだ先で
既に放っている戯言を抜いて
もう大丈夫だなんて
傷をさする
そして素足で水を蹴る

憶測の盥を
頭に落とし
ワッハと笑い
大小それぞれの落下で
奈落に反射し
確かに受け取る
余韻の冪乗
波紋の切れ端
研がれた鶴嘴
かっぽじった地面の凹凸
なだらかな素肌
粟立つ時間さえ
こっちのもの
翼凛の衣を破り
再度縫合している
それらの意味の合間に放流させておく