見出し画像

20240424「同調の呼吸」

雨が降って
雨が止んで
また静かになる
側溝の勢いはよく
つばめの声が飛んでいる
田植えの準備で
休みもないが
それでいい
誰から誰かへ
そして誰も知らない
わかってはいるだろうけれど
そんなことには構わない
誰もが忙しく
誰もが遠く近くで
今日のことをしている
目を瞑って委ね
同調の呼吸をする

手に入れたからといって
それが何なのかは
一向にわからない話しで
読み人に任せておけば
誤読の精度も研ぎ澄まされ
別の所へと接続されるかもしれない
例えの練習で
怖がる存在を見えないというのに
何かしらの気づきで
平然と怠惰の中を
スクロールする
下へ下へと
上擦る調子で
また滑空を滑らせる
間合いをとって
行間をすり抜け
違う地点に座っている

水墨の景色を眺め
漸く落ち着こうと宥め
さらさらのささらの音を確かめ
野良を背負い
屈んだ腰を地面に刺す
まだ冷たくまた温い
天日に差され
記憶のさながらに転写され
子どもの頃からそれを続けている
見ないふりで
そっぽ向いて
既にあるわたしの何かを選び
勝手な解釈を繕い
手当てを施し
水面に風が戦ぐ
またぽつり
雨が落ちてそれらを潤す

この記事が参加している募集

朝のルーティーン

読んでくださってありがとうございます!サポートいただいた分は、noteの他のクリエーターのサポートに使わせていただきます😁