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#43『自望自棄~わたしがこうなった88の理由(わけ)』(著:遠藤麻理)を読んだ感想
遠藤麻理さんのエッセイ『自望自棄~わたしがこうなった88の理由(わけ)』
僕は数年前から、ラジオを聴く機会が増えました。その中で最近欠かさず聴いているのが、BSNラジオで放送されている遠藤麻理さんの番組『四畳半スタジオ』。時に優しく、時に毒あり?の内容にいつの間にか聴き入っていました。本作は、番組を聴き始めたことがきっかけで手に取った1冊です。
あらすじ
人気アナウンサーにして名エッセイストとしても知られる
遠藤麻理さんのデビュー作にして快作
笑いあり、感動あり、時に涙する話あり
MORNING GATEのスタッフも全面協力し
88編のコラムとおまけ余話を収載した1冊に!
感想
素敵な話、素敵な言葉が詰まっている1冊
失敗してもなんとかなる!と思わせてくれる
遠藤麻理さんの魅力が知れる
新潟のラジオパーソナリティ遠藤麻理さんのエッセイ。
新潟の生活情報誌『月刊 CARREL(キャレル)』に連載されている「四畳半日記」と、2020年に閉局したFM PORTの番組『MORNING GATE』内のコーナー「遠藤コラム」 の中から抜粋された話が書いてあります。
「遠藤コラム」は、BSNラジオで放送中の『四畳半スタジオ』に受け継がれています。
素敵な話、素敵な言葉が詰まっている1冊でした。
笑える話や感動する話、恋愛系の話。1つ1つのエピソードが濃かったです。特に恋愛系の話はゆとり世代の僕は少し引くほどでした(笑)。別れるのが嫌で車の前に仰向けに寝て道を塞ぐ話がいきなり登場して、目が点になりましたからね(笑)。
共感できる話もちらほらと。読みながら「わっかる!(遠藤麻理さん風)」と心の中でつぶやいていました。特に共感出来たのは「マーリーの法則」。
そして、笑えるだけではなく素敵な言葉が詰まっている。これが何よりも印象的です。失敗があっても前向きに捉えていて、色んな方との出会いを大切にしている印象がありました。読了後は、失敗したり上手くいかなくても「なんとかなる!」と思わせてくれて元気がわいてきました。「焼き芋になりたい」は遠藤さんの良さが凝縮されていると思います。
本作を読んで、これまで知らなかった遠藤麻理さんの魅力を知りました。
本作が刊行されたのは、まだFM PORTがあった2017年。当時の僕は、好きなアイドルグループの番組にメッセージを投稿したりプレゼントをもらったりと、FM PORTには少なからずご縁がありました。だから、2020年のFM PORTの閉局は僕にとっても衝撃でしたね。本作の最後にある、放送本部長の「あとがきに代えて」は何とも言えない気持ちになりました。
今はBSNラジオで活躍されている麻理さん。これからも麻理さんの声を聴けるのが楽しみです。
印象的なフレーズ
同部屋のおばあちゃんが言いました。「どんなに頑張って真面目に生きていても、いいことばかりが起こるわけじゃないんだね。でもそれは仕方のないことだ」。おばあちゃんの言う「仕方がない」は諦めることでも負けることでもありません。受け入れること。
病室で読むあなたへ
とはいえ考えてみれば、日々はささいなドーンとポーンの繰り返しですよね。ドーンときたら私はこれでもかとため息をつきます。ため息は大きく息を吸い込むための準備。幸せが逃げるなんて言いますが、そうではなく、ポーンをお迎えするためには必要なことなのです。
ドーンがあるからポーンがくる
ドーンとポーンについてですが、ドーンが墜落、ポーンが弾けるような意味合いで、最悪のあとに最高が来る、ということです。
本と男は似ている。一生のものにもなるし、鍋敷きにもなる。
マーリーの法則
「人は自分を受け入れる大きさしか、相手のことを受け入れられないものなんですよ」。ある時、後輩が私に言った言葉です。
他人へのイライラ解消は、今よりちょっぴり自分に優しくすること、自分を甘やかしてあげることからかもしれません。
イライラ解消法
誰だって失敗しようと思ってするわけではありません。一番がっかりしているのは他ならぬ本人なのです。
誰かの悪気ない失敗に他人がしてあげられるのは、分かってる!ドンマイ!と励ましてあげること。
悪気ない失敗に寛大であれ
一方、自分がしたいことに挑戦した時は、たとえ失敗に終わっても、損をしたとしても、別の何かを手にした実感があるのです。そしてそれは、いつか必ず役に立つものだと確信できます。
ギャンブルもいろいろ
「山は一期一会です。その時の気象条件、パーティー、コンディションでいかようにも変わります。天気が悪くて登れなくても、体調が悪くて下山しても、それも登山です。ハプニングがあっても、それも登山です。たとえ頂上が踏めなかったとしても、9合目まで登れたとか、手前のピークまで行けたとかいった経験がベンチマーク、基準となり、次に繋がる一歩となるのです」
富士山に学んだこと
身近で大切な人だからこそ多くを求めてしまう。だけど、生きているからこそ求められるのだということも忘れてはいけませんよね。
花マルマルゲリータ
私が皆さんにラジオを通じて届けたいと思っていることがあるとしたら、どんなに切なく苦しいことがあっても、笑い飛ばしていこうよというメッセージです。悲しみの渦に巻き込まれず、起こった事実と自分自身を俯瞰して見ること。簡単なことではありませんが、そうしてみると、少しだけ心が楽になります。
焼き芋になりたい
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