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#102 2024年6月に読んだ本【読書日記】

こんにちは🙂

当記事は、僕が2024年の6月に読んだ本の中から7冊をまとめたものです。
それぞれの本で、感想、印象的なフレーズを書きました。読む本を迷っている方にとって、参考になっていただけたら幸いです。
(感想は一部の作品のみとなっています。一旦感想を書くのをやめた経緯は後日上げる予定の記事に書きます)


1.『Nのために』(著:湊かなえ)

📖感想
恋愛小説でよくあるのが互いのすれ違いや盲目さですが、それが見事に表現されていると思いました。
愛する人のためには、良くも悪くも自らの身を献身したいと思ってしまうものなのだろうか。それぞれをが想いを寄せるNのためにしていたことが招いた悲劇はとても切ないものでした。

📖印象的なフレーズ

 その人のためなら自分を犠牲にしてもかまわない。その人のためならどんな嘘でもつける。その人のためなら何でもできる。その人のためなら殺人者にもなれる。
 みんな一番大切な人のことだけを考えた。一番大切な人が一番傷つかない方法を考えた。すべてを把握できなくても、大切な人を守れたのなら、それで満足だったのか。誰も真実を詮索しようとしなかった。
 自分が守ってあげたことを、相手は知らない。知らせたいと思わない。
 なのに、残された時間がわずかと知ると、欲が出てしまう。
 あれからもう、十年も経つというのに。

『Nのために』


2.『木暮荘物語』(著:三浦しをん)

📖印象的なフレーズ

一人暮らしは気楽でいい。惣菜も電子レンジも全自動洗濯機もある。すぐ近所には妻も娘も孫もいる。しかしまったくべつの部分で、木暮はさびしいのだった。求めていることがあるのに、求めたい相手も、求めてくれる相手もいない。そのさびしさについて率直に語り合い、「そんなことでくよくよするな」と笑って肩を叩いてくれる友人もいない。

『木暮荘物語』


3.『チルドレン』(著:伊坂幸太郎)

📖印象的なフレーズ

「川の中に立っている気分なんだ」
永瀬は耳をそばだてる時に、そういう喩えをよく、口にする。わたしにはそれがどういう感覚なのかは分からない。いくら一緒にいても、彼の生きている景色はわたしには理解できない。想像はできても、体験はできない。彼には彼の世界が、わたしにはわたしの世界が、ベスにはベスの世界が、広がっている。そう考えると、ひどく孤独な気持ちになってしまう。川の中にいる気分、それがいつかわたしにも味わえないだろうか。もどかしさがいつだって、ある。

『チルドレン』


4.『夜明けのすべて』(著:瀬尾まいこ)

📖感想
PMSや障害のような心が不安定になる症状や病気を通して人や仕事との向き合い方について考えさせられました。
仕事って何か大きなことを成し遂げたよりも藤沢さんがしていたような小さな気配りの積み重ねが大事で、それが会社を支えているのかもしれない。僕もその小さな気配りにもっと目を向けられるような人になりたいと思いました。

📖印象的なフレーズ

生きがいを見つけるのは難しいけど、楽しみは簡単に作れる。

『夜明けのすべて』

誰かの負担を和らげるのは、強引に髪を切ったり、勝手に告白したりすることなんかじゃない。靴に炭をしのばせる。そういうことが、苦しさを軽減させてくれるのかもしれない。

『夜明けのすべて』


5.『ひとりで生きると決めたんだ』(著:ふかわりょう)

📖印象的なフレーズ

いま、私が見ているものが、ひとりだからこそ見える世界なら、私は、この目を失いたくない。

『ひとりで生きると決めたんだ』

悔いが残るたびに、いつも自分に言い聞かせています。その時に最善を尽くしたのだから。その時形にしたものが、その時の正解だった。生放送も反省したってしょうがない。あとからだったらいくらでも思いつく。
そして何より、こうすればよかったなどの後悔に似た感情が芽生えると、あぁ、次に進む切符を手に入れたのだなと思うのです。その悔しさが次につながる。100パーセント満足したら、きっとそれは終了を意味するのでしょう。

『ひとりで生きると決めたんだ』


6.『傲慢と善良』(著:辻村深月)

📖感想
今年、いや、人生のベスト本になりそうです。

全て見透かされているような人間心理の解像度の高さに、誇張なしに胸が苦しくなりました。婚活をしている方なら、誰かに後ろをつけられているような怖さを感じたのではないでしょうか。あまりのリアリティの高さにノンフィクションかと思うほど。
傲慢さと善良さは表裏一体で、人間誰しもに備わっている。本作のテーマである結婚に限らず、何かを選択する際の摩擦になっていると思うとやるせない気持ちにもなります。
辻村作品の中でも闇の要素が強く、刺さりっぱなしかと思われましたが、後半の胸熱展開に光が灯ったような感じになり、前向きになれました。
傲慢さと善良さだけでなく、悪意や打算、自己愛、自分の意志、地方と都会での価値観、家族、そして婚活とは。
そういった描写に多くの部分で共感できましたが、それで終わってはいけないとも思っています。ピンとくるとは何かを含めて、本作に書いてあった答え、真実はこれから自分自身で見つけたいです。

📖印象的なフレーズ

「結婚相談所は、最後の手段ではありません。最初の手段なんです」

『傲慢と善良』

「うまくいくのは、自分が欲しいものがちゃんとわかっている人です。自分の生活を今後どうしていきたいのかが見えている人。ビジョンのある人」

『傲慢と善良』

「現代の日本は、目に見える身分差別はもうないですけれど、一人一人が自分の価値観に重きを置きすぎていて、皆さん傲慢です。その一方で、善良に生きている人ほど、親の言いつけを守り、誰かに決めてもらうことが多すぎて、"自分がない"ということになってしまう。傲慢さと善良さが、矛盾なく同じ人の中に存在してしまう、不思議な時代なのだと思います」

『傲慢と善良』

皆が行くから大学に行き、親が決めたから就職し、そういうものだからと婚活する。
そこに自分の意思や希望はないのに、好みやプライドと——小さな世界の自己愛があるから、自由になれない。いつまでも苦しい。
しかし、この世の中に、「自分の意思」がある人間が果たしてどれだけいるのだろう。

『傲慢と善良』

「何かがあった時に、まだ若いんだからって、自分より年上の人たちから言われるの、私も嫌だった」

『傲慢と善良』


7.『1分で心が震えるプロの言葉100』(著:上阪徹)

📖印象的なフレーズ

結局ね、自分の考えひとつなのよ。
人生をつまんなくしてるのは、自分なの。

『1分で心が震えるプロの言葉100』
所ジョージ

何かに生かされていると思うと、心穏やかになれるんです。

『1分で心が震えるプロの言葉100』
五木寛之

止まっている時計は、日に二度合う。

『1分で心が震えるプロの言葉100』
秋元康


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