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スナックのママが飲食店の利益構造をMECE分析してみた②コスト編

こんばんは。湯島に月イチで現れる幻のスナックさりーのママ、さりーです。

本記事は飲食店の利益構造の分析の後半、コスト編です。よければ前半の売上編を先にお読みください。

前半記事と同様に、一旦店舗を持っている飲食店を前提としています。

飲食店のコスト構造

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コストは大きく分けて固定費と変動費の二つから構成されています。
第三象限は発生頻度の高いものにプライオリティをおいてグループ分けしてみました。さらに細分化することも可能です。例えば固定費の第三象限に通信費を追加してインターネットやSNS有料会費を分けるなど。MECEの分け方はアイデア次第でいくらでもあるので、あくまで一例としてとらえてください。

固定費

店の売上に関わらず定常的に発生し続ける費用です。お店の体力に直接的に影響する部分であり、初期設定後に削ることが難しいため、慎重に決定する必要があります。

固定費-地代や家賃

店舗の維持に係る最も重要でインパクトの大きい費用です。ここでは賃貸をベースに話を進めます。

まず、飲食店を新しく始めようとするときに多い形態が居抜きです。居抜きとは、以前のお店が使用していたレイアウトや設備をそのままに店舗を譲ってもらう形態のことです。その場合、例えば調理機器が壊れていたらその修理や、店内の清掃などは新しいオーナーの負担になります。居抜きの場合は初期費用として造作譲渡料が発生します。この造作譲渡料の金額は店舗の立地や面積などをふまえて決定されます。一括で支払えば固定費は発生しませんが、ローンを組んだ場合は毎月の返済が発生します。

その上で店舗オーナーになった暁には、毎月の家賃が発生します。家賃の形態としては、通常の住居同様の定額制のほかに、売上歩合家賃形式として「売上の30%」という形式も存在します。また、家賃のほかに管理費や共益費が発生する場合もあります。

固定費-保険

飲食店には火災や食中毒など、様々なトラブルのリスクが潜んでいます。万が一の事態が発生した場合店舗や資産を失ってしまいますので、保険でリスクに備える必要があります。店舗の火災や水災、ガス被害に備えた火災保険や、お客様の食中毒、やけど、怪我などに備えた賠償保険などが主に挙げられます。

固定費-上記以外

飲食店の形態にもよりますが、さまざまな固定費が発生し得ます。一部の調理機材や冷蔵庫などは高額のため、購入せずリース/レンタルするという選択肢もあります。その場合は月々のリース/レンタル料が発生します。
インターネットや電話、水道、ガス、電気には固定の契約料が発生します。音楽を流す場合はJASRACに使用料を払うケースもあります。
さらに、スナックに欠かせないのはカラオケです。こちらを用意する場合は機材のリースや通信料が発生します。

変動費

店の営業状況や売上に応じて変動する費用です。税金以外については、ムダを出さず、必要十分な費用で効果を最大化することが重要です。

変動費-仕入れ

飲食店の最も重要な要素です。営業日の客数やオーダー内容を予測して、なるべくロスが出ないように仕入れを決定する必要があります。食材にかける予算によって提供するフードの質も変化し、ひいては店舗の評判に大きく影響します。

スナックさりーの場合は基本的に1日/月の営業なので、仕入れた食材は一日で使い切らなければならないので、来店数見込みよりも若干少な目に料理を仕込みます。それでも余らせた場合は、翌1週間くらい自分で食べ続けます笑
お酒は保存がきくものが多いので、大目に仕入れて保管しています。できればいろいろな種類を用意してお客様に楽しんでもらいたかったので、お酒を保管できることは今のお店を選ぶ上での重要なポイントとなりました。お店選びについては☟のnoteで詳しく書いています。

変動費-人件費

規模が大きくなるにつれてオーナー以外の従業員を雇う場合、人件費が発生します。人件費の雇用形態に応じて社会保険や雇用保険、源泉徴収や所得税といった経費の手続きが発生します。

変動費-水道光熱費

一般的な住居同様、使った分だけ発生するインフラ費用です。水道、電気、ガス、通信などが主に挙げられます。

変動費-税金

個人事業主と法人、どちらの形態で飲食店を運営しているかにもよって課税される税金が異なります。
個人事業主:所得税、個人事業税、個人住民税
法人:法人税、法人事業税、法人住民税
共通:消費税、償却資産税、印紙税など
土地や店舗を所有している場合は固定資産税が発生しますが、賃貸の場合には発生しません。

変動費-上記以外

その他の変動費として、例えば文房具や清掃用品などの消耗品や、店舗設備の修繕費、チラシやSNSの広告宣伝費などが発生します。


以上、2つの記事にわたって飲食店のコスト構造をMECE分析しました。
コストドライバーの特定、コスト削減策/重点投資ポイントの検討が次のステップです。
飲食店経営者や経営を検討している方は、自分のお店に当てはめて考えるベースとして活用いただけると嬉しいです!

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