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「燃やせる雑貨」ってナニ? iPadとMacのテレワーク雑貨を創る。

 昨今、キャンプブームで焚き火が人気です。アウトドアで薪を燃やして暖を取ったりBBQで食材を焼くなど、身近なレジャーとして広く楽しまれています。自然派指向から薪ストーブで暖を取ることが趣味人の間でも人気です。薪から立ち上る炎の揺らめきは、1/fの揺らぎで人のストレスを癒してくれます。(夜に揺らめく焚き火は酒の肴にピッタリです。)

里山の古民家の囲炉裏で、焚き火で煮炊きをする様子を見たことがあるでしょうか。囲炉裏薪ストーブでは焚き木や木質ペレットを燃料に焚き火を焚べて室内をかくしたり、直火の火力で煮炊きができます。

昔の山村では、里山の森から薪を集めて火床に焚べていました。燃え残った灰は、使い方を心得れば野菜の肥料や防腐剤として使えました。特に軒先きの農地や畑で作物を育てる食住が近い生活は、資源の循環が実感できたことでしょう。


BBQの灰は、ベランダプランターの堆肥に役立つ。

都会では、BBQの燃え残り炭や灰はゴミ回収に出しますが、灰や炭の用途知識があれば、資源として役立てることができます。

灰を例にとると、焚き火の燃え残りの灰は、野菜を育てる土作りに活かすことができます。何を燃やして残った灰か?によって幾つかの使い方があります。「草木灰/草木を燃やした灰」は、カリウム(k)リン酸(P)窒素(N)酸化カルシウムなどを含んでいます。この灰は以下の使い方ができます。

草木灰の用途

1. 酸性土をアルカリ性に傾けられる。
2. リン酸とカリウムに追肥効果がある。
3. 作物の病害虫を忌避する。

野菜を育てる土壌は、酸性度が強いと作物が枯れます。生育に適するph値は弱酸性(ph6.5)の場合が多いそうですが、作柄によって好むph値は様々です。

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土は、雨と作物の生育に伴ってphが酸性に傾いていきます。灰はアルカリ性分なので、作物の成長によって酸性になった土のphを変えることができます。

女史や主婦の間で人気の家庭菜園やプランター栽培の土へ、草木灰を肥料として適度に加えると作物の成長を促します。

都会の生活は、素材や原料について無知になり、なかなか焚き火の灰と、家庭菜園の堆肥灰を関連づけて考えられません。都市で暮らすと森から離れることで、食材や天然資源(燃料)の産地に目が届かなく、資源の循環を実感できなくなります。


燃やせる雑貨を作る意味


さて、BBQの燃え残りゴミの灰が野菜を育てる土の肥料になることをご理解頂いたところで、「コワーキングボード」が燃やせる意義を改めてお伝えします。

本製品は、廃棄の時に解体せずにそのままで燃やせる「処分性能」があります。ゴミ回収先の焼却炉であれ、庭先や、屋外の焚き火台であれ、そこで燃やして残った灰は、土に戻せて野菜を育てる堆肥として役立ちます。

異素材(鉄や樹脂、ゴムなど)を排して、単一素材(木)で作る製品は、分解の手間や、焼却温度の厳格な管理なく燃やすことができます。

樹脂やゴムが混ざった火床では、有毒ガスや異臭が炊事場と料理を台無しにして調理できません。

本製品のように、薪に使える木質でできた雑貨であれば、そのままで暖をとる火床に焚べられます。

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注:製品の役目が終えた時に初めて火床に焚べる品です。いつのタイミングで燃料に変わるかは?オーナーであるユーザーご自身の判断にお任せします。些か気の長いお話ですが、森の木を伐採するスピードと、新芽が木に成長する時間とがバランスする程度にご利用頂ければ良い塩梅です。)


薪の種類と火力

本製品は、針葉樹と広葉樹を原料材にしています。樹種の燃焼性能をご説明しますと…

針葉樹

1. 着火しやすいが、燃えつきが早い。
2. 針葉樹種「杉. 檜. 赤松. 唐松」等。
3. 煤煙のヤニにクレオソート分(防腐剤の原料)が多い。

広葉樹

1. 着火しにくいが、火持ちが良い。
2. 広葉樹種「楢(小楢). 櫟. 桜. 栗. 欅. アカシア(金合歓)」等。

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樹種は、葉の細い針葉樹と、葉の広い広葉樹に大別され、それぞれ燃やす時の燃焼具合に違いがあります

針葉樹と広葉樹を原料として構成する本ワークボードは、針葉樹の軽比重と、広葉樹による平板精度を併せ持ち、無垢板なのに、軽くてボード反りの狂いが抑さえられて高い平板度を保ちます。

また、針葉樹と広葉樹を原料にすることで、火付きが早く燃やせます。そして、火床で燃やし終わった灰は、畠の追肥に使えます。



「処分性能」としての「燃焼性」


現在、ペットボトルや樹脂製品の投棄や海洋への流出が後を絶ちません。マイクロプラスチックが問題視され、先ごろレジ袋が有料化されました。

廃棄汚染の当事者として、製造メーカー・消費者・廃棄業者のそれぞれに相応の責任がありますが、しっかり責任が取れているのでしょうか?

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作った責任、使った責任、処分する責任、各者が充分に責任を全うすれば海洋プラスチックの問題はおこりません。しかし、現実に海洋投棄は無くなりません。

自然が環境の負荷によって、人の生き難くい天候へ変容する現代。メーカーは物を作るだけでなく、世に手渡される製品を粗大ゴミとして山野に散らかさないために、「処分性能」という新たな指標を製品作りに盛り込む責任があると考えています。

忘れ去られた古民家の里山生活に息づく知恵を、現代の生活スタイルに合わせた使いやすい製品として活かすことを目指します。

「Ring」ブランドの製品は、生産側が製品の「終の姿」まで想いを致し、自然の負担軽減をひとつの目標として製品開発に取り組んでいます。



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