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Dr.ムックの2分で学ぶ解剖学

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2022年12月の記事一覧

【上腕三頭筋と肘筋】実は意外な関係です!

【上腕三頭筋と肘筋】実は意外な関係です!

上腕三頭筋は、上腕の背側(伸側)にあります。
その起始停止を見ていきます。

上腕三頭筋の長頭は肩甲骨の関節下結節というところに付着します。
外側頭は上腕骨の後面に付着しています。
その深部にある内側頭も上腕骨の後面から起始しています。

そして、これら3つの頭すべてが、遠位では一つの腱に集まって、尺骨の肘頭についています。

こちらの腱は非常に強靭で、体表からも触れることができます。
腱反射を見

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【肩甲骨】角、辺、面、そして突起を把握せよ!

【肩甲骨】角、辺、面、そして突起を把握せよ!

肩の上肢帯をつくる骨である肩甲骨。
この肩甲骨は、扁平で大きい三角形の骨です。
平たい三角形ですから、3つの角と、3つの辺縁、そして2つの面を持ちます。

3つの角は、外側角、上角、下角とよばれます。
このうち、外側角には、浅い窪みであり「コンマ」の形をした関節窩があります。
これ不思議な形をしていますよね。
辺縁の一ヶ所にくびれが出来て、「コンマ」のような形になっています。

こういう形になって

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【腹膜】腹膜の二重膜が腸間膜!

【腹膜】腹膜の二重膜が腸間膜!

お腹の中では、消化管など消化器系の臓器全体が袋状の構造に包まれています。
その包んでいる膜が『腹膜』です。

まず、腹壁側を覆っているのが『壁側腹膜』です。
そして、肝臓とか消化管とかの臓器も膜に覆われています。これが『臓側腹膜』です。

他にも、例えば『腸間膜』とか消化管の『外膜』とかって聞いたことがあるでしょうか。

実は、これら腸間膜も消化管の外膜も『腹膜』なんです。
「いや、どういうことで

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【表情筋】細かいけど実は連続的!

【表情筋】細かいけど実は連続的!

表情筋は、顔の表面の浅いところにある、表情を作る筋肉です。

解剖学的には、この表情筋は『皮筋』という分類になります。
皮膚の筋と書いて『皮筋』。筋肉の両端または一端が皮膚についている筋を『皮筋』と言います。

表情筋は皮膚を引っ張ったり、伸ばしたり、しわを寄せたり、そういった作用で表情を作ることができるわけです。

そしてこの表情筋、細かい名前がついた筋がいっぱいあるのですが、大事なポイントとし

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【舌神経】鼓索神経も乗ってく?

【舌神経】鼓索神経も乗ってく?

舌神経は、三叉神経(脳神経5番)の枝である下顎神経から出る太い感覚神経です。

下顎神経は近位で前側と後ろ側に分岐します(前神経幹と後神経幹に分かれる)。
舌神経はそのうち後ろ側、後神経幹の枝の一つです。

舌神経の役割として、どこの感覚を担うかというと、舌の前方2/3、口腔底の粘膜、下の歯(下顎歯)と歯肉の一般感覚を脳に伝えます。

舌神経は、まず口蓋帆張筋と外側翼突筋の間を下行し、さらに内側翼

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【肺の形】半円錐形の「尖」と「底」

【肺の形】半円錐形の「尖」と「底」

肺は、胸郭内、縦隔の両側に位置する呼吸器官です。
この肺の形をしっかりとイメージすることができるでしょうか。

肺の形は、半円錐形です。
イメージとしては、円錐形のものを縦に半分に切って、右肺と左肺に分けたような感じです。
半円錐形ですから、上はとんがってて、下は平らな面になっています。

上のとんがっている部分を肺尖、下の平らな部分を肺の底と書いて肺底と言います。

肺底は、ちょうど横隔膜の上に

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【鼠径靱帯】紐状の構造物?それは誤解です!

【鼠径靱帯】紐状の構造物?それは誤解です!

鼠径靭帯は上前腸骨棘と恥骨結節を結ぶ靱帯であり、上でも下でも重要な構造に参加しています。

鼠径靱帯の上には、鼠径管があります。
鼠径管は、男性では精索、女性では子宮円索が通り、鼠径ヘルニアの病態と深く関わります。
鼠径靱帯は、この鼠径管の下の面、いわば床を構成しています。

鼠径靱帯の下には大腿三角があります。
大腿三角は、大腿動脈、大腿静脈、大腿神経が通る、大腿前面の重要な領域です。
鼠径靱帯

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【十二指腸の動脈】膵頭部とシェアしてます〜

【十二指腸の動脈】膵頭部とシェアしてます〜

十二指腸に分布する主要な動脈は、膵十二指腸動脈です。

腹腔動脈の枝としてやってくる上膵十二指腸動脈と、上腸間膜動脈の枝としてやってくる下膵十二指腸動脈があり、上下それぞれ前後に分岐しますので、前上、後上、前下、後下、の4つの膵十二指腸動脈があり、これらが膵頭部で動脈吻合、アーケードを作りながら十二指腸に分布しています。

最大のポイントは、膵十二指腸動脈というその名の通り、十二指腸の動脈は、膵臓

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