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心のチューニング-書籍『年収90万円で東京ハッピーライフ』より-


おうち時間が長くなると、体調の変化によく気がつくようになります。
中でも、やはり「心のバランス」に意識が向くことも増えていると思います。
外出や娯楽が制限されていると、なかなか難しいですよね。

今回は、大原扁理氏の書籍『年収90万円で東京ハッピーライフ』で出会った、「心のチューニング」という素敵な表現をシェアしたいと思います。


著者について

著者の大原氏は、社会が求める「フツーの暮らし」への違和感から、世間の枠組みを脱して、「隠居生活」にたどり着いた方です。
週に2日働き、残りの5日は自由に過ごすという生活スタイルに幸せを見いだし、衣食住の面でも、精神的な面でも、豊かな生活を送られています。
(現在は、台湾へのワーキングホリデーから一時帰国されています。)

私がちょうど会社を退職して、「世間に承認されるために生きるのではなく、自分の幸せに必要なことを選んで生きていきたい」と考えていた時に、導かれるように出会った著者です。

大原氏は、引きこもり生活からの世界一周、上京後の激務ライフなど、たくさんの景色を見てこられています。その上での「隠居生活」なのだと納得できちゃうんですね。紡ぎ出される文章は、スルスルと沁み渡り、心地よい安心感で包み込んでくれます。

大原氏の書籍は、あの堀江貴文氏の推薦図書でもあります。

親も先生も信用してはいけない。
就職しなくても生きていける。
終身雇用なんて期待するな。
世間の常識は疑ってかかれ。
同調圧力や空気に負けるな。
人生は一度きり。他人に自分の運命を左右されるのは御免だ。
など、僕と考え方はほとんど同じだ。
「働かざるもの食うべからず」なんて、古い。---堀江貴文

真逆のライフスタイルの方々が同じことを言っているのですから、本当に生きたいように生きていいんだという勇気が湧いてきます。

心のアンテナがピンと反応した方は、是非読んでみてください。


心に通ずる、楽器のチューニング

大原氏は著書で、ゆとりを持って、自分で選んだ人と関わりながら生きていても、ほうっておくとすぐに心の声が聞こえなくなってしまうと述べています。

常に自分の心にチューニングしとくのって、けっこう難しい。ギターの弦みたいに、ほっといたらどんどんずれていっちゃうんです。ひまだから心は元気、ってもんでもないみたい。

大原扁理『年収90万円で東京ハッピーライフ』太田出版,2016年,No.1353/1900(Kindle)

チューニングとは、何も押さえていない状態で、弦の音程を合わせる作業です。
このチューニングをについて、私がアマチュアで演奏しているヴァイオリンに置き換えて、より解釈を深めてみました。
ちょっと書かせてください。

ヴァイオリンも、毎回チューニングをします。楽器ケースを開けると、大体、温度や湿度などで楽器が膨張して弦がゆるみ、音程が下がっています。
オーケストラが演奏前にチューニングをする光景をご覧になったことがある方も多いと思います。あれは、照明の熱や手の汗などでもチューニングがずれてしまうので、舞台上で行っています。
チューニングが合っていないと、指を押さえる位置が正しくても、音程は微妙にずれてしまいます。

私が「チューニング」という言葉が素敵!と思ったのは、「微調整」というポイントです。
弦は、ちょっとゆるむ程度だったら、すぐに調整して元通りになります。
では、4本の弦が全部ビヨーンとゆるむと、どうなってしまうと思いますか?


「駒」という弦と楽器本体の間にある重要な部分が倒れてしまうんです。

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駒は、接着剤などを使わず、弦の張力だけで立っています。なので、弦が許容範囲を超えてゆるむと、パタンと倒れてしまいます。
滅多に起こらないですが、弦が一気に何本も切れた場合も同様です。
「倒れたらまた立てればいいじゃん?」と思われたかもしれません。けれど、この駒は、一度倒れると、元の位置に戻したとしても、以前と100%同じ音を出せなくなってしまいます。倒れた後に出せる音で、新しい100%をつくりあげていきます。

チューニング=「微調整」ということ

これって、人間の心にとても似ているなあと思ったんです。
保っていたい心のラインから外れてしまうことって良くあります。
そこで、上手くいかないと落ち込む必要はなかったんですね。
ちょっとのズレを毎日微調整することで、割とすぐに元通りに復活することができます。それに、致命的にこけないための予防にもなります。


心がずれる原因と、チューニングの方法

大原氏は、心がずれてしまう原因を、心が外側に向きすぎてしまっていることと捉えています。
そして、それは「社会と距離を置くこと」自体が解決策ではないと述べています。

(気持ちが)外に向いている方が社会的には怒られなくてすむかもしれないけど、そのぶん心にしわ寄せがいって、やがて自分の内側からバッシングが来るかもしれません。
(中略)
心と体のバランスは、いつもいつでも自省と微調整が必要なもので、社会と距離を置いたからといって、上達したり、熟練したりすることがないというのは発見でした。

大原扁理『年収90万円で東京ハッピーライフ』太田出版,2016年,No.1372/1900(Kindle)

心のチューニングとは、自分の心の声を聞くところからはじまります。
心のザワザワが消えない時は、やりたくないことを無理してやっていないか、損得勘定で動いていないか、などを確かめてみます。少し瞑想をすると良いかもしれません。そして、自分を無意識のうちに苦しめていた小さなことを見つけてあげます。

気づけた段階で、きっとチューニングは済んでいます。


まとめ


「心のチューニング」は、おうち時間で磨くのにぴったりの捉え方だと思います。心の内側に意識を向け、微調整を続けて、毎日を積み重ねていきたいですね。

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