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ハラスメント防止の第1歩は「現状を知ること」

パワハラ防止法により相談窓口の設置が義務化に。

2020年6月にパワハラ防止法が施行されました。さらに2022年4月には、中小企業においてもハラスメント防止規定を定め、従業員へのハラスメント防止研修などの予防策、ハラスメント相談窓口の設置が義務化されています。実際に、都道府県総合労働局への相談件数は年々増えており、2020年時点で2010年の約2倍、8万件/年にもなります。その中でも最も多い相談内容が「職場におけるいじめ、嫌がらせ」です。

増加傾向にあるハラスメント相談

心理カウンセラーとして、社員のカウンセリングや社外相談窓口として1000人以上の相談を受けてきた中、「上司から激しい言葉で叱責される」「時短勤務に同僚から嫌味を言われる」「仲間外れ」「取引先からセクハラを受け断れない」など、現場としても実感するハラスメントに対する相談が増加しています。ハラスメント問題は、ハラスメントそのものだけでなく、ハラスメントで受ける強いストレスから精神的にもダメージを受け、場合によっては自殺にも繋がってしまうような深刻な問題です。

「しない、させない、許さない」

「しない、させない、許さない」という職場環境を作ること、これがハラスメント防止には大切です。それだけではなく、特に「早期段階でどう対応し、問題を解決して再発防止に繋げて行くか」が最も重要になります。

相談担当者としてどう対応するか

ハラスメント問題はデリケートなだけに、相談担当者の対応の仕方は大切です。ハラスメント問題に直面し、辛く苦しい状況を何とか解決したい相談者は「気持ちを分かってほしい」「正確に理解してほしい」という思いで相談にやってきます。

また、ハラスメントを受けた人がすべて相談に来るとは限りません。ハラスメントを受けた人の中で、「何もしていない」という人の割合はパワハラでは36%、セクハラでは39%にもなります。こういった「隠れハラスメント」があることも、意識する必要があります。企業内で把握されていない、知らない間に退職する人もいるかもしれません。

最初の対応がとても重要であり、相談担当者という立場になったら、相談しやすい窓口となるように1人ひとりに真摯に向き合うことが大切だということを忘れないでください。相談者の気持ちに寄り添い、職場で起こっていることに敏感になって対処していくことが、ハラスメント防止、しいては働きやすい職場づくりに繋がります。

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