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自画像。




自画像、というものがこの世にはある。



私は今、自画像を描いている。

絵を描く間、じっと自分の顔を見つめる。


何時間も。


こんなに長い間顔を見続ける経験は他にあるだろうか。


自画像を描くことによって、「新しい自分」というものが見えてくる時がある。

好きな自分。気に入らない自分。

人は様々な面を持っている。

怖い、優しい、冷たい、可愛い、かっこいい。


己の短所や長所、性格までも完全に把握し、理解してなお人間関係を成り立たせている人は数少ないだろう。

そういう人は表現力が多彩なのだ。

まるで中国の変面のように、人によって性格や態度を変えていく。


絵にはよく己の心が映るというが、果たしてそれは本当なのだろうか。


かのフィンセントハンゴッホも多くの自画像を残したとされている。

かつて、ポールという画家とともに住み、絵の勉強をしていたが2人の関係は悪化し、ついには、興奮したゴッホは自分の耳を切り落としてしまった。


ここからゴッホの精神状態は不安定になり、精神病院にも通うようになった。

そこからゴッホの自画像にはなみなみの模様が描かれ、精神の不安定さが現れていると研究家は言っていた。


そう、作者の心情は絵に反映されるのだ。


心穏やかな人は、明るく優しいタッチで。

厳しい人は、ハッキリとした濃いタッチで。

クールな人は、滑らかにうっすらとしたタッチで。


自画像というものは奥が深い。

それを見るだけで、作者の心情までもが分かってしまうのだから。


あなたも一度、自画像を書いてみてはどうだろうか。


きっと、新しい自分が見えてくるはずだ。


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