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#06 原因追及しても意味がない - 解決志向アプローチ -

この記事では「解決志向アプローチ」の考え方について、一緒に学んでいきたいと思います。数回に分けて書いていきますが、前回は「何が原因なのかではなく、何を望んでいるのか」を考えることで解決の糸口が見つかるというお話でした。そして、「問題解決」ではなく「解決構築」を行っていく上では3つの力が必要であり、今回は、そのうちの1つである「問題の原因に囚われない力 (Problem Disengagement)」を身につけるためにはどうすればいいかについて、一緒に学んでいきたいと思います。


原因を追及したくなるのは自然なこと

人はどうしても問題があると「何が原因なんだろう?」とその背景や過去に遡って追及しようとしたくなります。悲しんでいる人がいたら「どうしたの?」「何かあったの?」と伺いたくなるのは至って自然なことですし、「何が問題なんだろう?」「なんでこうなったんだろう?」と原因を特定することで問題解決への糸口が見つかるという考えは日常生活の中で、自然とやっていることだと思います。

原因追及しても意味がないと思えるか?

そのため、問題を抱えている時に「何を望んでいるんだろうか?」「代わりにどんな状態になっていたいんだろうか?」と「解決した後の状態」を考えることができるようになるためには(もしくは、その癖付けをするためには)「原因追及しても、あんまり意味ないし」と思えるようになれるかどうかがポイントです。そう思えるようになるには、以下の3点を知っておくと、ちょっぴり役に立つかもしれません。

「原因」と「解決」は無関係である

まずは別記事でもご紹介させていただいた「原因」と「解決」は別次元にあるという考えです。お腹がすいた人に「なぜお腹がすいているんですか?」と問いただしても、問題は解決しませんし、年上の部下に指示を出しづらいと悩む若手のリーダーに対して「なぜ指示を出しづらいんですか?」と問いただしても、「年上だから」との回答で解決には繋がりません。このような事例に触れていくこと、もしくは、「問題があったけど、原因とは全く関係ないことで解決した」という事例に触れていくことが役立ちます。

色んな事例に触れることが大切

例えば、以前、日本ポジティブサイコロジー医学会理事の海原純子先生と「ポジティブサイコロジーとひきこもり」についてお話をさせていただいた際、海原先生がお話された「ずっと教室で座れなかった小学生の男の子が、全くその問題とは関係ないことがきっかけで座れるようになった」というお話など、「まさに!」という事例で、とても参考になります。

問題の原因に囚われない力を養うために、先ずは、このような「問題の原因を追及しても解決に繋がらない」「問題の原因とは全く違うところに解決があった」という事例にたくさん触れていくことをお勧めします!

この他にも、問題の原因に囚われないようになるために知っておいた方がいいことがありますんで、また別記事でお伝えしますね。そちらもぜひご覧ください!(つづく)

【参考文献】
De Jong, P. and Berg, I. K. (2012). Interviewing for Solutions. 4nd Edition, Brooks Cole, Pacific Grove, CA, 152.


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