見出し画像

#11 敗因分析よりも勝因分析を - 解決志向アプローチ -

この記事では「解決志向アプローチ」の考え方について、一緒に学んでいきたいと思います。前回は「自分の強みやリソースに気づき、それを活かす力」について「例外的にうまくいったことを探すこと」について、一緒にみてきました。ここでは、その応用編として「敗因分析も大事だけど、勝因分析もめっちゃ大事」というお話をしていきたいと思います。前回の記事を読まれた後の方がこの記事の内容の意味がもっと分かると思いますんで、ぜひこちらをまずご覧ください!


「反省会」という名の下で

部活の試合でも会社のプロジェクトでも、僕たちは終わった後によく「反省会」をします。次回に向けて行うわけですが、そこでの会話の多くは「ここが悪かった」「その原因はこうでああで」「だから次回は・・・」と「欠点を見つけて、直していこう」という話ばかりがされがちです。

確かに、悪かった部分を見つけて、修正すると次回、失敗する確率は減ります。一方、失敗しないからといって、必ずしも成功するとは限りません。

「敗因分析」よりも「勝因分析」を

さまざまな業界でうまくいっている人やパフォーマンスが高い人たちを調べていくと、彼らは、敗因分析よりも、「うまくいったこと」の分析、つまり、勝因分析により多くの時間を費やしていました。

うまくいったことを分析して、今後も使える自分だけの「勝ちパターン」や「勝利の方程式」を編み出していたんです。お笑いでいう「鉄板ネタ」を作り、勝因分析をするたびに新しい持ちネタを増やしていたんです。これ、前回の記事の「例外探し」と同じですよね。

僕たちは、「うまくいったこと」や「問題がなかったこと」に対して、「よかったね」の一言だけで、そのままスルーしちゃうことがよくあります。しかし、実はこの「勝因分析」にこそ、成功の秘訣が隠されていたんです。

To produce excellence, we must study excellence.  – Dr. Donald O. Clifton
エクセレントを生み出すためには、エクセレントを研究しなければいけない。ー ドナルド・クリフトン

「勝因分析」を習慣に

どんなに些細なことでも構いません。1日の終わりでも、1週間の終わりでも、「何が良かったか?」「なぜ良かったか?」を考える時間をぜひ取ってみてください。

そして、うまくいかなかったとき、「なぜうまくいかなかったのか?」よりも、「うまくいったときは、どんなときだったか?」「そのとき、何をやっていたか?」「今と何が違うのか?」ぜひ自分自身に問いかけてみてください。今後に活かせる自分だけのヒントが、きっとそこにあるはずです。

ここでは「例外探し」の応用版として、「勝因分析をして自分だけの勝ちパターンや勝利の方程式を作ること」について、一緒にみてきました。日常生活の会話の中で、「なんでうまくいったと思う?」という追加の一言が、色んな場所で増えていってほしいなと思います。

さて、次回は、最後の力である「望む状態を描き、到達するための道筋を考え出す力」について、一緒に学んでいきましょう。(つづく)

【参考文献】
Hodges, T. D., & Clifton, D. O. (2004). Strengths-Based Development in Practice. In P. A. Linley & S. Joseph (Eds.), Positive psychology in practice (pp. 256–268). John Wiley & Sons, Inc.

Clifton, D. O., & Harter, J. K. (2003). Investing in strengths. In A. K.S. Cameron, B. J.E. Dutton, & C. R.E. Quinn (Eds.), Positive organizational scholarship: Foundations of a new discipline (pp.111-121). San Francisco: Berrett-Koehler Publishers, Inc.

よろしければ、フォローよろしくお願いします!また、自分自身のお悩みや、人を育てる上でのお悩みやご質問などあれば、是非こちらにお寄せください。別記事で「解決の糸口」を一緒に探っていければと思います!https://peing.net/ja/smatsuguma