SDGsの科学的裏付け#1 プラネットバウンダリー
突然ですが、皆さんは、科学・サイエンス、数値、専門知を信じますか?
それとも、自分の感覚、センス、地域の知恵を信じますか?
私は、どちらも信じています。科学の流れをくむ工学の世界で暮らし、なおかつ普段は生活者なので、どちらも信じています。なんとなく、その感覚はわかるのでは、と思います。。
でも、その二つの確固たるものが矛盾するときが往々にしてあります。そんなとき、何を基準に「今」を選択していけばよいのか、これは個人や組織の「哲学」なのだと思います。
そんなわけで、 「サステイナビリティを哲学する意義①」の解説で、スチュワード・ブランド氏の世界を動かす種族の一つ科学者に注目してみましょう。
まずは、科学者たちが何を明らかにし、何を警告し、何に希望を見出しているのか、それを伝えることがこれからの記事の目的です。
プラネットバウンダリーという考え方
SDGsを考える際に、セットで知っておく必要があるのが、プラネットバウンダリーという考え方です。地球の境界線と訳されます。地球には境界線があり、それを9つの指標で測り、現状を診断します。
科学者が大の得意とする「定量化」で地球の許容力を数値として表します。そして、地球の置かれた状況を把握し、改善をしていくわけです。
なお、具体の9つの指標は、wikipediaで確認できます。
「宇宙という書物は数学の言葉で書かれている」
ガリレオ・ガリレイ
定量化することの重要性は周知のとおりです。
ビジネスマンにとっては、企業やクライアントのKPIかもしれない、
健康に留意する人ならスマートウォッチの運動量かもしれない、
『note』のクリエイターの方々ならpv数やスキ数かもしれない。
プラネットバウンダリー・地球の境界線は、いわば地球の健康診断結果。
プラネットバウンダリーによる診断結果
その結果が芳しくない。そんな結論が報告されている。
具体的には、
・生物種の絶滅率が高く生物多様性のリスクが高い
・生物地球科学的循環(Biogeochemical cycle)*のリスクが高い。
・気候変動のリスクが増大している。
・土地利用の変化によるリスクが増大している。
*地球は食物連鎖や土壌・河川の流れで窒素やリンの平衡状態が保っているが、そのバランスが崩れると、予想外の現象が起きるとされている。
詳細は、割愛する。
しかも、それらの「定量化」した指標は、相互に連動しています。そのため、ある指標が増えすぎると転換点・ティッピング・ポイントとなり、地球の機能が衰退してしまい、人間にとって取り返しのつかない状況になってしまいます。
なので、「何とかしないといけないですよ!!!」っと科学者は長年、警告してきたわけです。
©FOBUS
写真が示すように、地球には確かに境界線があります。
科学者の声は、往々にして正しく社会に受け入れられずらいものです。それが、これまでの歴史であったし、今でも肌感覚でわかることかと思います。これまで、言っていることが科学者によって違う!と不信感を募らせるか、難しい話は、やめてくれ!と煙たがられるのが関の山だったんです。
でも、それを乗り越え、プラネットバウンダリー・地球の境界線がSDGsを支える科学的な根拠へと深化していった過程で、共創的な対話が重要な役割を果たしました。
ただ、最初の質問のように、科学的な正しさと、人が腑に落ちるには大きな開きがあります。それもまた事実です。それを埋め合わせるのは対話、そして芸術のパワーかもしれません。
次回は、科学的な根拠と対話を記事にします。次々回は、科学的な根拠と芸術を記事にします。
お読みくださり、ありがとうございます!!!!
これまでの文章は、『サステイナビリティ私観』をご覧ください。
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「世界を変えるお金の使い方(Think the Earth Project編)」に基づいて100円単位~数万円単位でできること、50項目を実行し、その報告を記事にします。 「毎日使う100円玉にも世界を変える底力があります(P11)」 応援、ありがとうございます!!!!