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さきょうです。大手メディア、会社経営を経て文筆家兼photographer。Leica・SONY・FUJIFILM・Nikon・PENTAX・Canonなど趣味カメラサイトTOKYO CAMERA BLOG(https://freeblog100.com/)にも執筆しています。

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【第26話】180㎜の単焦点1本でスナップ撮影!ポストコロナ時代の趣味カメラを考える

「この効き目いいね」と君が言ったから八月五日はワクチン記念日 先日(8月5日)、2回目のワクチンを接種した。1回目は副作用がなかったが、2回目は翌日から倦怠感を覚え、写真撮影はもとより文章を書く気も起きず、空(うつろ)な目でオリンピックをテレビ観戦しながら復調を待っていた。 接種から3日後の本日、起床時から完全に本調子に戻った。その間、カメラやレンズについて改めて考えたことがある。 まず、第一に体調が優れないと、重くて大きなカメラ機材は手にする気にすらならないものだとい

    • 【第25話】ニコンはフィルム時代のAFレンズが魅力的!「絞り環、コンパクト、安価」3拍子揃った名玉探しは面白い

      当コラム「寫眞機余話」も第25話となった。 1980年代後半、現場を離れてから、2010年代に趣味としてカメラを再開するまで、私には空白の30年がある。その間に誕生した機材を中心に忘備録も兼ね、好奇心の赴くまま駄文を重ねている。恥の上塗りのようなコラムなのだが、これまで500を超える「スキ」を頂いた。誠に恐縮至極。感謝に堪えない。 今回のテーマは、フィルム時代に誕生したニコンのAFレンズ。具体的には、1990年代に発売されたDタイプと呼ばれるレンズ群である。 Fマウント

      • 【第24話】フィルムカメラ末期のNikon F100を手に入れた理由

        ニコンには名機や銘玉と呼ばれる機材は数々あるが、1980年代のフラッグシップNikon F3は間違いなく、そのひとつだろう。 仕事道具としてはとても使い易く頑丈だったが、最近、趣味カメラを本格的に始め、改めて良き寫眞機だと感じている。 ニコンF3の登場は1980年。2000年に生産が終了するまで、約20年も現役として販売された人気モデルだった。ジウジアーロ氏のデザイン性も相まって、現在でも中古市場で人気を維持している。 前回のコラムで、私が40年前にNikon F3をロ

        • 【第23話】「Nikon Z fc」の好評を祝しニッコールレンズの話をしよう!Web写真展

          (写真はニコン公式サイトより) 最近、昭和ブームだと聞いた。 言われてみれば、TwitterなどSNSで昭和を感じさせる建物や飲み屋街、路地裏の写真を頻繁に見かける。 しかも、若い女性が好んで”昭和”を撮影しているのを見ると、いまとなっては昭和はむしろ新鮮でロマンを感じさせる時代なのかもしれないと思ったりもする。 その昭和を象徴するアイテムのひとつがフィルムカメラである。 当時、プロカメラマンに愛されたニコンが、クラシカルなミラーレスカメラ「Z fc」を発売した

        【第26話】180㎜の単焦点1本でスナップ撮影!ポストコロナ時代の趣味カメラを考える

        • 【第25話】ニコンはフィルム時代のAFレンズが魅力的!「絞り環、コンパクト、安価」3拍子揃った名玉探しは面白い

        • 【第24話】フィルムカメラ末期のNikon F100を手に入れた理由

        • 【第23話】「Nikon Z fc」の好評を祝しニッコールレンズの話をしよう!Web写真展

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        • 寫眞機余話
          26本

        記事

          【第22話】心の故郷ニコン!最終的に選んだ機種は?私のカメラ遍歴と写真④最終回

          「私のカメラ遍歴」も最終回となった。 他人はどんな考えで、どんなカメラを選んだのか、とても興味のある人が多いらしく、このシリーズはアクセス数がすこぶる多い。多くの「スキ」もいただいた。本当に感謝に堪えない。 さて、最終回は、心のふるさと・ニコンである。1980年代にNikon F3で仕事を始めた私にとって、ニコンは撮影の楽しさと難しさを学ばせてもらった、いわば、学び舎(まなびや)である。 それゆえ数年前に趣味カメラを再開した当初からとても気になるメーカーだった。 ただ

          【第22話】心の故郷ニコン!最終的に選んだ機種は?私のカメラ遍歴と写真④最終回

          【第21話】ペンタックスの森は新発見だらけだった!私のカメラ遍歴と写真③

          ソニー、フジフイルム、そしてライカと、私のカメラシステムは完成した。もうカメラもレンズも要らない。 と思った矢先、足を踏み入れてしまった森があった。ペンタの森である。 そもそも、フィルムカメラで仕事していた時代、ニコンF3を使い倒していたので、30数年ぶりにカメラを再開した際、「デジタル一眼レフも同じようなものだろう」と見向きもしなかった。 そうはいっても一度きりの人生。「試しにデジイチも経験してみようか」とヤフオクを見たら、レンズ付きで1万円以下、しかも使えそうな個体

          【第21話】ペンタックスの森は新発見だらけだった!私のカメラ遍歴と写真③

          【第20話】不便でローテクなライカにハマった理由!私のカメラ遍歴と写真②

          今年3月初め、コラム「寫眞機余話」がスタートして3ヶ月が過ぎた。そして、今回がちょうど第20話となる。 前回は30年ぶりにかつての仕事道具だったカメラを趣味として再開し、フルサイズはソニー、APS-Cはフジフィルムのミラーレスを選択した理由をお話しした。 要約すると、ソニーもフジフイルムもミラーレスの特徴である軽量コンパクトを体現し、レンズの種類と価格の選択肢が豊富だったのが決め手だった。 ソニーとフジフイルムの撮影システムを整備し終えると、次なる関心は過去の製品、とく

          【第20話】不便でローテクなライカにハマった理由!私のカメラ遍歴と写真②

          【第19話】「古い奴ほど新しいものを欲しがるものでございます」!私のカメラ遍歴と写真①

          フィルムカメラで仕事をしていた私が、数年前にカメラを再開して以降、さまざまなメーカーのカメラやレンズを購入し使用した。 色味の面白さで富士フイルム、先進性でソニー、歴史を味わいたいとM型ライカ、未知の世界だったペンタックス・・・ 生きているうちに興味あるカメラやレンズを全て体験しておきたい。これが、いま、私が思い描いている人生後半のささやかな楽しみである。 ただ、私は特定メーカーに惚れたり、ライカ好きに見られる「○○は、いいぞお」と誇らしげな推奨はしたくない。カメラやレ

          【第19話】「古い奴ほど新しいものを欲しがるものでございます」!私のカメラ遍歴と写真①

          【第18話】ニコンがレトロなAPS-C機の噂!1950年代の名機Nikon SPを上回れるか?

          当「寫眞機余話」もスタートして2ヶ月余り。この間、300以上の「スキ」を頂いた。 拙い文章を読了していただくだけでも有り難いのに、高評価までいただき、感謝の念に堪えない。本当にありがとうございます。 さて、今回は、戦後日本のカメラ史を築いたニコンがテーマである。 大苦戦のニコンZシリーズにレトロ調の噂そのニコンがZシリーズ、つまり、ミラーレスカメラ戦線で大苦戦を強いられている。 Zシリーズは、レンズの光学性能が超優秀だ。多くの写真家がZレンズの素晴らしさを盛んに語って

          【第18話】ニコンがレトロなAPS-C機の噂!1950年代の名機Nikon SPを上回れるか?

          【第17話】マクロレンズが欲しい!40年前の機材で代用システムを組んでみた(作例)

          コロナ禍に加えて日本列島に梅雨の季節がやってきた。 「つべこべ言わずに家でじっとしていなさい」。お天道様まで、そう言っているような気分になる。 反骨精神が旺盛な私でも、さすがに感染症には逆らう気になれない。なんせ、相手は姿が見えず、感情をもっていないのだから、戦っても勝てそうにない。 今年はカメラ機材が増えたので大きめの防湿庫を追加した。梅雨時の湿気が襲ってきてもレンズのカビ対策は大丈夫そうだ。 しかし、問題は、スナップに出かけにくいこと。というか、積極的に出かける気

          【第17話】マクロレンズが欲しい!40年前の機材で代用システムを組んでみた(作例)

          【第16話】スナップ文化は衰退するのか?

          なかなか収束しないコロナ禍に加え、会社の面倒で写真撮影を楽しむ余裕がなくなってきた。 優秀かつポテンシャルに溢れた社員が切り盛りする会社に成長したものの、さすがに、ここまでコロナ禍が長引くと厳しい。 今季は5年連続の黒字決算で締めることができたが、来季は最悪、赤字も覚悟しないといけない。損益分岐点トントンまで持っていけるどうか、連日、思案している。 ただ、かりに赤字転落しても、役員報酬を縮小し、社員の給与水準を上昇あるいは維持したいと考えている。バブル経済が崩壊したあと

          【第16話】スナップ文化は衰退するのか?

          【第15話】デジタルカメラかフィルムカメラか、それが問題だ

          当コラム「寫眞機余話」もスタートしてから2ヶ月を過ぎ、早いもので今回が15話となる。その間、拙いコラムを想像を絶する方々に読んでいただき、250近い「スキ」もいただいた。本当に感謝しかない。 先日、ある写真家が「趣味カメラの醍醐味は上がることにある」と話していた。 「上がる」とは? 別の表現で言えば、「沼に落ちる」ことを言う。 語感的には「上がる」と「落ちる」では真逆のことに感じるが、意味は同じだ。 ただ、「上がる」という表現の方がカメラやレンズに散財して懐が寂しく

          【第15話】デジタルカメラかフィルムカメラか、それが問題だ

          【第14話】カメラ系YouTuberを視聴しなくなった理由と新たな期待感

          カメラやレンズを買い替えたいとき、YouTube動画を参考にしている人は多いと思う。私もかつてはそうだった。 素人が新たなカメラを手にして良くも悪くも率直な感想を述べる。なかには酷評もある。動画の構成や編集は粗く、画質も劣るかもしれないが、スポンサー稼業のテレビと違って、自由奔放に意見や感想を発信するYouTubeのアナーキーな可能性と魅力に感心したものだった。 高級レストランの丁寧に作り込まれたフレンチよりも、手早く料理された街の中華や定食が食べたい時があるものだ。美味

          【第14話】カメラ系YouTuberを視聴しなくなった理由と新たな期待感

          【第13話】Sigmaの対応で考えた!品位あるカメラ・レンズメーカーとは?

          前回の「寫眞機余話」で、東京都写真美術館で開催されていた「日本の現代写真1985〜2015」展がコロナ感染の影響で中止となったことに触れた。 カメラ文化が斜陽の時代。1985年から2015年まで、時代を彩った日本を代表する作品が一堂に鑑賞できる機会は滅多にないのだから、日本写真家協会はリバイバルを検討をしてはどうか、という趣旨だった。 先日、SIGMA広報部がその記事に「スキ」をつけてくれていた。 「なぜ、シグマ広報部が?」と不思議に思ったのだが、よくよく考えてみると、

          【第13話】Sigmaの対応で考えた!品位あるカメラ・レンズメーカーとは?

          【第12話】総カメラマン時代なのに写真雑誌が衰退する理由と一流の写真展で感じた違和感

          いま、日本は総カメラマン時代といっても大袈裟ではないだろう。 一眼レフやミラーレスなど本格的カメラでなくとも、誰もがカバンやポケットにスマホを忍ばせている。 フィルム時代とは違って、スマホさえあれば、ノーコストで写真が撮れるのだから、かつて経験したことのない「総カメラマン時代」に突入したのである。 にもかかわらず、アサヒカメラや日本カメラといった日本を代表する老舗写真誌が退場した。写真を撮る行為が特別なことではなくなった以上、お金を出してまでノウハウや写真家の作例を見る

          【第12話】総カメラマン時代なのに写真雑誌が衰退する理由と一流の写真展で感じた違和感

          【第11話】趣味で始めたカメラや写真撮影に嫌気がさしたり、疲れた人はどうしたらいいのか?

          前回は、ピュリツァー賞カメラマン・沢田教一の取材活動を通じて、カメラの伝える力の偉大さや、沢田が愛用していたカメラ機材に言及した。 この記事のアクセス数を見ると、沢田教一の功績や生き方に、いまなお関心を抱く人がとても多いことに気づく。同時に、カメラの力は偉大であることを改めて考えたりもした。 そのカメラも当時は高価な贅沢品だったのかもしれないが、いまでは多くの人が気軽に趣味にできる時代だ。沢田教一のように、人間の生と死を記録する深刻な用途ではなくとも、人生や生活の質を向上

          【第11話】趣味で始めたカメラや写真撮影に嫌気がさしたり、疲れた人はどうしたらいいのか?