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【第17話】マクロレンズが欲しい!40年前の機材で代用システムを組んでみた(作例)

コロナ禍に加えて日本列島に梅雨の季節がやってきた。

「つべこべ言わずに家でじっとしていなさい」。お天道様まで、そう言っているような気分になる。

反骨精神が旺盛な私でも、さすがに感染症には逆らう気になれない。なんせ、相手は姿が見えず、感情をもっていないのだから、戦っても勝てそうにない。

今年はカメラ機材が増えたので大きめの防湿庫を追加した。梅雨時の湿気が襲ってきてもレンズのカビ対策は大丈夫そうだ。

しかし、問題は、スナップに出かけにくいこと。というか、積極的に出かける気になれない。しかも、東京は緊急事態宣言下である。

こんな時は大人しく家でじっとできればいいのだが、人間、そんなに単純なものでもない。たまにカメラを握りたくなる。カメラを握ったらシャッターを切りたくなる。

ライカM3やM4、Nikon SPといった古いフィルムカメラは空シャッターを楽しめる。しかし、空シャッターのベテランとなった私もさすがに飽きてきた。やはり、写真を撮りたい。

なぜ、全世界でマクロレンズが売れたのか?

と思っていたら、シグマの山木社長が「SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art」の新製品プレゼンテーションで語っていた話を思い出した。

要約すると、各国がロックダウンを実施した昨年4〜6月、どのレンズも売上高が急激にダウンした。

しかし、その中で「MACRO 105mm F2.8 EX DG OS HSM」だけが海外で軒並み売り上げが急増したという。ドイツは2倍以上、米国が1.7倍である。

当初、シグマ社内でも「なぜ、このレンズだけが売れるのだろう」と不思議に思っていたそうだが、よくよく調べてみると、外出できなくなった人たちが自宅や庭で日々目にするものをマクロレンズで撮影していることが分かったという。

マクロレンズのない私がマクロ写真を撮影した

花や昆虫撮影などでマクロレンズを愛用している人は別として、私のようなスナップや旅行・子供の運動会でカメラを購入する人にとって、マクロレンズは後回しになりがちだ。

私自身、マクロレンズは所有していない。シグマ社長の話を思い出して、現在、デジカメ用のマクロレンズを選定中だが、そんな折、ふと40年近く前に買ったニコンの接写リング(PK-13)を思い出した。

NIKKORレンズを接写リングとマウント変換アダプターに取り付けたら、SONY α7Cでマクロ撮影ができそうだと考えた。

で、完成したシステムは次の通りだ。

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(写真はSONY RX100Ⅶで撮影)

上記写真は、α7CとNIKKORレンズ「Ai NIKKOR 50㎜ F1.4」(1977年発売)で構築したマクロシステムの姿。レンズや接写リング(PK-13)、変換アダプター(K&F Concept)部分は約520g。カメラを含めた総重量は約1.1kgと程よい重さだった。

思いつきで構築したマクロシステムの作例

というわけで、肝心の描写力だが、ボケも上品でさすがNIKKORレンズだと思った。

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いずれも「Ai NIKKOR 50㎜ F1.4」で撮影したものだが、ご覧のようにきちんとマクロ写真が撮れてしまった。

何気ない日常生活で見過ごしていたもの、身近すぎて被写体に想定していなかったものでも、マクロレンズは非日常的な姿に変身させてくれる。

1980年代、仕事で必要な場面があるかもしれないと思って購入した接写リングだが、結局はさほど使用しなかった。何度、廃棄しようかと思ったことか。

しかし、あれから40年近くたって、この接写リングが撮影自粛中の生活に役立つとは想像だにしなかった。接写リング(PK-13)が「俺だってまだ役に立ちたいんだ」と訴えているようにも感じた。

以下、追伸・・・

この接写リング(PK-13)は、ニコンのホームページに旧製品として記載されている。アマゾンで検索したら、価格は8800円、中古だと2000円台から売られていた。

ちなみに、私がかつて仕事で使用していたカメラシステムに接写リングを取り付けてみた。

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(写真はSONY RX100Ⅶで撮影)

上記写真は、傷だらけのNikon F3に、接写リング(PK-13)と「Ai NIKKOR 50㎜ F1.4」、そしてモータードライブを取り付けた姿。モータードライブは、いまでも心地よい連射音を発する。

当時のニコン、真正面を見据えた「Nikon」ロゴが凛々しく、無骨なデザインが良かった。

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