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【第26話】180㎜の単焦点1本でスナップ撮影!ポストコロナ時代の趣味カメラを考える

「この効き目いいね」と君が言ったから八月五日はワクチン記念日

先日(8月5日)、2回目のワクチンを接種した。1回目は副作用がなかったが、2回目は翌日から倦怠感を覚え、写真撮影はもとより文章を書く気も起きず、空(うつろ)な目でオリンピックをテレビ観戦しながら復調を待っていた。

接種から3日後の本日、起床時から完全に本調子に戻った。その間、カメラやレンズについて改めて考えたことがある。

まず、第一に体調が優れないと、重くて大きなカメラ機材は手にする気にすらならないものだということ。逆に言えば、重くて大きな機材で撮影する気分になるかどうかは健康度合いを図るバロメーターのような気がした。

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(最近、愛用しているNikon D850とAi AF NIKKOR 180mm F2.8 EDのシステム。後ろはモータードライブ付きのF3と、縦グリップ付きのF100)

第二に倦怠感を覚え、何もする気が起きなかったので、最近発売されたカメラ機材をじっくりと調べてみた。性能・機能は飽和状態を通り越して、私のようなスチール中心の人間には余計なお世話状態の機種も少なくなかった。

例えば、数分で熱停止する8K動画などはその代表格。4Kでとどめ、価格を下げてくれた方がユーザーファーストのような気がする。

ただ、カメラ業界は最盛期に比べ売り上げが激減しているため、開発費の回収などメーカーファーストな商品(高価格を納得させるためのスペック)も仕方ないかと大人の姿勢で静かに見守りたい。

第三は、いまや、スペックを追いかける人や特別な撮影を必要とする人以外、低コストで相当なレベルのカメラ機材を入手できるということだ。

私自身、ミラーレスはソニーの第3世代(α7Ⅲやα7RⅢ、α9、α9Ⅱ)の性能で、お腹いっぱいだし、一眼レフもNikon D850やPENTAX K-1 Ⅱで十分だ。いずれも現在は、相当、価格もこなれている。

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(上記写真は、PENTAX K-1 Ⅱと3姉妹と呼ばれるlimitedシリーズ)

最新機種から型落ちまで、いろいろな機種で撮影してみたが、正直言って、趣味的なスナップやポートレート、スポーツ撮影なら、2010年代後半の機種で全く不満はなかった。それゆえ、今後、最新機種に購買欲は湧かないかもしれない。多分・・・

レンズになると、より一層、選択肢が広がる。

Nikon Fマウントのレンズは光学性能が抜群なのに中華レンズのような価格で手に入れることができる。以前、安さで中華レンズも購入したが、どうも愛着が湧かなかった。同じ価格帯だったら、ストーリー(物語)とヒストリー(歴史)のあるNikkorの方が愛着が湧く。

前回、当コラムでは、Nikkorはフィルム時代のAFレンズが魅力的な理由に言及した。その内容に多くの共感(スキ)も頂いた。

その中で紹介したのは、ポートレートの定番と言われた中望遠「Ai AF Nikkor 85mm f1.4D (IF)」と、望遠の「Ai AF NIKKOR 180mm F2.8 ED」だった。

ただ、「Ai AF NIKKOR 180mm F2.8 ED」に関しては到着直後だったため、身近な作例にとどまり、スナップ作例を掲載できなかった。

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その後、スナップに持ち出し、180mmの単焦点レンズ1本という潔いシステムでも十分活躍してくれることがわかった。

その作例をご覧いただきたい。

まずは渋谷スナップから・・・・

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次は平日の東京・目黒川沿い・・・・

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(写真はいずれもNikon D850とAi AF NIKKOR 180mm F2.8 EDで撮影)

1988年に誕生した「Ai AF NIKKOR 180mm F2.8 ED」は、F2.8という大口径にしては760gと軽量コンパクトだ。何より絞り環があるので、デジタルでもフィルムカメラでも使用できる。鏡筒はFマウントでは新しめのGタイプより高級感がある。

それが現在3〜4万円程度で買えてしまう。ちなみに私は2万5000円で手に入れた。

ただ、購入する前から懸念していたことがあった。

それはAF性能である。なんせ昭和のレンズだ。スナップは一瞬を切り取る場面も少なくない。正直なところ、「この昭和レンズ、AFは本当に大丈夫なのだろうか?」という不安があった。

しかし、撮影して「なかなか、やるじゃないの」と感心した。AFの速度・精度に不満はなかった。

たった2万5000円で買った大口径の望遠単焦点。想像以上にポテンシャルを秘めていた。そうした発見が趣味カメラの面白さなのである。




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