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新しい製品・サービスのアイデアを考えたり、革新的な課題解決のアイデアを考えたり...企…

KS@梟

新しい製品・サービスのアイデアを考えたり、革新的な課題解決のアイデアを考えたり...企業の開発設計部門や生産技術部門をクライアントとするコンサル会社の営業マンです。 仕事の話、仕事の周りの話、仕事とは関係のないはなし、を書いていくつもりです。

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最近の記事

34年前に読んだ本『石油精製の基礎知識』

白地のバックに、黒とオレンジ色を組み合わせた幾何学的な図柄。 黒い文字で『石油精製の基礎知識』という書名。 大学を出た後まったく別の業界の営業とマーケティングをちょこっとだけ経験し、数か月のブランクのあと「科学技術計算のソフトウェアの会社」という、「いっそのこと馴染みも、興味もないところがいいや」という人事部長のKさんには申し訳ないような志望動機で選んだ会社に転職。 ...Kさん、普段は温厚だが、飲むとやたらと絡むひとだった...どうしてこれっぽっちの酒でこんなになれるの

    • TRIZの「科学・工学的効果(イフェクツ)」データベース

      今までの記事で、TRIZ(発明的問題解決理論)の中の、 ・背反問題解決のための発想支援ツール「発明原理」 ・技術システムの進化トレンドを利用して、技術や製品の機能を強化するアイデアや将来像を発想する「システム進化パターン」 を紹介しました。 今日はTRIZの「科学・工学的効果(イフェクツ)」データベースという発想支援ツールについて紹介します。 「多くの技術革新は、その当該分野で従来から使われてきた技術ではなく、他分野の技術や知識を応用することで生まれている」 ...膨大な

      • TRIZのシステム進化パターン

        前の記事(背反問題の解決:入れ子にしてみたら)では、TRIZ(発明的問題解決理論)の中でも最も良く知られている「発明原理」について、シンプルな例を使って紹介しました。 発明原理は、「こちらを立てれば、あちらが立たず」といった背反問題(矛盾問題)の解決を支援する発想ツールです。 今日は、TRIZの「システム進化パターン」という発想支援ツールについて紹介します。「技術進化のトレンド」などとも呼ばれます。 TRIZ研究者たちは、膨大な特許事例や技術文献に基づいて、技術システムが

        • 35年前に読んだ本の感想文

          今日はちょっと脱線して、たまたま目にした「noteお題企画」に便乗します。 35年前に社会に出て仕事を始めた頃に読んだ、二冊の本の読書感想文(?)です。 『1分間セールスマン―心で売る共感のセールス』(1985年刊、ダイヤモンド社) 『黙って売れ!―テスト済みの成約テクニック』(1983年刊、産業能率大学出版部) どちらも米国で出版された営業ノウハウに関する本の邦訳版。 大学を卒業して企業に就職し、営業とマーケティングを担当する部門に配属されたときに手にした本です。

        34年前に読んだ本『石油精製の基礎知識』

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          1本

        記事

          背反問題の解決:入れ子にしてみたら

          前の記事(背反問題の解決:こちらを立てればあちらが立たず)で、TRIZの「発明原理」という発想手法を紹介しました。 今日はシンプルな例を使って、発明原理についてもう少し説明してみます。 「発明原理」は、背反問題の解決を支援するツールです。 TRIZ(発明的問題解決理論)の中でも、最も良く使われているツールです。 背反問題とは、システムのある特性を良くしようとすると、別の特性が悪くなってしまう...つまり「こちらを立てれば、あちらが立たず」のことです。 皆さんは、指し棒

          背反問題の解決:入れ子にしてみたら

          背反問題の解決:こちらを立てればあちらが立たず

          前の記事で紹介したTRIZ(トリーズ:発明的問題解決理論)で、一般的に最も良く知られている考え方・ツールは、「発明原理」と呼ばれるものです。 「発明的問題解決理論」というくらいなので、TRIZは「問題」とその「解決」を扱う理論です 元々TRIZを研究した旧ソ連の人たちは、膨大な特許や技術文献を調査して、世の中には”どんな種類の問題があるか”や、”どんな解決のやり方があるか”を調べました(分析した特許の数はなんと250万件!) 彼らの結論のひとつが、「革新性の高い課題解決

          背反問題の解決:こちらを立てればあちらが立たず

          逆に考えてみよう

          以前の記事に、アルトシューラ―少年が目撃したという、「氷がクレーンの代わりになった」発明について書きました。 同じ著作『And Suddenly the Inventor Appeared』の中で、ゲンリッヒ・アルトシューラ―(Genrich Altshuller)は、シンプルな例題としてチョコレートキャンディの問題を紹介しています。 それは小さな女の子の誕生日パーティ。招かれたゲストの一人がチョコレートキャンディの大きな箱を抱えてやって来ました。 キャンディは小さな瓶の

          逆に考えてみよう

          機会とやり方があれば創造的になれる

          以前の記事で、TRIZ(トリーズ)のことを、「こんなやり方で考えたり、こんな着眼点で発想すれば、誰もが革新的な課題解決ができますよ。だから貴方もやってみなさい」という思考法・発想法です...と書きました。 「誰もが」っていうところに引っかかる方も多いと思います...誇張じゃないか?って。 TRIZは「手法」です。「魔法」ではありません。 もしテーマに関する知見や経験を何も持ち合わせていなければ、TRIZを使っても課題を解決できる見込みはまずないでしょう。 あるいはその課

          機会とやり方があれば創造的になれる

          氷がクレーンの代わりになった?

          その日の午後、少年がいつものように学校から帰ってくると、団地の敷地に数人の男が立っていた。 男たちは煙草を吸いながら、困った様子で、敷地の片隅に置かれた変圧器を見上げている。団地の住宅に電気を供給する古い変圧器が壊れて、彼らは修理作業のためにそこに呼ばれたようだ。 変圧器は1メートル近い高さの台座の上に据え付けられていて、見上げる少年の目にはまるで何かのモニュメントのように映った。 男たちは、壊れた変圧器を台座から降ろし代わりに新しい変圧器をそこに設置するために、クレーン

          氷がクレーンの代わりになった?

          革新的な問題解決のための体系化された思考法・発想法

          私が勤める会社は、企業の、特に製造業の開発者や技術者の方々向けに、新製品を開発するアイデアや、革新的な課題解決のアイデアをどう創出して、またそれをどう実現していくか、そのための体系的なプロセスの導入と展開をコンサルしています。 私たちの仕事の中心にあるのは、「TRIZ(トリーズ)」という「課題解決のための発想手法」です...と言っても、なんのこっちゃという感じでしょう。 TRIZ(トリーズ)は、元々旧ソ連で研究され、その後東西冷戦の終焉と共に欧米に伝わり、そして米国経由で

          革新的な問題解決のための体系化された思考法・発想法