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35年前に読んだ本の感想文

今日はちょっと脱線して、たまたま目にした「noteお題企画」に便乗します。

35年前に社会に出て仕事を始めた頃に読んだ、二冊の本の読書感想文(?)です。

『1分間セールスマン―心で売る共感のセールス』(1985年刊、ダイヤモンド社)
『黙って売れ!―テスト済みの成約テクニック』(1983年刊、産業能率大学出版部)

どちらも米国で出版された営業ノウハウに関する本の邦訳版。
大学を卒業して企業に就職し、営業とマーケティングを担当する部門に配属されたときに手にした本です。

どうやってこの二冊の本を手にすることになったのか...
『一分間セールスマン』の方は、配属部署で上司だった役員の方が、「〇〇君、これ読んでみなさい」と渡してくれた記憶があります。
もう一冊の『黙って売れ!』もその上司が「〇〇君、こっちも読んでみなさい」と薦めてくれた気もするし、渋谷の大盛堂書店か紀伊国屋書店(今は取り壊された東急プラザにあった)で自分で選んで買った気も...

タイトルから想像できるように、『黙って売れ!』(原題は、『Shut Up and Sell !』...いいなあ、このタイトル)は、営業マンの仕事は喋ることじゃない、得意になって自分の知識を披露してるんじゃないぞ。顧客の心が動くその瞬間を見逃さず「黙って売れ!」...そんな本です(もう35年前に読んだきりなので、多少怪しいですが)。

「一分間セールスマン」は、その頃までのセールスの世界で一般的だった、営業と顧客を対立軸で捉える考え方を否定して、これからの営業マンは顧客の立場に共感し、営業と顧客はwin-winの関係を目指すべきだ、と説いています(1985年に)。
私がwin-winという言葉を初めて目にしたのは、この本だったかもしれない。
営業のことも、「営業マン、セールスマン」ではなく「セールスパーソン」と呼んでいました。そんなところも、(当時としては)新しさがあった。

この二冊の本はその後「何度も繰り返し読んだり」はしなかったのだけど、それでも、35年を経た今に至るまで、文字通り何度も繰り返し思い出すことになる教訓、というか戒めを教えてくれました。

『一分間セールスマン』
顧客であれ誰であれ、他者の立場に立つには、先ずは自分の立場を一度脱ぎ捨てなければダメだ。
”自分の靴を履いたまま、他人の靴は履けないだろう?”...

35年前の私には、この靴のたとえが余程しっくりきたのでしょう。

営業マンとして顧客や見込み客と話をしているとき、相手の立場になって想像力を働かせることは本当に難しい。
今も、客先で商談していて行き詰ったとき、頭の中で自分の靴を脱いでるところを思い描いたりします。
相手の靴を履くところまでできなくても、自分の靴を脱ぐだけでもちょっと冷静になれる。

もう一冊の『黙って売れ!』の方は、文字通りこのタイトルとこの本のオレンジ色の表紙のイメージに、今もときどきガツンと戒められます。
黙るべきときに黙ることは難しいです。35年前も、今も。

しかし...
35年も営業やってるのに、何かがすごくできるようになったりしない...進歩してないんだなあ(涙)

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