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機会とやり方があれば創造的になれる

以前の記事で、TRIZ(トリーズ)のことを、「こんなやり方で考えたり、こんな着眼点で発想すれば、誰もが革新的な課題解決ができますよ。だから貴方もやってみなさい」という思考法・発想法です...と書きました。

「誰もが」っていうところに引っかかる方も多いと思います...誇張じゃないか?って。

TRIZは「手法」です。「魔法」ではありません。

もしテーマに関する知見や経験を何も持ち合わせていなければ、TRIZを使っても課題を解決できる見込みはまずないでしょう。
あるいはその課題を何としても解決してやるぞという熱意がなければ、やっぱり解決は望み薄です。

しかし、皆さんが今まで課題に真剣に取り組んできて、でも解決できなくて(できたとしても目標とするレベルには届いていない)、何としても解決したいという強い熱意を持っているのであれば、TRIZベースの課題解決プロセスは、そんな皆さんの強い味方になります...間違いなく。

2年ほど前に、初めて私たちのコンサルを導入して、そんな”何としても解決したい”開発テーマに取り組んだ企業がありました。
従業員2000名くらいの台湾の企業です。

コンサルタントが、4か月くらいの間に合計10日間、セミナーとワークショップで台湾のその会社にお伺いしました。
最初の二日間で、TRIZと、TRIZを使った私たちの課題解決プロセスについて学びます。残りの八日間で、クライアント企業の実際のテーマ解決に取り組みます。課題を分析して、アイデアを出して、アイデアを解決策にまとめ上げる、そんなプロセスです。
その後、経営トップも参加して成果報告会を実施しました。

「今、我が社の主力製品はコモディティ化している。誰もがコスト低減、効率化ばかり考えていて、自社製品のイノベーション、付加価値を高めることに目が向いていないのが現状だった。しかし今回〇〇のテーマに取り組んでみて、機会とやり方さえ与えれば、我が社のエンジニアがこんなにも創造的になれることを知りました」
これが、報告会後の経営トップのコメントです。

この会社のエンジニアは、コンサルの直後に他の2つのテーマにTRIZを適用し、それから後も継続的にいくつものテーマにTRIZで取り組まれているそうです。
でも、この会社の人たちが特別な存在だったわけではありません。きっとどの企業にもいる、ごく普通の、でも「創造的に仕事ができたら楽しいだろう」、そんな気持ちを持ち合わせたエンジニアでした。

※下の二つの絵は、日刊工業新聞社の「機械設計」(2018年9月号)の特集記事に執筆した記事から引用しました。

現実と理想のギャップ
経営トップのコメント


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