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【architecture】フィン・ユール邸

北欧の家具や建築は、日本人には人気がある
北欧の家具や照明について詳しい方も多いだろう

私は北欧建築は好きだが、なぜ好きか?と問われると応えるのが難しい
言葉にするのがちょっと苦手なエリアではある


フィン・ユールはアンネ・ヤコブセンと並びデンマークを代表する建築家であり家具デザイナーである

岐阜県高山市にフィン・ユールの自邸が再現されている
日本で忠実に再現された北欧建築を体験できるのはかなり珍しい

さてフィン・ユール邸であるが、外観は可愛らしい三角屋根である
白い外壁にパステル色が綺麗だ

内部に入ると自然光をうまく取り込んだつくりがとても気持ちいい
はじめて来た感覚というよりはすぐにこの建築に馴染んでいつまでものんびりしていたい居心地の良さがある


う〜ん…
ものスゴクいいんだけどなんと表現したら良いものか…

ドヤ感はない
でも他の建築にはないものがある


北欧建築の特徴として、最も注目すべきは『光』であろう
北欧は太陽高度が低く自然光が乏しい
また日中の時間が短い冬は常に曇天で、太陽の光を逃すことなく建築に取り込むことが考えられている
かといって窓をたくさん設けると断熱性が落ちてしまう
高窓から入る光を拡散させながら建築内部に取り込む手法は北欧建築の魅力でもある


次に注目したいのが、建築と家具が一体となってつくられていることである
建築家であり、家具デザイナーでもあるフィン・ユールは家具をつくるように建築をつくったのではないだろうか
どこからが家具でどこからが建築なのかが曖昧なのである
ホールの階段と一体化したソファ
書斎の窓と一体化した本棚

家具が建築と継ぎ目なく溶け込んでいる
すなわち人の体が建築と一体化するような感覚があるのである

建築が
「ここに座ってみたら?」
「ここで本でも読んだら?」
と言っているような『優しい建築』こそ北欧建築の魅力ではないかと私は思う



巷を賑わすような建築にはドヤ感が出ていることがある
これは決して悪いことではなくて、このドヤ感が街を刺激することもある

だがフィン・ユール邸はドヤ感ゼロである

肩肘を張らずに、ここで外を眺めながら珈琲でも飲みたいと思うところに、そっとソファを設けて本棚でもあれば、それで建築は成り立つんだよと優しく教えてくれる建築だった

可愛いコンセント

家具?手摺?インテリア?

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